豆知識 2024年4月23日

中古軽自動車の法定耐用年数は何年?計算方法や注意点、何年落ちの車がお得なのか徹底解説

仕事で使う車を購入し、経費として計上する際に重要になってくる車の耐用年数。軽自動車なのか普通車なのか、また新車か中古車かによっても耐用年数は異なり、とくに中古車の場合は耐用年数を計算して算出する必要があります。

しかし普段あまり見聞きしないワードでもあり、とくに事業用の車を購入することが初めての個人事業主の方などはどこから手を付けていいのか分からなくなっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

この記事では、法定耐用年数についての解説や、中古軽自動車の減価償却の注意点について紹介します。また、減価償却の具体例についても分かりやすくまとめているので、中古軽自動車の耐用年数について気になっていた方はぜひ参考にしてみてください。

法定耐用年数とは?

法定耐用年数とは、事業において車の資産としての価値がある年数を国が定めた期間のことを言います。
法人や事業主が経費を増やし利益を減らすことで納税額の節税に繋がる、経費計上するときに関係してくるものです。

車は建物などと同じように固定資産であるため、年月が経ったり長く使い続けたりすると、どんどんと価値が下がっていきます。(減価償却資産といいます)そのため新車であるか中古車であるかや、軽自動車なのか普通車かなど、法定年数はさまざまな事柄で区別されていることを覚えておきましょう。

一般的にはあまり知られていない言葉ですが、仕事で使うための車を購入する際にはとても重要なポイントですよ。

新車と中古車では耐用年数が異なる

新車と中古車では耐用年数がそれぞれに異なります。
新車で購入したまだ走行歴もないピカピカの車と、年式も古く走行距離もそこそこに走った車とでは、「あと何年資産としての価値があるのか」という見方をしたときに、差が生まれるのは自然なことでしょう。

新車で軽自動車を購入した場合と、中古で軽自動車を購入した場合それぞれについて見ていきましょう。

新車で軽自動車を購入した場合

中古で軽自動車を購入した場合

新車で軽自動車を購入した場合

耐用年数 経過月数(経過年数)
4年 新車
3年 初年度登録から15ヶ月まで
2年 初年度登録から16ヶ月以降

新車で軽自動車を購入した場合の耐用年数は「4年」と決められています。

資産としての価値が4年しかないと考えると、とても少ないようにも感じますがあくまでも法定耐用年数の年月であり、4年を経過したら乗れなくなるわけではありません。

しかし、4年目以降は所有していても経費として計上できないことを覚えておきましょう。

中古で軽自動車を購入した場合

耐用年数 経過月数(経過年数)
4年 新車
3年 初年度登録から15ヶ月まで
2年 初年度登録から16ヶ月以降

状態が新品統一である新車にたいして、中古車は車によって状態にバラつきがあるため一括りで〇年と決められていません。

しかし上記の表にあるように、初年度登録から16ヶ月(1年4ヵ月)以降の車は2年の耐用年数がつきます。耐用年数の2割は割り当てられる決まりがあるため、どれだけ古い中古車であっても最低2年は耐用年数がつくということですね。

中古軽自動車の耐用年数の計算方法「簡便法」

法定耐用年数を過ぎてしまっている中古車、つまり初年度登録から4年以上経過した中古車には「簡便法」を用いて耐用年数を算出します。

中古車取得費用が、新車で購入した場合の費用の50%未満である車が対象になります。

年式計算

月数計算

年式計算

【法定耐用年数ー経過年数+(経過年数×0.2)=耐用年数】

年式計算の場合の数式は上記になります。この数式を元に、実際に数字を入れた例文を見てみましょう。

▼例:4年経過した中古軽自動車の場合▼

4-4+(3×0.2)=0.6

▼例:1年経過した中古軽自動車の場合▼

4-1+(1×0.2)=3.2

耐用が2年に満たない場合も、最低2年の耐用年数が適応されるため、3年経過した中古軽自動車の耐用年数は2年となります。

月数計算

【法定耐用月数ー経過月数+(経過月数×0.2)=耐用月数】

月数計算の場合に数式は上記になります。この数式を元に、実際に数字を入れた例文を見てみましょう。

▼例:2年経過した中古軽自動車の場合▼

48ー24+(24×0.2)=28.8

▼例:1年経過した中古軽自動車の場合▼

48ー12+(12×0.2)=38.4

年式計算同様、耐用年数が24ヵ月に満たない場合も、最低24ヵ月の耐用年数が適応されるため、36ヶ月経過した中古軽自動車の耐用月数は24ヶ月となります。

中古車の減価償却

車や建物などの固定資産は減価償却資産にあたり、長期にわたって使用を続けることで経年劣化していくものです。そのため年々資産としての価値が低くなっていく特徴があります。

中古車も同様で減価償却資産にあたるため、経費として計上する際には「減価償却」が用いられることを覚えておきましょう。

減価償却とは、例えば120万円する中古軽自動車を購入したとき、購入した月で120万円経費として計上するのではなく、耐用年数に応じて少しづつ計上していく方法です。

減価償却を行うことで、少しづつ経費として計上できる分高額な買い物をしても、購入月が赤字になることを防げます。会社の損益が正確に把握できる利点もあります。

中古軽自動車を減価償却するときの注意点

耐用年数以外にも注意しておくべき項目がいくつかあります。これらのポイントをしっかりと押さえておくことで、より節税に繋げることができるでしょう。

中古軽自動車を減価償却するときに気を付けておきたいポイントについて紹介します。

<注意点1>取得日で計上できる金額が異なる

<注意点2>取得価額の「含める費用」

<注意点3>再取得価額が50%を超える中古車

<注意点1>取得日で計上できる金額が異なる

減価償却は年単位でなく、月ごとに少しずつ計上する仕組みであるため、取得日によって計上できる金額が異なることを覚えておきましょう。

年度初月に取得日を合わせるようにしておくと全てを経費計上が出来ますが、年度途中だと年度の残りの月数を計上することになるため注意が必要です。なお、取得日は車を購入した日ではなく、納車後に初めて使用した日を表します。

「事業の用に供した日」とは、一般的にはその減価償却資産のもつ属性に従って本来の目的のために使用を開始するに至った日をいいますので、例えば、機械等を購入した場合は、機械を工場内に搬入しただけでは事業の用に供したとはいえず、その機械を据え付け、試運転を完了し、製品等の生産を開始した日が事業の用に供した日となります。

引用:事業の用に供した日|国税庁

残りの月数分は次年度の経費として計上することになりますが、すべてを計上したいのであれば、事業年度の初月に車を購入することがおすすめです。

<注意点2>取得価額の「含める費用」

車を購入する際、必要になるお金は車両本体価格だけではありません。納車費用や書類を用意するための手数料など、あらゆる費用が発生します。

この車を購入する際に必要になったお金は、取得価額に含まれるものと含まれないものがあり、法律でしっかりと定められています。

含まれる費用

含まれない費用

・引取費用
・オプション
・車両本体価格

・自動車環境性能割
・自動車重量税
・自動車税
・自賠責保険料
・登録費用
・車庫証明費用

参考:取得価額に含めないことができる不随費用|国税庁

含めなくていい費用は取得する時に発生する費用でなく、保有することによって発生する費用であることが含まれる費用と含まれない費用の区別のポイントです。

<注意点3>再取得価額が50%を超える中古車

再取得価額とは、同じ車種・グレードの新車に対して、中古で購入した場合の金額のことです。つまり新車価格が200万円の車を、中古で150万円で購入した場合は再取得価額が新車価格の50%を超えていることになります。

この再取得価額が50%を超えている車は簡便法を使って計上することができないため注意が必要です。

新車の軽自動車の耐用年数は4年あり、2年落ちの中古軽自動車は本来であれば耐用年数は2年ということになりますが、再取得価額が50%を超えている場合には新車と同じ耐用年数が用いられるため、耐用年数は4年ということになります。

中古軽自動車の購入金額が新車価格の50%を超えている場合には、耐用年数に気を付けましょう。

中古軽自動車の減価償却の具体例

数式など文字だけ見ていても、いまいちピンと来ない方もいらっしゃるでしょう。
普段聞き慣れない言葉が多く、少し難しく感じる箇所もありますよね。では実際に数字を当てはめた具体例で見ていきましょう。

<例1>耐用年数4年の中古軽自動車を300万円で購入して定額法で減価償却した場合

<例2>4年落ちの中古軽自動車を150万円で購入して定額法で減価償却した場合

<例1>耐用年数4年の中古軽自動車を300万円で購入して定額法で減価償却した場合

耐用年数4年の中古軽自動車を300万円で購入し、定額法で減価償却をした場合

定額法の数式は【車の購入費用×定額法の償却率】であり、耐用年数4年の償却率は0.250です。

数式に数字を当てはめていくと【3,000,000×0.250】になります。

1年目:3,000,000×0.250=750,000
2年目:3,000,000×0.250=750,000
3年目:3,000,000×0.250=750,000
4年目:3,000,000×0.250=750,000

初年度から対応年数が終わるまでの期間、毎年同額になることが定額法の特徴です。

<例2>4年落ちの中古軽自動車を150万円で購入して定額法で減価償却した場合

4年落ちの中古軽自動車を150万円で購入して、定額法で減価償却をした場合

新車登録から4年経った軽自動車は、既に法定耐用年数を満了している状態です。このような耐用年数が過ぎてしまった中古車には法定対応年数の2割が割り当てられるため、今回も対応年数は2年になります。

先述したように定額法の数式(車の購入費用×定額法の償却率)にあてはめていきます。(耐用年数2年の償却率は0.500です。)

1年目:1,500,000×0.500=750,000
2年目:1,500,000×0.500=750,000

ひとつめの例と同じように定額法であるため、1年目も2年目も同額を計上します。

耐用年数で購入する中古軽自動車のおすすめは?

耐用年数が2年に引き下がるタイミングは、初年度登録から16ヶ月以上経ったタイミングです。耐用年数が短ければその分1年に経費計上できる金額が高くなり、より節税に効果があることが考えられます。

ただ、1年に計上できる金額が上がることが必ずしもメリットになるというわけではありません。収益とのバランスが上手くとれていないと、高すぎる経費は赤字の原因にもなってしまうでしょう。

初年度登録から16ヶ月経過した中古車はまだ状態もよく、使用感が気になる方にもおすすめですよ。

お得に自動車が手に入る届出済未使用車とは?

届出済未使用車とは、届出が済まされた中古車でありながらも、まだ誰も使用していない未使用の状態の車のことを指しています。新車のキャンセルや、ディーラーの販売台数ノルマ達成のために販売店名義でつくられることによって生まれる届出済未使用車はお得度が高く人気の高いジャンルの車でもあります。

しかしデメリットが無いというわけでもありません。届出済未使用車のメリット・デメリットについて見ていきましょう。

届出済未使用車のメリット

届出済未使用車のデメリット

届出済未使用車のメリット

届出済未使用車のメリットは中古車でありながらも未使用であるため、使用感が無くキレイな状態であること。在庫販売で納期が早いことがあげられます。

また、中古車市場ではまだあまり出回っていない最新モデルの車両も数は少ないですが見つけられる可能性もあるでしょう。

新品同様なのに低価格

届出済未使用車はまだ誰にも使用されておらず、走行も展示場のレイアウトを変更する際に走行する程度のものばかりです。
そのため、まだ座席シートにはビニールが被せれられたままの車両や、新車の匂いが残っている車両も多くあります。

このように新品同様の状態ではありますが、届出が済まされている(車検証が既に発行されている)車であるため、書類上は中古車扱いになり、新車よりもおおよそ20~30万円程度安い販売価格で売られています。

少しでも安く車を手に入れたいけれど、一般的な中古車のように使用感のある車は抵抗がある方にもピッタリの車だと言えるでしょう。

早く納車できる!

届出済未使用車は中古車と同様、在庫販売であるためお店に既に現物がある状態です。そのため契約をしたら納車までは書類の手続きや車両のメンテナンス、ナビやドライブレコーダーなど追加オプションがあった場合にはその設置作業が行われます。

販売店の忙しい時期や書類の手続きがどれだけスムーズに行われるかによっても納期は異なりますが、一般的には届出済未使用車を含む中古車の納期は1週間~10日程度見ておきましょう。

新車の場合は車種によって数ヵ月以上待たなければならない場合もあり、今まで乗っていた車の不調でお乗り換えを検討されている方や、車検前に乗り換えを希望されている方など、「この日までに納車したい」「少しでも早く納車したい」とお考えの方にも届出済未使用車がおすすめです。

届出済未使用車のデメリット

届出済未使用車のデメリットは、在庫販売であるが故にメーカーオプションには対応していないことと、在庫がないと購入できないことが挙げられます。

届出済未使用車は中古車市場全体でみても数が少ないジャンルの車なので、届出済未使用車に限定してお車探しを行われている方にとっては時間や労力が強いられるケースもあることを覚えておきましょう。

メーカーオプションは不可

自動車には車の製造過程でつけられる「メーカーオプション」と、後付けのできる「ディーラーオプション」があります。
届出済未使用車は新品同様の状態ですが、車が既に出来上がっているため後付けのできないメーカーオプションには対応していません。

メーカーオプションのなかでも人気が高いものが、先進安全機能やスライドドアの電動化です。これらが標準装備になっておらず、メーカーオプションでの選択制になっている場合は車選びの際にも注意しておきましょう。

メーカーオプションを搭載している届出済未使用車もゼロではありませんが、数は少なくなっているので、希望するメーカーオプションがある場合には条件に当てはまる車両を見つけるまでに時間がかかるかもしれません。

在庫が無いと購入できない

契約を行い注文をしてから製造される新車とは異なり、届出済未使用車は一般的な中古車同様お店に並んでいる車しか購入できない在庫販売であることがデメリットです。

もちろん在庫販売であるために納車が早くにできるというメリットもありますが、どれも1点モノになるため前にお店に来た時にはあったのに、次に来たときには販売先が決まりなくなっていた。というケースも珍しいことではありません。

実際に軽の森でも毎日新しい在庫車を入荷していますが、特に人気の高い車種やオプションを搭載したお得な車両などは、仕入れて写真を撮り、ホームページに掲載を行う前に売れていくことが多くあります。中古車全体に言える巡り合わせな部分。

新車のように自分のタイミングで購入できないことが届出済未使用車・中古車の弱点とも言えるでしょう。

値落ちしにくい中古軽自動車をお探しの方は軽の森へご相談ください!

経費として計上する際に必ず付きまとう「耐用年数」は、購入時期などポイントを押さえて購入すると節税にも効果があり、避けては通れない問題です。

無計画に購入・経費計上を行うと、赤字を招いてしまうリスクもあるため、無理のない範囲でお仕事のパートナーとなる車を選んでください。

今回耐用年数について紹介してきたのは、南大阪を拠点にした届出済未使用車専門店「軽の森」です。国内オールメーカー全ての車種を取り扱っており、総在庫は800台と南大阪トップクラスの規模を誇ります。

車屋さん慣れしていない女性の方でも気軽に入りやすいカフェのような雰囲気で、楽しみながら車探しを行えることやメーカーの異なる車種をひとつのお店で見比べられることが軽の森の強みです。

希望の車種もまだ決め悩んでいるお客様には知識豊富なスタッフが丁寧にお車選びをサポートさせていただきます。

また、軽の森は届出済未使用車専門店ですが、新車や中古車も取り扱っているのでお探しの車の条件が具体的に決まっている方はぜひお気軽に軽の森へお問い合わせください。

直接お店にご来店いただくのももちろん大歓迎ですが、希望車種が決まっている場合には事前にご連絡をいただけるとご案内がスムーズに行えます!
皆さまのご来店を心よりお待ちしております。

 

おすすめの関連記事

新車と中古車の耐用年数や、減価償却の注意点などを徹底解説

 

軽の森

総在庫800台
タイプ別!

南大阪を中心に軽の森4店舗展開!
各店へのお問合せはこちらから

出典

国税庁

 

この記事を書いた人
営業
森田龍太朗
Ryutaro Morita
ヨシダオートサービスに入社して7年目。整備士を経て現在は営業や仕入れの業務をしています。 ブログ記事を通して自動車販売店独自の目線でお客様にお得でタメになる情報をお届けしていきます。 資格としては自動車整備学校にて二級自動車整備士を取得しております。