運転免許証を取得し運転をはじめる際には、車体に初心者マークをつけることが義務付けられています。
では初心者マークはいつまでつけておかなければならないのでしょうか?この記事では、初心者マークをつけておく期間や車体に貼る位置、つけることを怠った場合の罰則などについて解説したいと思います。
初心者マーク(若葉マーク)とは
初心者マークは、正式名称を「初心運転者標識」といい、日本の道路交通法に基づいて規定されている標識です。(道路交通法第71条の5 第1項)
このマークは、免許を取得してから1年未満の初心者運転者が掲示することを義務付けられています。運転者の未熟さを周囲に知らせることで、他車両からの配慮を促し、事故のリスクを軽減することを目的としています。
初心者マークのデザインは、緑と黄色を基調とした若葉を模した形が特徴で、「若葉マーク」とも呼ばれています。このデザインは視認性が高く、車両の前後に貼ることで周囲に分かりやすく表示できます。
初心者マークが必要な理由
初心者マークを掲示する目的は以下の通りです。
1.初心者運転者の安全確保
運転免許を取得して間もない初心者は、操作や判断が不安定な場合があります。初心者マークを掲示することで、他の運転者がその状況を理解し、安全な距離を保つように促します。
2.交通事故の予防
未熟な運転者が周囲に配慮されることで、煽り運転や無理な追い越しを防ぎ、交通事故の発生を減少させる効果があります。
3.道路交通法の順守
初心者マークを掲示することは、道路交通法で義務付けられており、掲示を怠ると違反となります。これにより、運転者は法律を守り、安全な運転習慣を形成することが求められます。
初心者マークはいつまでつける?
初心者マークの掲示義務は、運転免許取得日から1年間です。
この「1年間」という期間は免許を取得した日を基準に計算されます。たとえば、2024年4月1日に免許を取得した場合、2025年3月31日まで装着が必要です。
初心者マークをつける位置・場所
初心者マークをつける際は、道路交通法施行規則 第9条の6第1項に従って以下の条件を守る必要があります。
また、初心者マークを貼ることが禁止されている位置もあります。
禁止されている掲示場所
▶フロントガラス
視界を妨げるため禁止されています。
▶車両の下部や裏側
見えづらく役割を果たしません。
上記の場所に初心者マークを掲示すると、違反と見なされる場合があります。
初心者マークは適切な位置に掲示することで、周囲の車両が運転者の状況を的確に把握でき、安全性が向上します。一方、不適切な位置への掲示は法律違反となるだけでなく、トラブルの原因にもなり得ます。
初心者マークに関する罰則
初心者マークをつけていれば、運転初心者だと周囲の車が認識し配慮してもらえます。
そのため初心者マークをつけるのを怠った場合、周囲の車両が運転者の状況を認識できず、煽り運転や事故のリスクが増加する可能性があります。特に混雑した道路や高速道路では、掲示の有無がトラブルを回避する上で重要な要素となります。
さらに掲示しなかったことにより罰則が科される可能性もあります。
初心者マークをつけなかった場合
初心者マークを義務期間中に装着しない場合、以下の罰則が科される可能性があります。
初心者マークの掲示義務を怠ると、道路交通法に基づき、違反点数として1点が加算されます。さらに車両の種類によって金額は異なりますが、普通車の場合4,000円の反則金が科されます。
また、交通検問などで警察官から注意を受けることもあります。
周囲の車は初心者マークの車に配慮が必要
初心者マークをつけた車に対して、周囲の運転者は特定の配慮を行う義務があります。この義務は道路交通法71条第5号の4で定められており、初心者運転者が安心して運転できる環境を作るために重要です。
周囲の運転者が守るべき主な義務は下記のとおりです。
無理な追い越しの禁止
初心者マークをつけた車に対して、危険な追い越しや割り込みは禁止されています。追い越しを行う場合は、安全な車間距離を保つことが必要です。
安全な車間距離の確保
初心者の運転は経験が浅いため、急な減速や動作が予想される場合があります。後続車は適切な車間距離を保ち、初心者が安全に運転できる環境を提供することが求められます。
煽り運転の禁止
初心者マークをつけた車に対して煽り運転を行うことは、道路交通法に違反するだけでなく、悪質な場合は罰則や厳しい処罰の対象になります。
不要なクラクションの使用を避ける
クラクションは緊急時以外での使用が禁止されているため、初心者マークをつけた車に対してプレッシャーをかける目的で使用してはいけません。
これらの義務を怠り違反した場合には罰則が科されます。
初心運転者等保護義務違反の罰則
・違反点数:1点
・罰金:6,000円(普通車の場合)
初心者マークをつけた車に配慮することは、運転者同士の安全を守るだけでなく、道路全体の交通環境を改善することにもつながります。また、初心者運転者が成長し、安全な運転を習得する手助けとなる点でも意義があります。
⚠注意点⚠
初心者マークをつけた車に対する義務は、すべての運転者に課されていますが、守られていないケースも見受けられます。そのため、自分自身も周囲の運転者として責任を持ち、初心者が安心して運転できる環境作りに協力することが大切です。
1年を過ぎても初心者マークをつけてもいいの?
初心者マークをつける義務期間1年を過ぎても、付け続けることに法律上問題はありません。
つけ続けることにより以下のようなメリットがあります。
初心者マークを続けるメリット
1.安心感を得られる
運転技術に自信がない場合でも、他の運転者が車間距離をとってくれたりと周囲からの配慮を期待できます。
2.安全運転の意識向上
初心者であることを周囲に知らせることで、自身も慎重な運転を心掛けることができます。
3. トラブルの予防
初心者マークを掲示していれば、万が一トラブルが起きた場合でも、周囲の理解を得やすい場合があります。
ただし、初心者マークをつけ続けることで、警察の検問などで「義務期間を過ぎているがなぜつけているのか」と指導を受ける場合があります。また、一部の運転者から過剰な配慮を受けることがストレスになったりと、デメリットとなる面もあります。
初心者マークを外すタイミング
初心者マークを外すタイミングは個人の判断に委ねられます。以下のような状況が目安となります。
駐車や車線変更などの基本操作を不安なく行えるようになった場合、外すことを検討できます。また、周囲の交通状況を的確に判断できるようになったと感じたときも外すタイミングといえます。
もちろん、1年間が経過した時点で外しても法的には問題ありません。
ペーパードライバーがわざと初心者マークを付けるのはダメ?
免許は取得しているけれども日常的に運転することがない、いわゆるペーパードライバーと言われる方が運転をする際には不安を感じ、初心者マークをつけて走りたいと思う場合が多いでしょう。
免許取得後1年を経過しているペーパードライバーが初心者マークを付けていることに違法性はありません。
ただし法的に「運転初心者」ではないので、初心者運転者が対象となる特別な保護(周囲の車両が配慮する義務等)は適用されません。
運転に不安がある場合、初心者マークを付ける以外にも下記のような手段があるので検討してみましょう。
初心者マークを付ける以外の選択肢
◆「車間距離をとってください」などのステッカーをつける
市販のステッカーで、運転に不慣れなことを周囲に知らせるものが販売されているので利用してみるのも有効です。
◆ドライビングスクールで再練習
運転スキルを再確認するために、短期コースや個別指導を利用するのも効果的です。
ペーパードライバーが初心者マークをつけることは違法ではありませんが、目的や状況をよく考え、周囲に誤解を与えないよう配慮することが大切です。
初心者マークの種類
初心者マークにはいくつかの種類があり、使用環境や目的に応じて選ぶことができます。
一般的な初心者マークの種類は以下のとおりです。
・マグネットタイプ
・ステッカータイプ
・吸盤タイプ
・光るタイプ
・オリジナルデザインタイプ
マグネットタイプ
◆特徴◆
車両のボディに傷をつけず、簡単に取り外しが可能。
◆利点◆
複数の車両で使い回すことができるため経済的。
◆注意点◆
強力な磁力が必要なため、アルミ製や樹脂製など車のボディが磁石に反応しない材質には取り付けられない場合がある。
ステッカータイプ
◆特徴◆
粘着力が強く、一度貼るとしっかり固定される。
◆利点◆
剥がれにくく、雨や風にも強い。
◆注意点◆
取り外す際に粘着剤が残る可能性があるため、車両の外観を損ねることがある。
吸盤タイプ
◆特徴◆
車の内側に表示するタイプなので雨風にさらされず劣化しにくい。
◆利点◆
ガラスに吸盤するのでどんな材質の車でも関係なく表示できる。
◆注意点◆
フロントガラスへの掲示は禁止されているため、リアガラスのみにしか使えない。
光るタイプ
◆特徴◆
夜間や悪天候時に視認性を高める蛍光素材やLEDを使用。
◆利点◆
安全性を重視する運転者に適している。
◆注意点◆
他の初心者マークに比べてコストが高い場合が多い。
オリジナルデザインタイプ
◆特徴◆
一般的なデザインに加え、個性的なアレンジが施されている。
◆利点◆
他と差別化でき、気分を明るくする効果がある。
◆注意点◆
道路交通法で認められたデザインであることを確認する必要がある。
初心者マークを選ぶ際には、以下の点を考慮することをおすすめします。
■使用期間
短期間の使用であれば低コストなもの、長期間使うなら耐久性の高いタイプを選ぶようにしましょう。
■車両の材質
マグネットが使えない車両にはステッカータイプが適しています。
■運転環境
夜間や雨天時の運転が多い場合は光るタイプが安全です。
初心者マークの入手方法
初心者マークはさまざまな場所で購入することができます。それぞれの特徴を把握し、自分に合った購入方法を選びましょう。
初心者マークの購入先
・ホームセンター
・自動車用品店
・オンラインストア
・ガソリンスタンド
ホームセンター
何でも揃うホームセンターには、初心者マークも販売されています。
メリット | 実物を確認して購入できる。 |
デメリット | 品揃えが限られている場合がある。 |
価格帯 | 300円〜500円程度。 |
自動車用品店
車の専門店である自動車用品店では、初心者マークももちろん取り扱っています。
メリット | プロ仕様の高品質な製品を取り扱っている。 |
デメリット | 他の店舗よりも価格が高いことがある。 |
価格帯 | 500円〜1,000円程度。 |
オンラインストア
今やオンラインストアで手に入らないものなどないといっていいほど主流の購入場所です。
メリット | 自宅にいながら購入可能で、種類が豊富。 |
デメリット | 商品を実際に確認できないため、サイズや質感が想像と異なる場合がある。 |
価格帯 | 200円〜1,000円程度。 |
ガソリンスタンド
意外な入手先と思われますが、ガソリンスタンドにも初心者マークが置いてあることがあります。
メリット | 急ぎで必要な場合に便利。 |
デメリット | 種類が限られている。 |
価格帯 | 300円〜600円程度。 |
この他に、わざわざ購入しなくても自動車教習所の卒業時にもらえることもありますし、運転免許試験場の売店でも手に入れることができます。
初心者マークの購入時の注意点
初心者マークを購入する際には、以下の点に注意するようにしましょう。
道路交通法に適合したデザインか確認 |
初心者マークは道路交通法で認められた形状・サイズのものである必要があります。
耐久性を考慮 |
使用環境に合った素材を選ぶようにする。
付属品の有無 |
ステッカータイプの場合、粘着補助剤や剥がし方の説明書がついていると便利です。
免許取得から通算1年未満の人は初心者マークを忘れずに!困ったら軽の森へ
免許取得後には初心者マークを忘れずに掲示しましょう。
初心者マークは、運転初心者の安全を守るために重要な役割を果たします。1年間の義務期間中はもちろん、義務期間終了後も安全運転を心掛けるためのツールとして活用することが推奨されます。
また自身の安全だけでなく、他の運転者や歩行者への配慮にもつながります。義務期間中に掲示を怠ると罰則の対象となり、他車両からの配慮を受けにくくなる可能性もあるので必ず掲示するようにしましょう。
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