日産デイズは、軽自動車として高い人気を誇るモデルの一つですが、インターネットや口コミでは「壊れやすい」という声も見かけます。購入を検討している方にとって、その真偽や原因は気になるポイントでしょう。
この記事では、デイズの特徴や実際の故障事例、リコール情報、購入前に確認すべきチェック項目までを徹底解説します。日産デイズに関する不安や疑問にプロの視点から回答し、安心して選べるようサポートします。
デイズはどんな車?

日産デイズは、軽自動車の中でもコンパクトでありながら利便性が高く、ファミリー層やシニア層を中心に支持されているモデルです。
通勤・買い物・送迎など、日常の運転に適した仕様で、燃費や安全性にも配慮されています。
・日産と三菱の共同開発で誕生
・グレード・価格一覧
・コンパクトでも広々とした室内空間
・先進安全装備も充実
・小回りが効いて運転しやすい
日産と三菱の共同開発で誕生
デイズは2013年、日産と三菱の合弁会社「NMKV(エヌエムケーブイ)」によって共同開発されました。このプロジェクトは、軽自動車市場における競争力を強化するためにスタート。
三菱が持つ軽自動車の設計技術と、日産のデザインや商品企画力が融合したことで、先進性とコストパフォーマンスを兼ね備えたモデルが誕生しました。
デイズはエンジンや電装系の部品には三菱由来のものが多く使われていることが特徴です。共同開発の背景には、両社が軽市場で生き残るための戦略的な連携がありました。
グレード・価格一覧
グレード | 駆動方式 | 価格帯 |
主な特徴 |
S | 2WD/4WD |
1,437,700円~ |
ベーシック、安全装備を抑えたモデル |
X | 2WD/4WD | 1,478,400円~ | 標準的な装備、安全機能を搭載 |
ハイウェイスターGターボ | 2WD/4WD | 1,838,100円~ | スポーティなデザインと快適装備 |
ハイウェイスターX | 2WD/4WD | 1,698,400円~ |
ターボエンジン搭載で加速性能向上 |
コンパクトでも広々とした室内空間
デイズは、軽自動車とは思えない広々とした室内空間が魅力の一つです。全高が高く設計されているため、頭上空間にゆとりがあり、大人4人が乗っても圧迫感を感じにくい構造になっています。
リアシートの足元スペースも確保されており、ファミリー層にとってはチャイルドシートの設置や荷物の出し入れがしやすい点が評価されています。
また、フルフラットにできるシート構造により、荷物を多く積む際にも便利です。
先進安全装備も充実
デイズには日産の先進運転支援システム「プロパイロット」が一部グレードに搭載されており、高速道路での運転をサポートします。その他にも、以下のような安全装備が充実しています。
- 衝突被害軽減ブレーキ(自動ブレーキ)
- 車線逸脱警報
- 誤発進抑制機能
- アラウンドビューモニター(全周囲カメラ)
これらの装備は、軽自動車としては高いレベルで搭載されており、初心者ドライバーや高齢者にとっても安心材料となっています。
小回りが効いて運転しやすい
軽自動車の魅力である「取り回しの良さ」は、デイズにも当然備わっています。最小回転半径は約4.5mと非常に小さく、狭い道や駐車場での運転でもストレスを感じにくい仕様です。
また、アイポイントが高めに設計されており、前方の視界が広く取れることも安全性に寄与しています。車幅も1480mmとスリムなため、初心者ドライバーでも安心して運転できます。
特に市街地での通勤や買い物といったシーンでは、運転のしやすさが際立ちます。
デイズは壊れやすい?故障事例を紹介
「デイズは壊れやすい」という声は、ゼロではありません。しかし、こういった事例はデイズに限られたことではなく、他の軽自動車にも共通して見られることが多いです。
必ずしもデイズだけが特別に壊れやすいというわけではありません。ここからは、デイズに多く見られる代表的な故障事例について紹介します。
・オルタネーターの故障
・エンジンの不調
・オイル漏れの発生
・エアコンが作動しない
・異音がする
オルタネーターの故障
オルタネーターとは、車両の電装品に電力を供給する発電機のことです。デイズでは5〜7年経過したモデルで、オルタネーターの不調が報告されることがあります。
エンジンがかからない、バッテリーがすぐに上がるといった症状はオルタネーターの劣化が原因である場合が多く、交換が必要となります。修理費用は5万円前後が目安です。
エンジンの不調
中古車市場では、走行距離が7万kmを超えるデイズで「エンジンがかからない」「振動が大きい」といったトラブルが報告されています。
原因としては点火系部品(プラグやイグニッションコイル)の劣化、あるいは吸気系の詰まりなどが考えられます。
定期的な整備やオイル交換を怠るとエンジン内部の摩耗が進み、修理費用が高額になることもあるため注意が必要です。
オイル漏れの発生
エンジンオイル漏れは、軽自動車全般に見られるトラブルの一つですが、デイズでも5年以上経過した車両で見られる傾向があります。
特にパッキンやシールの劣化によってオイルがにじみ出すことが多く、車両の下にオイルのしみが確認できる場合は修理が必要です。
オイルが減るとエンジン内部が焼き付きやすくなり、重大な故障につながるリスクもあります。
エアコンが作動しない
夏場によく見られるのが、「エアコンが冷えない」「風が出ない」といったトラブルです。デイズではコンプレッサーの劣化や電装系の接触不良、ガス漏れなどが原因でエアコンが効かなくなるケースがあります。
電装系の点検やガスの補充、最悪の場合はコンプレッサーの交換が必要です。部品代と工賃で3〜7万円程度かかることもあります。
異音がする
「走行中にカタカタ音がする」「ハンドルを切るときにギシギシと音が鳴る」といった異音に関する報告もあります。これらは、サスペンションやドライブシャフト、ベアリングの劣化などが原因とされます。
放置すると重大な故障に発展する可能性があるため、異音を感じたらすぐに点検・修理を依頼しましょう。
長く乗るために必要な整備や費用を徹底解説
壊れやすいと噂されるデイズはリコールが多い?

「壊れやすい=リコールが多い」と考える方もいますが、実際にはデイズのリコール件数は特別多いわけではありません。
過去に数回リコールは発表されていますが、メーカーによる迅速な対応が行われており、重大事故に発展したケースは報告されていません。
・過去に2回リコールが報告されている
・リコール=悪いとは限らない
過去に2回リコールが報告されている
国土交通省のリコール情報によると、日産デイズでは過去に以下のようなリコールが報告されています。
- 2019年:制動装置の不具合によるリコール(制動力が弱まる可能性)
- 2020年:電装系(ECU)のプログラム不具合によるリコール
いずれもメーカーが無償で対策を講じており、ディーラーでの無償点検・交換対応が実施されました。対象車両かどうかは日産の公式サイトで車台番号を入力することで確認できます。
リコール=悪いとは限らない
リコールと聞くと「品質が悪い」と考えがちですが、実は逆に、メーカーの責任ある対応が評価されることもあります。
むしろ、リコールを隠さずに公開し、早期に対処してくれるメーカーの姿勢は信頼につながります。
また、ほとんどのリコールは重大な故障の前兆を捉えての「予防措置」であり、ユーザーにとっては安全性が高まる結果となるのです。
デイズが安い理由は?

新車・中古車ともに、デイズは比較的手ごろな価格で購入できる軽自動車です。しかし、安いことには理由があります。
ここでは、日産デイズの価格が抑えられている主な3つの要因を解説します。価格だけで判断せず、特徴を理解した上で検討することが重要です。
・燃費が良くないから
・出荷台数が多いから
・デザイン面で選ばれにくいから
燃費が良くないから
一般的に軽自動車は燃費が良いことで知られていますが、デイズは他の軽と比べて燃費性能がやや劣るとされるモデルもあります。
とくに初期型(2013〜2015年)はカタログ燃費が27.2km/Lとされていたものの、実燃費では15〜18km/L前後という声が多く、燃費性能に期待して購入したユーザーからは不満の声もあります。
このような背景もあり、中古市場では値下がりしやすく、相場が低くなる傾向があります。
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出荷台数が多いから
デイズは発売当初から高い販売台数を誇るモデルであり、流通量が非常に多いのが特徴です。市場に出回る中古車も多く、供給が潤沢であるため、価格競争が激しくなりやすい傾向にあります。
とくにリース落ちや法人用車両として使用された個体が多く流通しており、それらは相場よりも割安で販売されることが多くなっています。
これがデイズが「安い」と感じられる一因です。
デザイン面で選ばれにくいから
デイズは機能性や価格面では評価されていますが、デザインに対する好みは分かれる傾向があります。
特に男性ユーザーからは「やや地味」「個性が足りない」といった声もあり、他の軽自動車(例:ホンダN-BOXやスズキスペーシア)に比べてデザイン重視で選ばれることは少ないです。
こうした外観面での人気の差が中古車価格の下落につながりやすく、結果的に「安く買える車」として扱われることになります。
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中古車のデイズを購入する前に確認したいポイント

デイズは中古車市場でも多く出回っていますが、購入時には注意すべきポイントがあります。
特に「壊れやすい」とされる部位に焦点を当ててチェックすることで、後々の修理費用やトラブルを未然に防ぐことが可能です。ここでは重要な確認項目を6点に分けて紹介します。
・エンジンが正常に作動するか
・オイル漏れしていないか
・電装品に不具合がないか
・異音がないか
・修復歴ありの車ではないか
・定期点検記録簿があるか
エンジンが正常に作動するか
中古のデイズで最も注意すべきなのはエンジンの状態です。アイドリング時の回転数が不安定だったり、異音がする場合は避けた方がよいでしょう。エンジンオイルの色や量、プラグ周りの点検も重要です。
また、試乗して加速時や坂道でのパワー不足を感じたら、燃焼系統の不具合が疑われるため、他の個体を検討するのが無難です。
オイル漏れしていないか
車両の下回りをチェックし、オイルが垂れていないか、にじみがないかを確認してください。特にエンジンオイルパン、オイルフィルター周辺、ドライブシャフトのシール付近は要注意です。
整備記録があれば、過去にオイル漏れ修理歴があるかどうかもチェックしておきましょう。販売店に点検を依頼するのも有効です。
電装品に不具合がないか
日産デイズでは、パワーウィンドウやエアコン、ナビ、ライト類などの電装系トラブルも報告されています。中古車の場合は、すべてのスイッチを操作して、正常に反応するかチェックすることが大切です。
特にリアカメラやセンサー類が反応しない場合は修理費が高くつくため、事前に確認を済ませましょう。
異音がないか
走行中や段差を乗り越える際に「コトコト」「ギシギシ」といった音が聞こえる場合、サスペンションやブッシュ類が劣化している可能性があります。
整備工場で点検してもらうことで、修理の必要性を事前に把握できます。購入前にできれば試乗を行い、異音の有無を自身で確認することが推奨されます。
修復歴ありの車ではないか
事故車・修復歴車は安く売られていることが多いですが、今後の不具合リスクも高まります。特にフロント部分に修復歴がある場合、エンジンや冷却系、電装系への影響が残っていることもあります。
修復歴の有無は販売店に開示義務があるため、必ず確認し、可能であれば第三者機関の鑑定書がある車両を選ぶと安心です。
定期点検記録簿があるか
過去の整備履歴を確認できる「定期点検記録簿」は、その車の健康診断書とも言える大切な書類です。これがあることで、オイル交換や車検、修理履歴などの保守状況が一目でわかります。
記録簿がしっかり残っている車両は、きちんとメンテナンスされてきた証拠といえるため、安心して購入できる材料になります。
後悔しない軽自動車選びのポイントやおすすめ車種を解説
デイズをお得に購入する方法

日産デイズは中古でも新車でも比較的安価に購入できますが、さらにお得に手に入れるための方法があります。
購入時期の見極めや車両の選び方を工夫することで、同じ車種でも数万円単位で差が出ることも。ここでは、費用を抑えつつ質の良いデイズを手に入れるためのポイントを2つ紹介します。
・購入時期を見極める
・届出済未使用車を購入する
購入時期を見極める
車を安く買える時期としては、以下のタイミングが狙い目です。
- 1〜3月の決算期(特に3月)
- 6月・12月のボーナス時期前後
- モデルチェンジの直前
特にディーラーでは決算期に在庫一掃セールを行うことが多く、値引き交渉がしやすくなります。
また、中古車市場でも在庫が増えるため、選択肢が広がり、価格競争が起こりやすくなります。モデルチェンジ前の在庫車両は大幅に値引きされることもあるため、最新モデルにこだわらなければ非常にお得に購入できます。
お得な買い替えのタイミングをプロが解説
届出済未使用車を購入する
「届出済未使用車」とは、登録はされているものの、使用実績がほとんどない車両のことを指します。走行距離が数十km程度で、内外装も新車同様の状態が保たれているのが特徴です。
新車よりも数十万円安く購入できるケースが多く、保証も新車と同等に近い内容でついていることがあります。在庫数は時期や店舗によって異なるため、タイミングよく見つけることが重要です。
デイズに関するご相談は軽の森へ!
日産デイズは、コンパクトで扱いやすく、安全性や室内空間に優れた軽自動車です。一方で、エンジンやオルタネーターなどの一部部品に関する故障例が報告されており、「壊れやすいのでは?」という疑問を抱く方も少なくありません。
しかし、正しいメンテナンスとチェックを怠らなければ、長く快適に乗り続けることができる車でもあります。
購入前には、修復歴の有無やエンジン状態、点検記録簿の有無を確認し、信頼できる販売店から購入することが大切です。「軽の森」では、届出済未使用車や中古車なども豊富に扱っており、あなたに最適な一台をご提案可能です。デイズ選びでお困りの方は、ぜひ軽の森までお気軽にご相談ください。
出典
日産(デイズ)