ふだん何気なくみている車のメーターパネルには、「警告灯」と呼ばれる灯りが表示される場合があります。
通常時は消えているため気にしたことがないという方が多いでしょうが、車のなかに異常を感じると急に警告灯は点灯します。
そんなときに点灯する原因や対処法を前もって知っておけば、いざ警告灯が点灯したときでも慌てずに済みます。
この記事では、警告灯のなかでも重要性の高い「エンジン警告灯」について詳しく解説していきたいと思います。
エンジン警告灯の役割とは?
エンジン警告灯とは、エンジン制御系システムに異常を感じ取った時に注意を促すべくメーターに点灯する、エンジンの形を型取ったオレンジ色(または黄色)の灯りのことをいいます。
表示される場所は、だいたいの車種でスピードメーターかタコメーター付近です。
エンジン警告灯は「MILライト」や「エンジンチェックランプ」と呼ばれることもありますが、同じ意味を表しています。
【危険度】エンジン警告灯の色による意味の違い
クルマに搭載されている警告灯はエンジン警告灯だけではなく、複数種あります。
警告灯の種類ごとに点灯時の色が異なり、「赤、オレンジ(黄)、緑」の3色いずれかの色となります。色によって危険度を区別しています。
赤色 |
最も危険。ただちに車を停車させる必要がある深刻な事態 |
オレンジ色(黄色) |
赤色より深刻な事態ではないが、できるだけ早く点検してもらう必要がある事態 |
緑色 |
異常は無く、安全な状態 |
エンジン警告灯はこのうちオレンジ色(黄色)です。赤色より危険ではなくただちに停車させるほどではないですが、点灯後はできるだけ早めに業者で点検を受けるようにしましょう。
ポイント!
警告灯の色は、国際規格(ISO)で決められており世界共通なので、外車であっても上記3色による危険度の区別は同じです。
異常時のわかりやすい症状
エンジン警告灯が点灯するような不具合が生じている場合には、実際に以下のような症状が出ている可能性が考えられます。
- ・エンジンがかからない
- ・加速しない
- ・エアコンが効かない
- ・車の変速がおかしい
このような状態では快適に車に乗れないだけでなく、安全面も十分とは言えません。異常時にはさまざまな症状が出るため車のトラブルを感じたら、そのままにせず点検を受けに行くように習慣づけておくと安心です。
エンジン警告灯が点灯するタイミング
通常時は消えているので見えないエンジン警告灯。この警告灯が点灯し見えるようになるのは以下の時です。
車のエンジンスイッチを入れたとき
クルマを始動させるためエンジンスイッチをいれると、メーターパネルのなかの全ての警告灯が一度点灯します。
このときに、警告システムに不具合がないか、それぞれの警告灯のランプ切れが無いかなどもチェックされるメカニズムとなっています。
何にも不具合が認められなければ警告灯は消失するので、エンジンを点けたそのときだけ警告灯が点灯することに関しては気にしなくて大丈夫です。
加えて、エンジンスイッチを入れても警告灯が点かない場合は、できるだけ早く整備工場かディーラーに連絡し指示を仰ぐようにしましょう。
エンジンのセンサーが異常を検知したとき
安全な性能や走行を妨害するリスクがないかを常にチェックする様々なセンサーが車のエンジンには搭載されています。
センサーが異常を感じ取ると、走行中であろうが停車中であろうがエンジン警告灯のランプが点灯します。
エンジン警告灯が点灯する原因
様々なセンサーが異常を認めたときに点くエンジン警告灯ですが、点灯した際に然るべき対応をするためにも、どんな原因で点灯しているのか知っておく必要があります。
エンジン警告灯が点灯するということは、主に「センサー」「コントロールユニット(コンピューター)」「アクチュエーター(作動部分)」「ハーネス(配線)」の4つの部位の不具合が考えられます。
エンジンに繋がりあう主なセンサー毎に、点灯時に考えられる原因や、そのセンサーの役割は以下の通りです。
O2センサー関連のトラブル
排出ガスの酸素濃度を計測し、最適な燃焼状態の維持・監視を行う
O2センサーで酸素濃度の数値に異常が認められたり、センサー本体が故障してしまった場合には、エンジン警告灯が点きます。
故障してしまったO2センサーでは燃料が正確に燃焼されているのか分からなくなり、「エンジンが停止する」「アイドリング時に異常回転をする」「マフラーパーツの触媒部位が高温になる」という症状を誘発する恐れがあります。
O2センサーは消耗品なので、定期的に交換する必要があります。適切なタイミングで交換するようにし、異常が起こらないよう注意しましょう。
エアフローセンサーの故障
エンジン内部に送る空気の量を計り、燃料の噴射量を調節する
計った空気の量(数値)に異常がみられたり、センサー自体が故障するとエンジン警告灯のランプが点きます。
エアフローセンサーに問題がおこると、計測した空気量と実際にエンジン内部に送る空気量とに差が生まれ、燃料噴射量が正しくなくなってしまいます。そのためエンジン吸気系の問題が発生するリスクが高くなります。
また、エレメントやエアクリーナーがメンテナンス不足で汚れている場合も、エンジン内部に送る空気量が少なくなり十分な燃焼が出来ず、エンジン警告灯が点くことがあります。
イグニッションセンサーの異常
エンジンの点火を制御する
昨今のクルマは、コンピューターでエンジン点火の機会を制御しています。したがってエンジンを点火する際に異常を検知すると、エンジン警告灯が点きます。
エンジン点火に異常があるままで放っておくと、エンジンが止まってしまう危険性があります。
アクセルポジションセンサーの異常
アクセルの踏み込み、加速を計測する
アクセルポジションセンサーに不具合が起きると、トランスミッションの変速やエンジンの回転数に影響を及ぼし走行が困難になるおそれがあるのでエンジン警告灯が点きます。
バッテリーセンサーの異常
電装品との通電状況を確認する
バッテリー交換した時にバッテリー端子の接続が上手くいっていなかったり、バッテリー上がりをおこしてしまったら、警告灯は点いてしまいます。
且つ、バッテリーの電圧が低下しバッテリーの寿命がきたことを報せるために点灯することもあります。その場合にはバッテリー交換が必要となります。
その他の異常
滅多に見られないケースではありますが、次のような原因でエンジン警告灯が点いてしまうこともあります。
■速度計やタコメーターの不具合
速度計などのメーター類が狂った場合、エンジン警告灯が点くことがあります。メーターの狂いは運転に差し響くだけでなく、放っておくとエンジンがかからなくなるので速やかに点検を受けるようにしましょう。
■給油キャップの劣化や汚れ
給油口のキャップが劣化していたり汚れていたりすると内圧を調整できなくなり、エンジン警告灯が点灯する恐れがあります。
■電装系統の異常
多種の電装品が搭載されている近頃のクルマには、さまざまなセンサーが装備されています。これらのセンサーのなかでも、安全や走行に影響を及ぼすセンサーが異常を察知してもエンジン警告灯が点灯する場合があります。
エンジン警告灯が点灯したら、できるだけ早く原因をつきとめ改善することが大切です。
走行するのに問題がないからと言って点灯したまま放置しておくと、事故や故障などのリスクが高まります。
しかも、エンジン警告灯が点灯したままでは車検を受ける事が不可能です。2017年2月より検査基準が厳しくなり、エンジンやブレーキ、エアバック等の異常時に点灯する警告灯が点灯・点滅している車は車検を受けることができないという決まりになったのです。
【ケース別】エンジン警告灯が点灯したときの対処法
エンジン警告灯の点灯原因が分かったとしても、いざ点灯した場合にどのように対処すればよいのか分からないという方も多いでしょう。
ここでは、どんな風に警告灯が点灯したかケース別に分けて対処法を解説します。
エンジン警告灯がついてガタガタする場合
車がガタガタと揺れ、エンジン警告灯が点灯しているときはエンジンそのものが正常に動かなくなっているサインです。安全に走行することが難しい状態ので、ハザードを点灯させすぐに安全な場所へ停車させましょう。
そして整備工場等へレッカー搬入してもらうべく、整備工場かJAF、任意保険などに連絡を入れ指示を待ちましょう。
エンジン警告灯が点滅する場合
エンジン警告灯が点滅している場合は、現時点で異常が発生している確率が高いです。
点滅している原因として考えられるのは、内部パーツの故障や配線トラブルなどです。
車種やメーカーによって対応が異なりますが、いったん安全な場所に車を停車させ、ディーラーや整備工場へ連絡し指示を待ちましょう。
エンジン警告灯が消えた場合
一回エンジン警告灯が点いたのに、エンジンをかけたり止めたり、走っている間に消えてしまうというケースもあります。
このとき、「灯りが消えたということは異常が直った」と考えるのは性急すぎます。エンジン警告灯が今は消えているとしても、整備工場などで原因を調べる故障診断機を使えば原因が分かる場合もあります。
エンジン警告灯が現在は消えている場合も、やはり一度ディーラーや整備工場に連絡した上で見てもらうようにしましょう。
エンジン警告灯が点灯して加速しない場合
アクセルを踏み込んでも加速することが出来なく、エンジン警告灯も点灯している場合は、思ったとおりに車を操縦できなくなっているということで、かなり危険な状態です。
すぐにハザードを点灯させ周囲に異常を知らせながら、ゆっくりと安全な場所に停車し整備工場に連絡しましょう。この後は、レッカー移動で整備工場に運ぶ流れになります。
走行中にエンジン警告灯が点灯したら?
車で走っている最中に、いきなりエンジン警告灯が点灯してしまったら何事かとビックリしますよね。
走行中に焦ってそちらに気をとられてしまうと事故に繋がりかねませんので、まずは落ち着いて対処するよう心がけましょう。
走行は控える
エンジン警告灯が点灯していても走行できている場合、走っても問題ないのかな?と思われる方がいらっしゃいますが、走行は控えましょう。
その状態で走ってしまうと、故障の原因となる場合もあります。
安全な場所に車を停めて状態を確認する
乗車中にエンジン警告灯が点灯した時には路肩ではなく、駐車場やパーキングエリアなどの安全な場所に車を停車させ、車の状態を確認するようにしましょう。
原因がわからない場合は業者に連絡を!
車の状態を自身で見ても、どうしてエンジン警告灯が点灯しているか一般のドライバーに突き止めることは困難です。
ひと通り車を点検しても原因が不明な場合は、整備工場、ディーラーなどに連絡して指示を待ちましょう。
整備工場などの業者では、専用の診断機を用い警告灯が点灯した原因について調べてくれます。業者へ連絡するときには、できるだけ詳しく下記のポイントを伝達すると良いです。
エンジン警告灯が点灯した際の修理費用
エンジン警告灯が点灯し、ディーラーや整備工場に修理を依頼するとどのくらいの費用がかかるのでしょうか。
費用相場
3千円~5万円程度
エンジン警告灯が点灯したら、取り急ぎディーラーや整備工場で何が原因なのか診断をする必要があります。
この診断にかかる診断費用は、3千円~6千円程度です。診断し異常が認められなかった場合でもこの費用は支払わなくてはなりません。
ここで異常が見つかれば、修理・交換をすることになり、更に費用がかかります。
修理の依頼先
ディーラー、自動車整備工場
修理する内容によってはカー用品店等で対応できる場合もあります。しかし、エンジン警告灯が点いた原因診断は専用の機器を使って行う専門的な作業になるので、整備のことを熟知したディーラーや整備工場に任せるほうが無難です。
部品を交換する際、純正パーツしか使えないディーラーでの修理・交換費用は割高になる傾向があります。一方、整備工場では純正よりも安価な社外品パーツも使えるため費用を抑えることができます。
エンジン警告灯に関するよくある質問
エンジン警告灯が点灯してしまうと、焦ってしまう方も多いでしょうが冷静な対応が必要です。ここからは、エンジン警告灯に関するよくある質問を回答とあわせて紹介します。
まだエンジン警告灯について疑問が残っている方は、参考にしてみてください。
エンジン警告灯がついても走っていい?
エンジン警告灯がついているということは、何かしらの異常が起きていることを意味します。そのため、エンジン警告灯がついているなら、なるべく走らないことが望ましいでしょう。
エンジンに支障をきたしている状態で走り続けると、エンジンの故障を招いてしまう恐れもあるため、走行は控えて早く点検を受けることをおすすめします。
エンジン警告灯の消し方は?
エンジン警告灯は、不具合を解消させると点灯しない仕組みになっています。エンジンの不具合をドライバーに伝える目的で点灯しているため、ドライバーの手で消すことはできません。
メーターパネルに表示されたままの警告灯があると、気になってしまい一旦消したいと考える方もいるかもしれませんが、警告灯が点灯していることに慣れてしまう前に点検に出すことをおすすめします。
エンジン警告灯の修理に関するご相談は軽の森まで!
エンジン警告灯は、車のなかに何らかの異常を感じ取った場合に点灯します。
点灯したら、できるだけ早く異常の原因をつきとめ改善することが大事です。点灯したまま放っておけば、のちに事故や故障などのリスクに繋がり、取り返しのつかない事態に発展することもあります。
この記事でご紹介した点灯する原因や対処法などを事前に頭に入れておき、万が一エンジン警告灯が点灯した際にも慌てず冷静に対応できるようになっておきましょう。
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気になるお車がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
また、軽の森ではお車の修理も承っておりますので、今回ご紹介したようにエンジン警告灯が点灯しお困りの場合にも、ご連絡いただければ迅速に対応致します!
皆さまのお問い合わせ・ご来店を心よりお待ち致しております。