車のタイヤがパンクしてしまうというトラブルは、誰にでも起こり得ることです。
突然タイヤがパンクしてしまったとき、どのような対処法をとれば良いのか事前に知っておけば慌てることなく冷静な判断ができます。
今回は、タイヤがパンクした時の対処法やタイヤがパンクする原因、パンクしたときにやってはいけないことなどを詳しく解説していきます。
タイヤがパンクしたときの対処法
タイヤがパンクしていることに気づいたとき、どのような対処法をとれば良いのでしょうか。
適切な対処法をとることは危険を回避する上で大切なことです。状況により対処する方法は変わりますが、ここでは自分で応急処置する場合と自分で応急処置できない場合に分け、ご紹介します。
自分で応急処置する場合
タイヤがパンクした時に、自分で行うことができる応急処置は下記の2つです。
スペアタイヤに交換
スペアタイヤを車に積載している場合は、パンクしたタイヤを自分でスペアタイヤに交換し応急的に対処することができます。
ですがスペアタイヤは普通のタイヤよりも幅の狭い応急用のタイヤなので走行性能が低く、長距離を走ることはおすすめできません。(走行できる距離の目安は100キロ以内)あくまでも一時的に車を移動するためのタイヤと認識し、走行速度は80キロ以下に抑え、できるだけ早く新しいタイヤに換えるようにしましょう。
タイヤ交換は、車体をジャッキで持ち上げパンクしたタイヤのナットを緩めて外しスペアタイヤと交換。スペアタイヤのナットをぎゅっと締め、車体を下げてジャッキを取り外せば終わりです。複雑な作業ではありませんが、重たい車体を浮かせたりタイヤを外したり付けたりするので、ちょっとでも自信がない方はロードサービスなどに頼ることをおすすめします。
パンク応急修理キットを使う
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スペアタイヤではなく、コストダウンや車の軽量化のために「パンク応急修理キット」を搭載している車も多くあります。
パンク応急修理キットのなかには、タイヤに開いた穴を塞ぐための液状ゴム(パンク修理液)とタイヤの空気を入れるエアーコンプレッサーが内包されており、一時的に穴を塞ぎ走れるようになります。ですが応急的に空気漏れを止めるための処置ですので、できるだけ早く新しいタイヤに交換するようにしましょう。
またこの方法は、タイヤの広範囲に亀裂が走っていたり、トレッド面以外が損傷している場合には使えないので注意しましょう。
自分で応急処置ができない場合
スペアタイヤやパンク応急修理セットが無い、もしくは自身で応急処置することに自信がない方は、近隣にあるお店に修理を依頼するかロードサービスに救援を求めましょう。
近くのカー用品店やガソリンスタンドに持ち込む
パンクはしているが完全に空気が抜けておらず、少しの距離なら走行できそうな場合で近くにカー用品店やガソリンスタンドがあったらならば、すぐに車を持ち込みましょう。
スペアタイヤや応急修理キットを用いて自分で応急処置した場合も一時的な対処法にすぎないので、カー用品店やガソリンスタンドを見つけたら速やかに立ち寄りタイヤを修理・交換してもらいましょう。
ロードサービスに連絡する
タイヤが完全にパンクし走ることができない場合や、近くに修理してくれるお店が見当たらない場合はロードサービスに救援を求めましょう。
だいたいのロードサービスは24時間いつでも対応可能で、電話一本で故障現場まで駆けつけスペアタイヤへの交換や応急処置、レッカー移動などもしてくれます。
自動車保険に付帯されていることが多いですが、保険会社によっては一部特約となっているところもあるので加入の際にロードサービスが使えるかどうか確認しておきましょう。
そもそもタイヤがパンクしてしまう要因とは?
タイヤがパンクしてしまう要因はいくつかあります。
自分で回避することが難しい要因もありますが、パンクに繋がらないように自分で対策することができる要因もあります。
ここでは、タイヤがパンクしてしまう要因で多いもの3つをご紹介します。知っておけばパンク回避に繋がる要因もありますので、しっかり頭に入れておきましょう。
釘やガラス片などの異物が刺さる
パンクの要因として一番多いものが、道路に落ちている釘やガラス片などの異物がタイヤに刺さってしまったことによるものです。
小さな釘やガラス片などは視認するのが難しく、踏まないように運転することは難しいので不可避な要因です。
異物がタイヤに刺さった場合のパンクのしかたは、異物が蓋となって空気の急激な漏れを抑えるので徐々に空気が漏れていくという特徴があります。これをスローパンクと呼んだりしますが、すぐに空気が漏れず走行できてしまうことから、異物が刺さってからしばらく気が付かないケースも多々あります。
タイヤのゴムの劣化
タイヤの成分は大半がゴムなので、紫外線や摩擦などが原因で時間とともに劣化していきます。劣化したゴムは弾力性が失われ硬くなります。また地面との摩擦でタイヤのゴムは薄くなり溝もなくなっていくので、雨天時にスリップしやすくなったりパンクしやすくなってしまうのです。
一般的にタイヤの寿命は使用を開始してから3~5年と言われています。あまり運転していないから大丈夫だろうと思っていても、ゴムは月日が経過すれば使っているいないに関わらず劣化するので注意が必要です。
タイヤの寿命を意識しつつ、お店で定期的にチェックすればパンクを回避することができます。
空気圧の調整不足
タイヤには定められた空気圧があり、その規定値より空気圧が低くても高くてもパンクの要因となります。
規定値より空気圧が低くければ、走行中にタイヤがたわみ変形しながら摩擦を繰り返し、トレッド面(路面に接する面)にひび割れを生じさせる恐れがあります。このような状態で高速走行すれば摩擦に耐えかねたタイヤがバースト(破裂)してしまうこともあり非常に危険です。
また規定値より空気圧が高かった場合には、タイヤが偏摩耗しやすくなります。タイヤ内部にあるカーカスコードと呼ばれるワイヤーが切れやすくもなり、バーストする懸念もあるので要注意です。
空気圧のチェックはガソリンスタンドやカー用品店で無料で行っている場合も多いので、月に1回程度はパンク回避のために空気圧の点検をし、適正な空気圧を保つようにしておきましょう。
もし走行中にタイヤのパンクに気づいたら?
車を運転している際に、ハンドルが左右にとられるような感覚がしたり、車体がガタつくような感覚を覚えた場合はタイヤがパンクしている可能性が高いです。
そのような場合はタイヤの状態を確認し対処する必要があります。走行しているのが一般道路なのか高速道路なのかで気を付けなければならないポイントがあります。
一般道路上でパンクに気づいた時は…
まずハザードランプを点滅させ、周囲の車に注意し、安全な場所に車を停車させエンジンを切ります。車通りが激しい道路の路肩や狭い道路上だった場合は、停止表示板(三角表示板)を車後方に設置しておくと安心です。
高速道路上でパンクに気づいた時は…
パーキングエリアやサービスエリア、又は非常駐車帯が近くにある場合は、そこへ車を停車させエンジンを切り車の状態を確認しましょう。
ですがパーキングエリアや非常駐車帯が遠くやむを得ない場合には、ハザードランプを点滅させ周囲の車に十分注意し路側帯に停車させましょう。そして必ず車の50mほど後ろに停止表示板(三角表示)を設置し、発煙筒を点火して後続車に停車中であることを示しましょう。高速道路上では車の近くで状態を確認したり車内にいるのも追突の恐れがあり非常に危険なため、速やかにガードレールの外側に移動しロードサービスに連絡しましょう。
タイヤがパンクしたときにやってはいけないこと
タイヤがパンクしたときに間違った対処をしてしまうと、車にダメージを与えたり道路交通法違反にあたってしまうケースもあります。
タイヤがパンクした際に下記の行為をするのは厳禁です。
パンクしたまま走行する
タイヤがパンクしたまま走行を続けると、タイヤが裂けてホイールが地面と擦れ変形し、サスペンションなどのパーツにもダメージが及びます。そうなるとタイヤの修理・交換だけでは済まなくなりますし、最悪ホイールと地面の摩擦熱で発火し車両火災を引き起こす危険性もあります。
また、タイヤがパンクしままの走行は整備不良に該当し、道路交通法違反にあたります。修理場所までのやむを得ない移動以外の走行はしないようにしましょう。
刺さっている異物を引き抜く
釘やボルトなど刺さった異物を引き抜いてしまうと、タイヤの空気が一気に抜け走行不能になる可能性があります。修理場所までの移動もままならなくなるので、異物を引き抜くのは控えましょう。
また修理する際にパンク箇所が分からなくなるというデメリットもあるので、くれぐれも刺さった異物は抜かずにそのままにしておきましょう。
路肩で作業する
路肩に車を停めてタイヤ交換や応急処置などの作業をするのは、後続車から追突される恐れがあります。必ず車が周りを通らない安全な場所に移動し作業するようにしましょう。
特に高速道路の路肩での作業は非常に危険なので絶対にしてはいけません。迷わずロードサービスに連絡し救援を求めるようにしましょう。
パンクしたタイヤを交換した後にやるべきこと
パンクしたタイヤを自分でスペアタイヤに交換したらそれで終わりではありません。
タイヤを交換した後にもやるべきことがあるので確認していきましょう。
問題なく走れるか確認する
タイヤ交換をしたら、5㎞程度か10分ほど試しに運転し問題なく走れるか確認してみましょう。異音やガタつきはないか、ハンドルが左右にとられることはないかなどをチェックします。
また念には念を入れるために一度停車し、交換したタイヤのナットが緩んでないか点検してみることもおすすめします。
パンク応急修理キットを使ってパンクした穴を塞いだ場合は、穴から空気や応急修理した際の液剤が漏れていないかを確認しましょう。応急処置はあくまでも一時的に車を移動させるための対応なので、その後速やかにタイヤの修理・交換をするようにしましょう。
スペアタイヤは走行用のタイヤに戻す
スペアタイヤは交換のしやすさや車に積みやすいことを考え、通常のタイヤに比べ幅が狭く小さいものになっています。あくまでも一時的に車を走らせるためのタイヤなので、走行性能・制動性能ともに通常タイヤより劣ります。
そのため、スペアタイヤで長距離や高速走行することはリスクを伴うのでおすすめしません。できるだけ早く通常の走行用のタイヤに交換するようにしましょう。
タイヤのパンクを防ぐ方法
車を使う予定があるときに急にタイヤがパンクしてしまうと困りますよね。
タイヤのパンクは事前に対策をしておくことで回避できる場合もあります。そこで、タイヤのパンクをできるだけ防ぐための対策をご紹介いたします。
こまめに空気圧をチェックする
タイヤがパンクしてしまう要因のところでも触れましたが、タイヤには空気圧の適正値があります。
適正値は車種によって異なり、一般的に運転席ドアの開口部(センターピラー)にメーカー推奨の空気圧が記載されています。適正空気圧よりもタイヤの空気圧が低い場合はタイヤの変形や摩擦によるひび割れが、適正空気圧よりもタイヤの空気圧が高い場合は偏摩耗やバーストの恐れがあります。
タイヤの空気圧はこまめにチェックし(月に1回程度)、適正値を保つよう心がけましょう。
タイヤの寿命を守る
タイヤの寿命は使用開始から3~5年と言われていますが、乗り方によっては寿命を早く迎える場合もあります。
タイヤの寿命を見極める手段としてスリップサインがあります。
スリップサインとは
スリップサインはタイヤの妥当な交換時期を教えてくれるものです。
具体的にはタイヤが摩耗し、残りの溝の深さが1.6㎜になったことを表す目印です。タイヤ側面に何箇所かある三角マークの延長線上で溝が途切れ、溝に橋が架かったような外見になります。
スリップサインが現れるほど摩耗したタイヤは、グリップ力がなくなりスリップしやすく大変危険です。スリップラインが一か所でも出現したタイヤで走行することは道路運送車両法違反にあたり、車検も通りません。
普段からタイヤの溝の減りをチェックし、スリップラインが出たら迅速にタイヤ交換するように留意しましょう。
タイヤの摩擦を均等にする
車に4つ取り付けられているタイヤは、取り付け位置によって摩擦する部分が異なります。
一般的にフロントタイヤはハンドルをきる時に向きが変わるため角の溝が減りやすく、リヤタイヤは中央の溝が減りやすい傾向が見られます。
定期的にタイヤの位置を変えるローテーションを行えば、タイヤの溝の減り具合を均一にでき、タイヤを長く使用することが可能です。
タイヤのパンクに関するご相談は軽の森へ!
タイヤは車にとって大事なパーツのひとつです。
タイヤがパンクしてしまうと走行できなくなるだけでなく、間違った対処法をすることにより車にもダメージを与えかねません。
今回こちらでご紹介した正しい対処法や注意点を参考に、タイヤが突然パンクしても慌てず適切な対応をとれるようにしておきましょう。
軽の森は、届出済未使用車を専門に扱う販売店です。
タイヤ交換やタイヤの空気圧チェックなども行っていますので、お困りのことがありましたら気軽にお声かけ下さい。
皆さまのご来場・お問い合わせを心よりお待ちしております。
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