軽自動車でありながら、広い室内空間と優れた収納力を誇る「アトレー」は、車中泊を楽しみたい人にとって魅力的な選択肢です。特にアウトドアや旅行で活躍するその利便性は、近年注目を集めています。
本記事では、アトレーの特徴やシートアレンジ、収納スペース、車中泊に便利なアイテムなどを詳しく解説します。加えて、アトレー以外の車中泊向き軽自動車も紹介し、車両選びの参考になる情報を提供します。
価格・保証・整備などのポイントや、車検に関する情報にも触れているので、初めて車中泊を検討している方も安心して読み進めてください。
アトレーはどんな車?

アトレーはダイハツが販売する軽バンタイプの車両で、商用車としてだけでなく、アウトドアや趣味用途にも人気があります。
2021年のフルモデルチェンジで「アトレーワゴン」から4ナンバーの「アトレー」へと変更され、車中泊にも適した装備が充実しました。走行距離が多くても耐久性が高く、長距離移動にも対応する実力を備えています。
広い室内空間が魅力の軽バン
アトレーの最大の魅力は、軽自動車でありながらも大人が快適に過ごせるほどの広い室内空間を持っている点です。全高が高く、頭上空間に余裕があるため、荷物を積むだけでなく、体を伸ばして休むことも可能です。シートをフルフラットにすることで、車中泊の際に快適なベッドスペースとして利用できる設計になっています。
さらに、スライドドアの採用により、狭い場所でも乗り降りがしやすく、キャンプ場や道の駅などの駐車スペースでも扱いやすいのが特長です。軽バンならではの機動性と、車中泊に最適な空間設計が、アトレーの人気を支えています。
アトレーワゴンが4ナンバー化してアトレーに
従来、アトレーワゴンは5ナンバー登録の乗用車でしたが、2021年のフルモデルチェンジを機に4ナンバーの「アトレー」に統一されました。これは商用車としての利便性を高めつつ、アウトドアやレジャーにも対応する仕様を取り入れた結果です。
4ナンバー化により、自動車税や車検の頻度など維持費面でもメリットがあります。また、室内の床がフラットになり、荷室の使い勝手が格段に向上。仕事道具を積むのはもちろん、車中泊のためのグッズや布団なども容易に収納できます。価格面でも競争力があり、長距離ドライブ用のサブ車両やキャンプ用の軽自動車として選ばれるケースが増えています。
電子制御式4WD搭載で悪路でも頼りになる
アトレーには、電子制御式4WD(4輪駆動)システムが搭載されています。これにより、雪道やぬかるみといった悪路でも安定した走行性能を発揮。車中泊を伴うアウトドアでは、山間部や河川敷など舗装されていない場所にアクセスする機会が多いため、この4WD性能は非常に頼りになります。
また、スイッチ一つで2WDと4WDの切り替えが可能なため、通常の街乗りでは燃費を重視し、必要なときだけ4WDに切り替えるといった使い分けができます。これにより、Kmあたりの燃料消費を抑えることも可能となり、経済性にも配慮されています。整備もダイハツの全国ネットワークで対応可能なため、安心して長期使用が可能です。
アトレーで車中泊できる?室内空間やシートアレンジを紹介

アトレーはその構造と設計上、車中泊に非常に適した軽自動車です。特に室内空間の広さ、フラットな床面、シートアレンジの自由度など、寝泊まりを快適にする要素が揃っています。
ここでは、ボディサイズや荷室、シートアレンジの詳細を見ていきましょう。
ボディ・荷室サイズ
アトレーのボディサイズは、全長3,395mm、全幅1,475mm、全高1,890mm(2WD車)と、軽自動車の規格内で最大級の高さを誇ります。このため、室内高に余裕があり、大人でも腰をかがめずに移動可能です。
荷室長は1,915mm(リアシート格納時)、荷室幅は1,410mmあり、マットを敷いて横になるにも十分なスペースを確保できます。荷室容量の広さは車中泊の快適性を大きく左右するため、この点でアトレーは優秀な選択肢となります。
フラットなフロアで広々とした空間へ
アトレーの特徴的なポイントとして、リアシートを格納すると完全にフラットな床面が現れる設計が挙げられます。段差がないため、マットや布団を敷いても違和感がなく、快適に横になれます。この構造により、荷物の積み下ろしもスムーズで、収納と寝具スペースの両立が可能です。
特にアウトドアでの就寝時には、フラットな床面が安定した睡眠を提供し、長距離移動後の疲労回復にもつながります。快適な車中泊を求める人にとって、このフロア設計は非常に大きな利点となるでしょう。
ラゲージスペースには便利な機能が充実
アトレーのラゲージスペースには、車中泊を快適に過ごすための便利な機能が充実しています。
ここでは、どんな機能を備わっているのか見ていきましょう。
シートアレンジで簡易ベッドに変身
アトレーのシートは、フラットに折りたたむことで簡易的なベッドスペースに変身します。リアシートを前方にたたみ、ラゲッジスペースとつなげるだけで、就寝スペースを確保できます。さらに市販のベッドキットなどを追加すれば、より本格的な寝具環境が整います。手軽に車中泊を始められるのは大きな魅力です。
お手入れしやすいイージーケアマットを採用
アトレーの荷室フロアには、汚れに強く、簡単に清掃できるイージーケアマットが採用されています。キャンプや釣り、海辺でのアクティビティなど、車内に汚れが入りやすいシーンでも安心して使用できます。
汚れたマットは水拭きや簡易的な洗浄が可能なため、いつでも清潔な空間を保てます。これは車中泊だけでなく、普段使いにおいても非常に便利な装備です。マットの表面は滑りにくく設計されており、荷物の転倒防止にもつながります。
デッキサイドトリムで空間を効率的に使える
アトレーには、荷室側面に「デッキサイドトリム」が装備されており、収納性と機能性を両立しています。このトリム部分には荷掛けフックや小物収納スペースが設けられており、照明器具や調理器具、サンダルなどを効率よく収納できます。
車中泊時には「いかに空間を有効活用するか」が快適性に直結するため、デッキサイドトリムのような装備は非常に実用的です。DIYでの拡張性も高く、必要に応じてカスタマイズも可能です。
17か所のユースフルナットでアレンジが便利
アトレーのラゲッジルームには「ユースフルナット」と呼ばれるねじ穴が17か所に設置されています。これを活用することで、棚の設置や照明、ハンガーラックの取り付けなど、多様なアレンジが可能になります。
車中泊で快適に過ごすためには、自分のスタイルに合わせた空間作りが重要です。このユースフルナットは、市販の専用アクセサリーだけでなく、自作のパーツや棚とも組み合わせることができるため、まさに自分だけのお気に入りの“車内空間”を作り上げるベースになります。
ポップアップ機構付リヤガラスの採用で換気がしやすい
車中泊で意外と重要になるのが「換気性」です。アトレーでは、リアガラスにポップアップ機構を備えており、簡単に開けて風を通すことができます。車内にこもった湿気やにおいを効率よく排出できるため、就寝時にも快適な空気を維持できます。
特に就寝中に結露を防ぐための換気は重要で、ポップアップ式の窓は閉じたままにせず、少しだけ開けておくことで防犯対策にもつながります。自然の風を取り入れつつ、安心して眠れるのは、車中泊車として大きな利点です。
アトレーの車中泊に便利な収納スペース
アトレーは収納力にも優れており、車中泊で必要な道具を効率よく整理できます。小物類から寝具、電源アイテムまで多彩な収納スペースを使いこなすことで、車内をスッキリと保ち、快適な環境を実現できます。
以下では各収納機能について紹介します。
画像引用:ダイハツ・アトレー
オーバーヘッドシェルフ

運転席上部に設けられた収納棚で、帽子や小型のランタンなど軽量アイテムを置くのに便利です。
助手席トレイ(フック付)/センタートレイ

小物やスマートフォン、筆記用具などを置くスペースで、使い勝手がよく取り出しやすい位置にあります。
グローブボックス

車検証や保証書、手帳などの書類の収納に最適。開閉もスムーズで整理がしやすい構造です。
カップホルダー(前席/掘込み式)

運転席・助手席にそれぞれ備えられており、走行中のドリンク収納に便利です。
インパネセンターポケット

インパネ中央にある浅型の収納で、スマートフォンやメモ帳などすぐに取り出したいものに適しています。
ショッピングフック(インパネ)

買い物袋などをかけておくためのフック。床に物を置かずにすむため車内が整理しやすくなります。
コンソールトレイ

運転席・助手席の間に設けられたスペースで、財布やリモコンなど使用頻度の高いものに最適です。
ドアポケット&ボトルホルダー(運転席/助手席)

両側ドアに設けられ、ドリンクやペットボトルを収納できます。車中泊時の水分補給にも便利です。
シートバックポケット(助手席)

後席からアクセスできる収納で、雑誌やガイドブックの保管に適しています。
USBソケット(インパネ1口・電源用)

スマートフォンなどの充電に使用でき、ポータブル電源を併用することで長時間の電源供給も可能です。
ボトルホルダー(後席)

後部座席用の飲み物ホルダー。車中泊中の水分補給にも配慮された配置です。
デッキサイドポケット(左右)

荷室側面のポケットで、懐中電灯や小道具などを整理できます。
大型LED荷室灯

暗闇でも荷室を明るく照らせるLEDライト。夜間の荷物整理や車中泊時に重宝します。
荷室アクセサリーソケット(12V)

電気毛布や小型冷蔵庫、照明器具などを使用する際に活用できるソケットです。
アトレーで車中泊する際に用意したい便利グッズ
アトレーは車中泊に最適な設計がなされていますが、より快適に過ごすためにはいくつかのアイテムを準備することをおすすめします。ここでは、初心者から経験者まで重宝するグッズを厳選して紹介します。マットや照明、電源機器などを備えることで、旅の質が格段に向上します。
マット

画像引用:amazon
アトレーの荷室フロアはフラットですが、直接寝るには硬すぎることがあります。そのため、断熱性とクッション性の高い車中泊用マットを用意すると快適さが格段にアップします。市販のエアマットやウレタンマットを活用することで、地面の冷気や段差を吸収し、安眠につながります。
専用設計のベッドキットを導入すれば、収納スペースを下に確保しながらベッドを設置できるため、より効率的な車内空間を実現できます。
布団・寝袋

寝具は季節や気温に応じて布団または寝袋を使い分けましょう。夏は薄手の寝袋、冬は保温性の高いシュラフが快適です。特に秋冬の車中泊では、寒さ対策が重要になるため、封筒型の寝袋に毛布を追加するスタイルがおすすめです。
また、圧縮袋を活用することで、布団や寝袋もコンパクトに収納でき、空間を無駄にしません。
サンシェード・カーテン

プライバシー確保と断熱対策の両方に役立つのが、サンシェードやカーテンです。外からの視線を遮ることで安心して眠れるだけでなく、夏場の直射日光や冬の冷気を防ぐ効果もあります。
車種専用設計のサンシェードなら、窓にぴったりフィットし、遮光性も抜群です。また、カーテンレールを取り付けると、より家庭的な空間を演出できます。
ポータブル電源

スマートフォンの充電や電気毛布、LEDランタンなどの電源確保に欠かせないのがポータブル電源です。アトレーには12Vソケットが用意されていますが、長時間の使用には大容量バッテリーを別途用意するのが安心です。
最近ではソーラーパネルと組み合わせることで、長期車中泊でも電力不足を防ぐことが可能になっています。価格は容量によって異なりますが、50,000〜150,000円前後の製品が人気です。
ランタン・照明

夜間の車内照明にはランタンやLEDライトが重宝します。アトレーにはLED荷室灯がありますが、追加で可動式のライトを用意しておくと、読書や調理時に便利です。
おすすめはUSB充電式のランタンで、バッテリー残量がわかりやすく、軽量・小型な製品が多いため取り扱いも簡単です。マグネット付きなら、車内の金属部分に取り付けて手を離して使えるため、車中泊をより快適にしてくれます。
アトレーで車中泊する際の注意点

アトレーでの車中泊は非常に快適ですが、注意すべき点もいくつか存在します。駐車場所の選定や健康への配慮、防犯対策などを怠ると、思わぬトラブルにつながる可能性があります。
以下でポイントを整理して解説します。
駐車する場所
車中泊では、どこに車を停めるかが最も重要です。基本的には「道の駅」「高速道路のSA・PA」「キャンプ場」など、車中泊が許可されている場所を選びましょう。
私有地や禁止されているエリアでの宿泊は、トラブルや通報の原因となります。必ず事前に情報を確認し、利用マナーを守ることが大切です。
エコノミークラス症候群
狭い空間での長時間の睡眠は、血流が滞り「エコノミークラス症候群」を引き起こす恐れがあります。特に足を伸ばせない姿勢での就寝や、水分不足には要注意です。
数時間ごとに起きてストレッチをする、水分を十分に摂る、脚を圧迫しない体勢で寝るなどの工夫が必要です。
エンジンのかけっぱなし
車中泊中にエアコンを使いたいからといって、エンジンをかけっぱなしにするのは避けましょう。騒音・排気ガスの問題や、バッテリーへの負担が大きく、周囲の迷惑にもなります。
代わりに断熱材や扇風機、毛布などを利用し、季節に応じた対策を行うことで快適に過ごすことが可能です。
防犯対策
夜間の車中泊では、防犯面への配慮も欠かせません。窓を完全に閉める、貴重品を見える場所に置かない、目立つ場所で宿泊しないなど、基本的な防犯対策を徹底しましょう。
ポータブルセンサーやスマートフォン連動の防犯アプリを併用すると、より安心して車中泊ができます。
アトレー以外の車中泊向きの軽自動車を紹介!
アトレー以外にも車中泊に適した軽自動車は存在します。ここでは、ダイハツとスズキの人気車種を3つ紹介します。それぞれの車両に異なる特徴があるため、自分の使用スタイルに合ったモデルを選ぶ参考にしてください。
【ダイハツ】タント

ダイハツのタントは、ミラクルオープンドアによる圧倒的な乗降性と、室内の広さが魅力の軽ハイトワゴンです。リアシートを倒すことで、フラットな空間が生まれ、簡易的な車中泊も可能です。
高さがあるため、着替えや軽作業も行いやすく、サンシェードやマットを追加すれば快適性が向上します。車両価格も比較的手ごろで、保証や車検パックなどのプランも充実しています。
アウトドアにも向いている理由と快適に楽しむためのアイデアやグッズを紹介
【スズキ】エブリイワゴン

スズキのエブリイワゴンは、軽バンとしての使い勝手と広い荷室空間が特徴の車です。商用車ベースで設計されているため、車中泊にも非常に適しています。
天井が高く荷室長も広いため、2人でも余裕を持って眠ることができ、ベッドキットやテーブルの設置も容易です。走行距離を重ねても整備性が高く、耐久性にも優れています。
おすすめグッズやカスタム方法を紹介
【スズキ】ハスラー

SUV風デザインが人気のハスラーは、見た目の個性と走行性能を兼ね備えた軽自動車です。リアシートを前方に倒すことでフラットな空間を確保でき、1人~2人用の簡易車中泊に適しています。
ポップなデザインだけでなく、4WDモデルも用意されており、アウトドアでの走行にも対応。車両価格も控えめで、無料の保証サービスや追加プランも豊富です。
カラバリや機能性、カスタム方法まで徹底解説
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