◆ワイパー交換の目安は使用歴と症状で判断
◆ワイパー交換はゴムとブレードの2種類
車のワイパー交換は、プロに依頼する方法以外に自分で交換することもできます。
しかし、ワイパーの種類や選び方、手順などが分からないという方も多いのではないでしょうか。
そこで、この記事ではワイパーの交換方法やタイミング、かかる費用などをくわしくご紹介します。
ワイパー交換の目安は?
フロントワイパーの装着は保安基準で定められており、基準を満たしていないと車検を受けることができません。
ワイパーを交換するときには、ゴムだけを交換する方法と本体(ブレード)ごと交換する方法の2パターンがあります。
ワイパーゴム交換:約6ヵ月
ワイパーゴムは直射日光に弱いゴム素材でできているため、半年程度での交換が望ましいでしょう。
ガラス面に直接あたる部分で、劣化もワイパーブレードに比べると早いです。
拭きにムラがあったり、水が滲んで残ってしまったりする状態のものは交換の時期に関係なく交換することをおすすめします。
ワイパーブレード交換:約1年
ワイパー交換のタイミング
ワイパーの状態は目に見えてわかるため、どの点に注目したら良いのか解説します。
これらの状態に当てはまる場合には、ワイパーの交換時期が来ていることが不調の原因ではありません。正しい交換のタイミングを見極めることがポイントです。
ワイパー本体(ブレード)が錆びている
・動かしたときに異音がする
・ワイパーブレードの金具が緩くなっている
・サビや色褪せが生じている
ワイパーブレードとは、ワイパーのアーム(支えている部分)とゴムの間に位置する金属パーツです。
ガラスの汚れや水分をふき取るとるための役割があるため、ワイパーブレードにサビが付いていると拭き残してしまう状態に陥ります。
拭き取りがあまくなると、「スジ」が残る場合もあります。
ワイパーゴムが劣化している
ワイパーゴムが裂けている、又はひび割れや変形などによって通常の拭き取りができないことがあります。
「拭き残しがある」と感じた場合は、ワイパーゴムを確認しましょう。
また、ワイパーゴムに異常が見られないときは触ってみることがポイントです。
ゴムが硬化しているときは、交換サインだと考えましょう。
ワイパー交換の手順
ワイパーの交換は慣れてしまえばだれでも簡単に行えます。まずは一通り流れを確認して、流れをつかみましょう。ここからは、ワイパー交換の手順について解説します。
用意するもの
ワイパー交換をするには、以下のモノを揃えましょう。
- 適合する部品
- 手袋
- タオルや雑巾
- 踏み台
ワイパー部品に加えて、安全に交換作業ができるよう手袋や踏み台なども用意しておきましょう。
作業中のガラス面保護の目的で、使い古したタオルなどを敷いておくことがおすすめです。
自分で交換する手順
- エンジンを必ず停止させる
- ワイパーアームからブレードを取り外す※注意ポイント1※
- ワイパーゴムの長さ、太さを確認し、交換部品を選ぶ
- ゴムを交換する※注意ポイント2※
- アームにブレードを取り付ける
ワイパー交換の注意点
ワイパーを交換する際には、ワイパーが正常に作動するために確認をしながら行いましょう。
- アームの先に布を挟んで寝かせることでフロントガラスの傷を防ぐ
- ゴムが溝にキッチリとはまっているか確認
- 作業完了後はウォッシャー液を作動させ、拭き取り確認
ワイパーゴムのみを交換する場合も、必ずエンジンは停止した状態で作業を行いましょう。
フロントガラスの傷を防ぐ
ワイパーの交換作業を行うときには、何かの拍子にワイパーがガラス面に当たって傷を付けてしまわないようにタオルや雑巾などをワイパーアームに当てておきましょう。
作業中にワイパーがバネの力で元の位置に戻ってしまうと、強い力が加わりフロントガラスが割れてしまう恐れもあります。
自分自身の怪我を防ぐためにも、安全面には十分考慮して作業を行いましょう。
ゴムが溝にキッチリとはまっているか確認する
ディーラーや整備工場などでプロに依頼している場合は問題ありませんが、セルフで行っている場合には、交換したゴムがキッチリとはまっているか確認しておきましょう。
一見適切にはまっているように見えても、実はそうでなかったケースもあります。
ゴムがキッチリとはまっていないと、せっかく交換作業をしたのにワイパーの効果が十分に発揮されません。交換をしたタイミングでチェックしておくことをおすすめします。
無理に力を入れない
ワイパー交換は本来力を必要としない作業です。そのため上手くゴムが入らなかったり抜けなかったりしても力づくで行ってはいけません。
少し角度を変えてみるとすんなり作業が進むこともあります。無理に力を入れてしまうとワイパーを壊してしまう恐れや、自分自身が怪我をしてしまう危険性があるでしょう。
慣れないうちは特に焦らずゆっくりと作業を進めることをおすすめします。
輸入車はプロに相談を
国産車であれば大半の車が簡単にワイパー交換を行えますが、輸入車の場合は特殊なワイパーブレードが付けられている可能性があります。
特殊な形をしたワイパーの交換は、国産車のように簡単ではありません。
輸入車のワイパー交換は自分で行わず、プロに相談することをおすすめします。
無理に自分で行ってしまうと、かえって車を傷付けてしまう事態になりかねません。プロに依頼する際には、事前に輸入車であることを伝えておくとスムーズに予約ができます。
そもそもワイパーとは
ワイパーとは、主に車のフロントガラスに設置された部品で、雨天時にフロントガラスに付いた雨を取り除くことが役割です。
フロントガラスに付いた雨を取り除くことでドライバーの視界を確保し、天気の悪い日でも安全に運転できるように貢献します。
ワイパーは基本的に3段階で動きの早さを調節でき、雨量に合わせた動きが可能です。ワイパーは雨の日の安全運転を支えていることが分かりますね。
ワイパーの種類
車によって取り付けるワイパーは決まっていますが、使用環境によって向いているワイパーを選ばなければなりません。
雨用ワイパー
雨用ワイパーは一般的なワイパーと考えましょう。
季節を問わずにオールマイティーに利用が可能で、種類も豊富にあります。
雨用ワイパーと一括りにしても、なかには静粛性に優れたタイプやワイパーゴムが撥水機能をもつタイプなどさまざまです。
高性能のワイパーが数多く販売されているので、こだわりたい方は一度調べてみると良いでしょう。
雪用(冬用)ワイパー
スタッドレスタイヤがあるように、ワイパーにも雪が降る地域での利用に適したワイパーがあります。
一般的なワイパーは雪や氷に弱く、積雪のある地域には適していません。
雪用(冬用)ワイパーは、通常鉄製でつくられたワイパー全体を凍結防止の観点からゴムで覆われていることが特徴です。
積雪のある地域にお住まいの方だけでなく、スキーやスノーボードなど遊びに行くときなど、スタッドレスタイヤを装着するときと同じタイミングで利用することをおすすめします。
ワイパーゴムの種類
ワイパーゴムには3つの種類があります。
見た目は同じように見えることもありますが、効果が違ったり価格帯が違ったりと、使用環境に適したワイパーゴムを付けることがポイントです。
それぞれのメリットやデメリットも合わせてご紹介します。
スタンダード
メリット | ・低価格 ・汎用性が高い |
デメリット | ・ガラスの撥水コートの持続力を下げることも |
何も加工されていない、一般的なゴムを用いています。
雨用として使用されれることが多く、3つのワイパーゴムの中で一番安価な価格帯です。
グラファイト
メリット | ・柔軟性でありよく滑る ・ビビリ音を防ぐ |
デメリット | ・クリーナーやアルコール類に弱い |
グラファイトのワイパーゴムとは、炭素加工が施されたものです。
「高品質ゴム」とも言われています。
耐熱性が高く、気温差にも強いことが特徴です。
表面の摩擦を少なく抑える効果があります。
ディーラーでは、このグラファイトタイプのワイパーを採用していることが多いです。
スタンダードタイプよりも値段は高く、1,000円程度で販売されています。
撥水
メリット | ・長期間、撥水効果が持続 ・撥水効果が弱くなっても使い続けることはできる |
デメリット | ・フロントガラス全体に撥水効果をもたらすことはできない |
撥水加工されていないフロントガラスでも、撥水タイプのワイパーを使うことで撥水コーティングの効果があります。
しかし、すぐに効果が表れるわけではありません。
ワイパーを使っているうちにフロントガラスに張り付いていた水滴が、水を弾いて水玉となります。
ご紹介した3つのタイプの中で、一番価格帯が高いワイパーです。
本体(ワイパーブレード)の種類と選び方
デザインや特徴がそれぞれ異なります。
メリットやデメリットも含めてご紹介します。
トーナメント
メリット | ・低価格 ・均等に力を加えることができる |
デメリット | ・鉄製部分が劣化しやすい |
多くの国産車に用いられているワイパーが、トーナメントタイプのワイパーブレードです。
フレームの強度が高く、ガラス面に対し均等な力で水滴を拭き取ることが特徴です。
3つのワイパーブレードの中で、最もコスパが良いタイプです。
フラット
メリット | ・フレームが柔らかい ・ガラスに密着しやすい |
デメリット | ・ゴム交換時には、セットでワイパーブレードも交換しなくてはいけない |
欧州車に主に採用されている、フラットタイプのワイパーブレード。
近年では国産車に採用されていることも多くなりました。
フレームが柔軟なため、静粛性が高く見た目もスッキリした印象を持ちます。
デザイン
メリット | ・払拭の性能が高い ・空気抵抗を考慮したつくり |
デメリット | ・交換費用が高めの設定 |
高速走行時にもブレが少ないことが特徴です。
見た目もフラットタイプと同様スッキリとし、掃除がしやすいことも利点と言えるでしょう。
払拭性能は高く評価され、費用も3つのワイパーブレードの中で最も高額な価格帯となります。
ワイパーの選び方
ワイパーには、効果やデザインの異なる様々なタイプが販売されており、迷ってしまうこともあるはずです。
自分の車に適合するワイパーを確認する
「このワイパーに決めた!」と選んでも、装着する車に適合していないワイパーは取り付けることができません。
ワイパーを選ぶときは、まず初めに装着する車に適合しているモデルを把握することから始めましょう。
ネットで事前に調べることはもちろんできますが、カー用品店等に並んでいるワイパーのカタログで確認することができます。
専用の検索システムを導入している用品店もあるので、車検証があればどのタイプに適合しているのか、スムーズに調べることができるでしょう。
ここで注意したい点は、中古の自動車を購入した人がワイパーゴムを交換する場合。
中古車であると、純正品のワイパーブレードが装着しているとは限りません。
カタログや検索システムで抽出されたタイプは、すべて純正のワイパーブレードに対するワイパーゴムです。
そうなると、本来適合しているタイプのゴムを選んでも、過去に社外品のワイパーブレードに付け替えられていると、ワイパーゴムを取り付けることができない可能性があります。
どのワイパーブレードが現状付いているかの判断は素人では難しいため、お店に行って購入する場合はスタッフに問い合わせましょう。
ワイパーの性能やデザインで選ぶ
ワイパーブレードやワイパーゴムには、先述したように様々なタイプがあります。
デザインで決めることも良いですが、車の使用環境や状態に応じた効果をもたらすワイパーを選ぶことも大切です。
以下のような例が挙げられます。
- 冬用ワイパー=毎年雪が降り積もる豪雪地帯
- 撥水タイプのワイパーゴム=フロントガラスにコーティングを施していない車
- デザインワイパー=高速道路の走行が多い車
このように、見た目だけでなく用途に適しているタイプを選ぶということを心がけておきましょう。
ワイパーの価格で選ぶ
ワイパーゴムであってもワイパーブレードであっても、純正品を選べば満足度は高くなりますが、それと同時に価格も高まります。
価格を重視するのであれば、規格に応じた社外品を選ぶことがおすすめです。
また、ワイパーブレードの劣化がみられる場合は、ゴム一体型のワイパーブレードに付け替えることも良いかもしれません。
標準のワイパーゴムよりも拭き取り性能が高いため、雨天時にもハッキリとした視界が確保されます。
純正ワイパー?or市販ワイパー?
ワイパーはディーラーで純正ワイパーと交換できるほかにも、カー用品店やホームセンターなどで市販のワイパーを手に入れることも可能です。
それぞれ違った良さがあり、安心感を重視する方には純正ワイパーが適しています。点検のついでなどのシーンでワイパー交換も注文しておくと良いでしょう。
市販のワイパーは選択肢が豊富で、安価で手に入るものから高性能なものまでさまざまです。自分の希望に合った商品を見つけられるでしょう。
自分?プロ?ワイパー交換の費用比較
自分でワイパー交換する場合
自分でワイパー交換をするときに必要となる費用は、「ワイパー代」のみとなります。
一般的なワイパーの価格を一覧にしました。
2本セットでの価格です。
ワイパーゴム | 1,000円~3,000円程度 |
ワイパーブレード | 2,000円~5,000円程度 |
ゴム一体型 ワイパーブレード |
6,000円前後 |
自分で交換作業を行う場合は「工賃」の費用が発生しないため、カー用品店等で販売しているパーツの費用だけですみます。
ワイパー交換は、手順さえ間違わなければ専門の知識を持っていない人でも交換作業が行えます。
自分でワイパー交換に挑戦しようと思っている人は、取扱説明書をよく理解し、手順通りに作業を進めていきましょう。
ワイパー交換をプロに依頼する際の工賃
「カー用品店」「ガソリンスタンド」「ディーラー」となります。
それぞれの工賃を比較してみました。
カー用品店 | 300円~1,000円程度 |
ガソリンスタンド | 1,000円前後 |
ディーラー | 1,500円前後 |
ワイパー交換を行う場所によって工賃は前後します。
カー用品店であれば、数百円の工賃でワイパーを交換してもらうことができます。
また、ディーラーでの作業になると他の店舗よりも少し工賃は高くなります。
わざわざワイパー交換のためだけに行くのではなく、車のメンテナンスついでにワイパーの劣化が見られ、交換してもらうという人もいらっしゃいます。
ワイパー交換の工賃は数百円から行ってくれるお店もあり、2,000円あればお釣りが返ってくるイメージを持っておくと良いでしょう。
ワイパーをできるだけ長持ちさせるには?
ワイパーブレードは長くて約2年。
しかし、使い方や保管方法を誤ると劣化が進み、交換時期が早まる可能性があります。
ワイパーを長持ちさせるために、抑えておくポイントは3つ。
1.汚れをワイパーで拭き取らない
フロントガラスに汚れが付いていると、ワイパーを作動しウォッシャー液を使うことで汚れが落ちます。
しかし、これはワイパーゴムに負荷がかかっている状態になります。
ワイパーゴムにダメージを受けてしまうと交換時期が早まってしまうため、フロントガラスの汚れを取るときは水洗い等できるだけワイパーを使うことは避けましょう。
2.外気温によってワイパーを立てる
外の気温によってワイパーゴムの劣化が進むことがあります。
例えば、豪雪地帯で駐車する場合。
走行時と変わらない方法で駐車しているとワイパーは凍ってしまい、フロントガラスに張り付いた状態になります。
この状態のままワイパーを作動させてしまうと、ゴムに亀裂が入ることはもちろん、ワイパー本体にも余計な力が加わり、故障の原因や消耗を早めてしまう恐れがあります。
雪が積もる地域または、外気温が氷点下になる地域に駐車する場合は、必ずワイパーを立てることを忘れてはいけません。
3.マメにワイパーの掃除をする
なぜ、定期的にワイパーの掃除をしなくてはいけないのか。
その理由は、ワイパーの役割にあります。
ワイパーは雨天時に視界を確保するため、フロントガラスに装備しているアイテムです。
雨風を受け、汚れや水滴をふき取る役割があります。
拭き取るワイパーに汚れがあっては、フロントガラスの汚れが取れるはずがありません。
さらに、汚れた状態のワイパーを作動してしまうと、摩擦が大きくなり、ゴムの消耗が早まります。
定期的にワイパーの掃除をすることで、ワイパーが長持ちするだけでなく、良好な視界の確保にも繋がります。
ワイパー交換に関するよくある質問
ここからは、ワイパー交換に関するよくある質問を回答とあわせて紹介します。ワイパー交換に関する疑問が解消できていない方は、ぜひチェックしてみてください。
症状が出るまでは交換はいらない?
症状が出てからだと、ワイパーの性能が十分でないときに大雨が降ってしまい視界確保が上手くできずに事故を起こしてしまう恐れがあります。安全面を考慮して、ワイパーは症状が出る前に交換を行いましょう。
また状態が悪くなってしまったワイパーを使い続けていると、ヘアラインという擦り傷がフロントガラスについてしまう可能性もあります。症状が未だ出ていなくても、交換の期間を目安にして定期的に交換しておくのがおすすめです。
ワイパーはゴム交換だけでOK?
ワイパーゴムを固定するワイパーブレードの材質は紫外線の影響を受けやすく、直射日光を浴びることで劣化が進んでいます。ワイパーブレードが劣化すると、歪みなどが生じワイパーを使ってもムラが出来てしまうでしょう。
フロントガラスに直接さわっている部分ではないことから、ワイパーブレードの交換の必要性を感じないという声もありますが、安全に走行するためにも定期的な交換が必要です。
ワイパー交換は軽の森へお任せください!
ワイパーにも種類があり、それぞれ特徴や効果は異なります。
費用も異なり、他のパーツと同じように純正であれば費用は高くなります。
どの効果を求めているのか、また、一般的に使われているワイパーよりもスマートなタイプが良いのかなど、選ぶ際にどの点を重視するかを決めることも大切です。
ただ、ワイパーを自分で交換する時には、まず初めに適合タイプであるかどうかの確認を怠ってはいけません。
数多くのタイプの中から選び抜いたワイパーであっても、適合タイプと異なれば、また探し直さなければなりません。
自分の車に適合するワイパーを条件に、ワイパーを探すことがポイントです。
車を乗り換えてからワイパーを交換していない人は、実際にご自身の車のワイパーを見て確認してみましょう。
ワイパーに関してご不明点や費用の問い合わせなど、お気軽に『軽の森』へご相談ください!