中古車市場でよく目にする「車検整備付き」という表記。
これが意味するのは、車検に必要な整備費用が車両本体価格に含まれている販売形態です。
しかし、この「車検整備付き」とは具体的に何を指し、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか?
また、「車検付き」や「車検なし」と比較してどの選択肢が最適なのでしょうか?
この記事では、「車検整備付き」の基本的な意味を解説し、その違いを「車検付き」や「車検なし」と比較します。
さらに、中古車購入時の重要なチェックポイントや注意点を徹底的に解説します。
「車検整備付き」とは?
「車検整備付き」とは、販売される車両が納車前に車検整備を実施し、その費用が車両価格に含まれている状態を指します。
車検整備は法定で定められた点検項目に基づき実施され、必要に応じて部品の交換や修理が行われます。
具体的には以下の内容が含まれます。
エンジン、ブレーキ、タイヤなど車両の安全性に関わる部位の点検。
タイヤ、ブレーキパッド、オイルなど、消耗品の交換。ブレーキ、タイヤなど車両の安全性に関わる部位の点検。
整備後、車検を取得して公道を走行可能な状態にする。
これらの整備が済んだ状態で販売されるため、購入者は納車後に追加費用を気にせず安心して車を使用できます。
「車検付き」と何が違う?中古車における車検の違い
車検整備付き | 車検付き | |
整備の有無 | 納車前に法定整備が実施される | 整備の有無は不明 |
---|---|---|
車検の状態 | 新たに車検を取得して納車 | 現在有効な車検が残っている |
追加費用の可能性 | なし (整備費用は価格に含まれる) |
可能性あり (整備が必要な場合) |
安全性 | 法定整備済みで安心 | 整備内容次第で差がある |
車検付き(車検あり)
「車検付き」とは、販売される車に現在有効な車検が付いている状態を指します。
たとえば、あと1年または2年車検が有効である車両がこれに該当します。
この場合、購入者は車両を購入後すぐに使用でき、当面の間は車検を気にせず乗り続けることができます。
ただし、車検が付いていることは、必ずしも車が良好な状態であることを意味するわけではありません。
販売時に点検や整備が実施されていない場合、購入後に不具合が発生する可能性もあります。
そのため、購入時には車両の整備記録や状態を確認することが重要です。
費用面では、車検取得の手間やコストを省けるため、手軽に購入できる点がメリットです。
ただし、車検残期間が短い場合、早期に車検の更新費用が必要になることがあります。
予備車検付き
「予備車検付き」とは、車両が車検に必要な検査に合格している状態で販売されるものの、登録は行われていないケースを指します。
これは主に輸入車や未使用車で見られることが多いです。
購入者は登録と名義変更を行うことで、正式に車検を取得した車両として使用できます。
予備車検が付いている車両は、販売時に十分な整備や検査が行われていることが多く、購入後すぐに安心して乗れることがメリットです。
登録手続きが必要なため、若干の手間が発生する点はデメリットと言えるでしょう。
車検整備別
「車検整備別」とは、販売価格に車検整備費用が含まれていない場合を指します。
購入者は別途料金を支払って車検整備を依頼する必要があります。
この形式は、中古車市場で比較的多く見られ、購入者が予算や整備内容を柔軟に選べるのが特徴です。
販売価格が低めに設定されることが多いですが、整備にかかる費用を含めると総額が高くなることがあります。
事前に見積もりを確認し、総費用を考慮することが大切です。
新車未登録
「新車未登録」とは、新車であるものの、まだ登録が行われていない状態の車両を指します。
この車両は、一度も公道で使用されていないため、走行距離がゼロの状態で購入できます。
購入者は、自分で登録手続きを行う必要があり、車両の登録から車検の有効期間がスタートします。
これにより、車検期間を最大限に利用できるのがメリットです。
費用面では、登録手数料や税金が発生する点を考慮する必要がありますが、新品の車を所有する喜びが得られる点が魅力です。
- 車検整備にかかる追加費用が発生しない
- 次の車検まで2年間の期間がある
- 納車後、すぐに乗ることができる
1.車検整備にかかる追加費用が発生しない
車検整備付きの中古車を選ぶと、車両の購入価格に車検や整備の費用が含まれているため、購入後に追加で整備費用を支払う必要がありません。
また、車検整備を業者に依頼する手間や時間を節約できる点も魅力です。
整備の内容には、ブレーキの点検、エンジンオイルやフィルターの交換、タイヤの状態確認などが含まれ、これらを個別に依頼する場合、かなりの手間がかかります。
特に車の整備に詳しくない方にとっては、事前に整備が完了していることは大きな安心材料です。
加えて、整備内容が業者の専門的な視点で適切に行われるため、長期間にわたって安心して車を使用できる点がメリットです。
2.次の車検まで2年間の期間がある
車検整備付き中古車は、販売時点で車検を新たに取得しているため、次の車検まで最大2年間の猶予があります。
この期間中は車検に伴う費用や手続きの心配をする必要がありません。
これにより、購入後すぐに発生する費用を抑えることができ、家計の管理がしやすくなります。
また、この2年間は、車検整備によって車両の状態が良好に保たれる可能性が高く、安心して運転を楽しむことができます。
3.納車後、すぐに乗ることができる
車検整備付きの中古車は、整備や手続きが完了した状態で納車されるため、購入後すぐに公道で運転を開始できます。
自分で車検を取得する場合、手続きや整備に時間がかかるため、納車までに数日から数週間を要することがありますが、車検整備付きの車両ならこうした待ち時間を最小限に抑えられるのが利点です。
急ぎで車を必要としている場合や、スムーズに新しい車の使用を始めたい場合に特に有利です。
車検整備付き中古車を選ぶデメリット
- 購入費用が高くなることがある
- 車検整備が終わるまで乗ることができない
- 総額がいくらになるかわかりづらい
1.購入費用が高くなることがある
車検整備付き中古車は、車検や整備の費用が車両価格に含まれているため、車検なしや車検整備なしの車両と比較して初期費用が高くなる場合があります。
整備内容や部品交換の規模に応じて価格が変動するため、予算に余裕がない場合は他の選択肢と比較して割高に感じることがあります。
そのため、購入前に見積もりを確認し、車両価格に含まれる整備内容を詳しく把握することが重要です。
2.車検整備が終わるまで乗ることができない
車検整備付きの中古車は、販売前に整備が完了しているわけではなく、購入後に整備を行う場合もあります。
そのため、整備が完了するまで納車が遅れることがあります。
この期間は数日から数週間に及ぶことがあり、早急に車が必要な場合にはデメリットとなります。
特に、車検の混雑時期や特殊な部品が必要な場合には、さらに時間がかかる可能性があります。
3.総額がいくらになるかわかりづらい
車検整備付きの中古車は、整備内容が価格に含まれているため、一見すると総額が明確に感じられますが、実際には予想外の部品交換や追加作業が発生する場合があります。
これにより、最初に提示された価格よりも高くなることがあるため、購入者にとって費用の透明性が低く感じられる場合があります。
事前に整備内容の詳細や追加費用の可能性について販売業者に確認し、納得したうえで購入を進めることが重要です。
中古車を購入する際に確認すべきポイント
中古車を購入する際には、以下の点を確認しておきましょう。
- 本体以外にかかる費用を確認する
- 年式や走行距離を確認する
- 保証内容のチェック
- 年式と走行距離
1.本体以外にかかる費用を確認する
中古車購入時の費用は「車両本体価格」として諸費用等は含まれて表示されています。
諸費用としては、登録手数料、自動車税、リサイクル料金、自賠責保険料、そして場合によっては整備費用が追加されます。
これらの費用は販売店や地域によって異なりますが、購入価格全体の約10〜20%に相当する場合もあります。
また、任意保険の費用も事前に確認が必要です。
把握せずに購入すると、想定以上の出費となり、後々の計画に支障をきたす可能性があります。
購入前に見積もりを詳細に確認し、費用の内訳について十分に説明を受けることが重要です。
2.年式や走行距離を確認する
年式と走行距離は、中古車の状態を判断するうえでの重要な指標です。
一般的に、走行距離が短い車ほど部品の消耗が少なく、長期間使用できる可能性が高いと考えられます。
ただし、年式が古い場合は、たとえ走行距離が短くてもゴム部品の劣化や電気系統の不具合が発生しやすい点に注意が必要です。
また、走行距離が長い車でも、定期的なメンテナンスを受けている場合は状態が良好なこともあります。
目安として、年式と走行距離のバランスを考慮し、1年間で1万km程度の走行が一般的な基準とされています。
年式や走行距離を基に、車両の価値と価格が適正かどうかを判断しましょう。
3.点検整備記録簿や修復歴を確認する
中古車購入時には、点検整備記録簿の確認が欠かせません。
記録簿には過去の点検や整備内容が詳細に記載されており、定期的なメンテナンスが行われているかどうかを確認できます。
また、修復歴の有無も重要です。
修復歴とは、事故や衝突などによって車両のフレームや重要な構造部分が修理された履歴を指します。
修復歴がある車は価格が低めに設定されることが多いですが、走行性能や安全性に影響を与える可能性があります。
記録簿や修復歴が不明な車は、購入を慎重に検討するか、専門家に状態をチェックしてもらうことをおすすめします。
4.アフターサポートや保証内容を確認する
中古車購入後の安心感を得るためには、販売店が提供するアフターサポートや保証内容を確認することが重要です。
保証期間や保証対象となる部品、故障時の対応方法などを事前に確認しておくことで、購入後にトラブルが発生した場合の不安を軽減できます。
特に、エンジンやトランスミッションなど高額な修理費用が発生する可能性のある部品が保証対象となっているかを確認しましょう。
また、販売店が独自に提供する点検や整備サービス、ロードサービスの有無も確認ポイントです。
保証が充実している車両は、初期費用が高くなる場合がありますが、長期的な安心感を考えると費用対効果が高いといえます。
失敗しない選び方のポイントやおすすめの車種を解説
車検整備付き中古車はこんな方におすすめ!
- 購入後すぐに安全に乗り始めたい方
- 車両の整備や車検手続きに詳しくない方
- 車検費用を最初から総額で把握したい方
- 期間安心して車を使用したい方
- 時間を節約したい方
よくある質問
車検費用は受ける場所によって違う?
車検費用は、どこで受けるかによって大きく異なります。
主にディーラー、整備工場(認証工場や指定工場)、ガソリンスタンド、車検専門店(スピード車検店)などが一般的な選択肢です。
それぞれの特徴と費用目安を以下に一覧形式で記載します。
受ける場所 | 費用目安 | 特徴 |
ディーラー | 10万~15万円 | メーカー純正部品を使用し、整備の質が高いが費用が高め。 新車や保証期間中の車に最適。 |
---|---|---|
整備工場 | 7万~12万円 | 地域密着型で価格がディーラーよりも安い場合が多い。 点検内容は工場ごとに異なる。 |
車検専門店 | 5万~10万円 | スピーディーで低価格。短時間で終わるが、 点検・整備は最低限の場合が多い。 |
ガソリンスタンド | 5万~9万円 | 短時間で対応可能。 整備の質は場所によるため、評判の良い店を選ぶことが大切。 |
ユーザー車検 | 約5万~7万円(法定費用) | 自分で手続きを行うため費用が最安。 ただし知識が必要で整備は別途依頼する必要あり。 |
選ぶポイント
車検をどこで受けるかは、車両の年式や状態、利用者の予算、整備へのこだわりによって異なります。
特に新しい車やメーカー保証が有効な車両はディーラー、コストを重視する場合は車検専門店やユーザー車検が適しています。
車検にかかる費用の内訳は?
車検費用は大きく分けて「法定費用」と「整備費用」の2つに分類されます。
法定費用
法定費用はどこで車検を受けても金額が変わらない固定費用です。具体的には以下の項目があります:
- 自動車重量税:車の重量に応じて課税される税金
例:1トン未満の車で年間8200円程度 - 自賠責保険料:24か月で2万~3万円程度
※車種や用途による - 印紙代:車検証発行の手数料
1500~2000円程度
整備費用
整備費用は、依頼する場所や車両の状態によって異なります。主な内訳は以下の通りです:
- 点検基本料:車検に必要な点検作業の基本料金
約1万~3万円 - 部品代:消耗品交換費用。
ブレーキパッド、オイル、フィルター等
内容により変動(数千~数万円) - 追加整備費用:故障部品の修理や予防整備費用
ケースによって大きく異なる
合計費用は車両の状態に応じて変わりますが、一般的な小型車の場合、法定費用が約5万~7万円、整備費用が約2万~5万円となることが多いです。
納車までの期間はどれくらい?
納車までの期間は、車の状態(「車検整備付き」「車検付き」「車検なし」)や購入時の状況によって異なります。
車検整備付きの場合
車検整備付きの車両では、購入後に販売店が車検整備を行い、新たに車検を取得します。
このため、整備や部品交換が必要な場合は数日から1~2週間ほどかかることがあります。
特に混雑する時期や部品の在庫状況によっては、さらに時間がかかる場合もあります。
車検付きの場合
車検が既に有効な車両の場合、購入後の整備や手続きが最小限で済むため、比較的短期間で納車されるのが一般的です。
販売店の準備状況次第ですが、数日程度で納車可能な場合もあります。
車検なしの場合
車検が切れている車両や未取得の車両は、購入後に車検を新たに取得する必要があります。
これには整備や登録手続きが含まれるため、1~2週間程度の納車期間を見込む必要があります。
部品の交換が必要な場合や、車両の状態が悪い場合はさらに時間がかかることがあります。
その他の要因
納車期間は販売店の繁忙期や書類手続きの進行状況によっても変動します。
急ぎで車が必要な場合は、購入前に納車の目安を確認し、必要に応じて交渉することが重要です。
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