軽自動車の納税証明書は、車検を受ける時に必要な大事な書類です。
納税証明書がないと中古車を売却することや、車検を受けることができなくなる可能性があるため、納税後はきちんと保管しておかなければなりません。
この記事では、軽自動車の納税証明書の手続きの方法や、万が一紛失してしまった際の再発行方法について解説いたします。
軽自動車税の納税証明書とは?
「納税証明書」とは、軽自動車税を納めたことを証明する書類です。
軽自動車税は、『毎年4月1日時点で軽自動車を所有している者にかかる税金』です。
「納税証明書」は、毎年5月に届く納税通知書兼領収書に同封されており、証明書には納税する軽自動車税の金額や有効期限、登録番号などが記載されています。
支払い期限は、基本的には5月末日までとなります。(一部地域では6月末となっている所もあります)支払い期限までに納付できなかった場合、遅延金が発生することがあるので注意しましょう。
納付の方法は自治体の窓口やコンビニ、金融機関での支払いが可能です。また自治体によっては、クレジットカードや口座振替などでも支払うことができます。
納税証明書は中古車売却の際に必要
納税証明書は、中古車を売却する際に必要です。
中古車を売りに出し購入された場合、車検証の名義変更をしなければなりません。その時に納税証明書が必要となります。この変更を行わなければ、納税通知書が前の所有者である自分のところに届けられてしまうという事態が発生します。
中古車販売店などで中古車を売却する際には、必要書類として必ず納税証明書を提出しましょう。
納税証明書は車検の際に必要
納税証明書は車検を受ける際にも必要です。
車検は、新車で車を購入した場合には3年後、その後は2年ごとに1回車検を受ける必要があります。その車検の時に領収日付印が押印された、直近1年分の納税証明書が必要となります。
前回の車検を2年前に受けたからといって、今回の車検で2年間分を提出する必要はありません。例えば5月に軽自動車税を納付し、翌月6月に車検を受ける際には前月支払った納税証明書だけあれば良いということです。
納税証明書には有効期限が記載されているのでそれをよく確認し、車検を受けるタイミングで必要な納税証明書を提出するようにしましょう。
納付方法による納税証明書の有無
納税証明書は支払い方によって、すぐに受け取れる場合と受け取れない場合があります。
窓口払いすると納税証明書を受け取れる |
軽自動車税はコンビニや金融機関で支払うことができます。納付すると、納税証明書と記載された書類の部分に領収印が押印され、納税通知書兼領収書と切り離されて渡されます。これが「納税証明書」となります。 |
ネット払いだと納税証明書を受け取れない |
地域によってはクレジットカード払いやインターネットバンキング、スマホ決済アプリなどでも支払い可能です。このような支払い方をした場合、納税証明書に領収印が押印されず納付証明書が受け取れないことになります。 すぐに納税証明書を受け取ることはできませんが、発行してもらうことは可能です。納税証明書がどう発行されるかは自治体によって対応が違いますが、納税してから数日~2カ月ほどで住所地に納税証明書が郵送される自治体もあれば、納税証明書を取得するため窓口で申請が必要な自治体もあります。 |
かかる費用や注意点、書類以外に準備するものなどを徹底解説
納税証明書がないと車検を受けられないことも
納税証明書は、きちんと軽自動車税を納めているかを確認する書類です。そのため、納税証明書がなければ車検を受けられないことがあります。車検を受けられたとしても新しい車検証を発行してもらえないケースもあります。
納税証明書は、車に乗り続けていく上でとても大切な書類と言えます。
単なる領収書と勘違いして捨ててしまうケースや、次の車検まで期間が空くので紛失してしまうケースも多々あり、そうなった場合納税証明書の再発行手続きを行い車検を受ける必要がありました。
軽自動車税納付確認システム「軽JNKS」
画像引用:国道交通省・総務省・軽自動車検査協会・地方税共同機構
車検時に必ず必要だった納税証明書ですが、2023年1月に軽自動車税の納税の有無をオンライン上で確認することができるシステム「軽JNKS」が導入されました。
「軽JNKS」は、軽自動車税の車両ごとの納付情報を軽自動車検査協会がオンライン上で確認できるシステムです。これにより紙ベースの納税証明書の提出が不要となりました。
ただし例外的に紙ベースの納税証明書が必要となるケースもありますので、引き続き納税証明書は保管しておくことをおすすめします。
軽自動車税の納税証明書が必要なケース
納税の有無をオンライン上で確認できる「軽JNKS」の導入で、基本的に軽自動車税の納税証明書は不要となりました。
ですが例外的に紙ベースの納税証明書が必要となるケースもあります。
そういったケースはいくつかありますので、どういった場合に納税証明書が必要になるのか詳しく解説いたします。
中古車を購入した直後に車検を受ける場合
軽自動車を中古車で購入し、その直後に車検を受けるとします。この場合、軽自動車の前のオーナーが軽自動車税を支払っていることになります。
軽自動車税は各市区町村が徴収している税金で、各々の自治体を管轄している軽自動車協会も違います。そうなると、軽自動車を所有していた前オーナーの住所地と自分の住所地の市区町村が異なる場合、「軽JNKS」で照会しても納税の確認がとれないことがあります。
こういう場合は、軽自動車の前オーナーが納付した際の納税証明書が必要になります。
ですから中古車を購入した際には、必ず前オーナーの持っている納税証明書も一緒に受け取るようにしましょう。
納付から車検までの期間が短い場合
軽自動車税を納付してから、その納付情報が軽JNKSに登録され軽自動車協会がオンライン上で納付の確認ができるまで、大体1~3週間程度かかります。
要するに、納付した直後はまだ登録ができていない状態で、納付されているのかどうか軽自動協会は確認することができないということです。
納付から期間があまり経っていないタイミングで車検を受ける場合、軽自動車協会は軽JNKSで納付の確認ができないため、紙ベースの納税証明書の提示が必要となります。
車検まで期間が短い場合に軽自動車税を支払う際は、納税証明書を受け取ることができる金融機関やコンビニでの窓口払いをおすすめします。
過去に軽自動車税の未納がある場合
軽自動車税は1年に1度納めなければならない税金で、納税通知書は毎年郵送されてきます。
過去に軽自動車税の未納があった場合、送られてきた納税通知書の納税証明書欄にある、車両番号や有効期限、領収日付欄が「****」というマークで消されています。
未納分をこの納税通知書で納付したとしても、「****」がついた納税証明書は車検時に有効な納税証明書とはなりません。
それゆえ、未納分を納付した後で納税証明書の再交付を受けなければなりません。
故意に納付をしなかったわけではなく、引越して住所が変わり納税通知書が届かず支払いを忘れてしまった…というケースも良くあります。
納税通知書は4月上旬の登録住所を基に作成するので、引越しをして住所が変わった場合は速やかに変更の手続きをするようにしましょう。
ローンを完済した際に車の名義を変える場合
軽自動車をローンを組んで購入した場合、所有者は信販会社やディーラーとなり、購入者は使用者となる場合が多くなります。
軽自動車税は、毎年4月1日時点での軽自動車の所有者に納税の義務がありますが、ローンを組んでいるケースでは例外的に、車の使用者が納税義務者となります。ローンを完済すれば、所有者を購入者に名義変更することが可能になります。
ローンを完済し所有者を購入者に変更するには、現在の所有者である信販会社などに所有権を変える申請をしなければなりません。それから、管轄の軽自動車検査協会にて名義変更を行う必要があります。
軽自動車検査協会での名義変更手続きで納税証明書は必要とはされませんが、信販会社などでは納税証明書の原本もしくはコピーの提出が求められることがあります。
このとき軽自動車税を未納、もしくは滞納していると、所有権を変更できないケースもあるので気を付けましょう。
納税直後に他の市区町村へ引越した場合
納税通知書は、毎年4月1日時点で車検証に記載されている軽自動車の所有者の住所地に郵送されることになっています。
納税通知書が届き納付し、その直後に他の市区町村に引越しする場合もあるでしょう。市区町村が異なると管轄する軽自動車協会も異なるため、転居後すぐに車検を受けるとなると軽JNKSで納税の確認がとれません。
ですから、転居前に納税したということが証明できる納税証明書が必要となります。
納税証明書を紛失してしまったら?再発行手続きの方法
納税証明書を紛失してしまった場合、どうしたらよいのでしょうか?
納税証明書は簡単に再発行することができるので問題ありません。ここでは納税証明書の再発行の手続き方法についてご紹介いたします。
再発行手続きはどこでできる?
納税証明書の再発行は、住んでいる市区町村の役所の税務課、または役所の支所や連絡所、出張所などでも手続きできます。
お住まいの地域の役所での再発行手続きは基本的に無料です。
自動車税のように都道府県や運輸支局の税事務所ではないので注意しましょう。
再発行手続きに必要なもの
再発行手続きに必要なものは以下の通りです。
車検証は車両番号などを聞かれる場合があるので持参すると安心です。
本人確認書類は、市町村によっては学生証や従業員証などでも2点以上の確認で良しとしているところもあります。
住んでいる地域によっては、上記3点の書類がいらない場合もあります。詳しくは事前にホームページなどで確認できますが、確実に再発行手続きを行うために上記3点すべて揃えておくのがベストでしょう。
代理人でも再発行手続きは可能!
役所は基本的に平日の限られた時間しか手続きができないので、仕事が忙しくて行くことができないという方もいらっしゃると思います。
納税証明書の再発行手続きは、車の所有者本人ではなく代理人でも可能です。
代理人は家族や親せき以外にも、車検の依頼先である中古車販売店やディーラー、整備工場などのスタッフでもOKです。
代理人が再発行手続きを行う場合の必要書類は以下の通りです。
委任状はネットからダウンロードし、事前に委任者が自筆して準備しておきましょう。
ただし、委任状や車検証を不要としている自治体もあるので、前もって確認しておきましょう。
郵送してもらうことも可能!
申請者本人および代理人も役所に出向いて再発行手続きすることができないという場合、納税証明書を郵送してもらうことが可能です。
郵送で依頼する場合に必要な書類は以下の通りです。
再発行の申請書は、ネットからダウンロードできるので印刷し必要事項を記入します。
返信用封筒には、住所・氏名を記載し切手を貼付けます。速達を希望するなら、速達料金分の切手を貼りましょう。
必要書類の準備ができたら全て封筒に入れ、役所の税務課宛てに郵送します。
郵送での申請だと、再交付までにかなり時間がかかる場合もあります。郵送する前に電話でどのくらい日数がかかるのか問い合わせておくといいかもしれません。また、ゆとりをもって早めに手続きするようにしましょう。
よくある質問
ではここで、納税証明書に関するよくある質問をまとめてみました。
前の持ち主が納税済みの場合は?
中古の軽自動車を購入し、前の所有者が軽自動車税を納税済みだった場合、通常納税証明書は販売業者から手渡されます。
もし購入時に渡してもらえなければ、必ず渡してもらうよう言いましょう。まれに販売業者が納税せずに放置し、未納となっている場合があります。こういった場合は後々の車検時にトラブルとなります。
車検が残っている中古車は軽自動車税を滞納していても譲渡することが可能なため、悪質な業者だと滞納しているケースもあります。中古車を購入する際は、販売業者に納税証明書があるか必ず確認するようにしましょう。
販売業者が納税したものの納税証明書を紛失し持っていない場合は、自分の住んでいる地域の役所で発行してもらえます。
前の持ち主が未納している場合は?
これは中古車を個人間で売買した際に起きやすいトラブルです。
軽自動車税は毎年4月1日0時時点で、軽自動車を所有している人に対して向こう1年分の納税が課せられます。納税通知書は5月頃届き、5月末までに支払うこととなっています。
例えば、4月5日に軽自動車を個人売買した場合、5月中には前の所有者に軽自動車税の納税通知書が届きます。4月1日時点での所有者に支払い義務があるため、当然この場合は前の所有者が支払いをする必要があります。
ですが自動車税のことに詳しくなく、「車を売却したのに何故自分が支払いをしなければならないのか?次の所有者が支払うものでしょ。」と信じ込んでいる人もいるかもしれません。
中古車販売店などの仲介業者を通して売買していればこのようなトラブルが発生することはありませんが、個人間の売買で自動車税のことに無知だとこういったことが起こりえます。
請求自体は前の所有者に確実にされるので、前の所有者が支払いを拒み続ければずっと未納の状態が続き車検を受けることができなくなります。
中古車を個人間で売買する際は、軽自動車税の納付に関し前の所有者ときちんと話し合っておく必要があります。
またこのようなトラブルを避けるため、すべての手続きを代行してくれる中古車販売店やディーラーから中古車を購入することをおすすめします。
納税証明書の保管方法は?
納税証明書は小さな紙です。納付した後にきちんと保管しておかないと、次の車検時に見当たらない…なんてことが起こってしまいます。
おすすめの保管方法は、車検証と一緒に車のダッシュボードや座席裏のポケットに入れておくことです。
購入の際に車検証はファイルなどに入った状態で手渡され、そのまま保管している方が多いので、納付後その中に一緒に入れておけば安心です。
また、もし盗難などにあった場合に備え、車検証と一緒にコピーを作成しておくといいでしょう。万一のときも納税証明書のコピーがあれば、再発行の手続きがスムーズにできます。
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納税証明書は、軽自動車の車検の時に必要な大切な書類です。
現在は納税確認の電子化によって、車検時でも納税証明書の提示を省略できるようになりましたが、必要となるケースもあるため大事に保管しておきましょう。
もし紛失してしまったとしても、お住まいの地域の役所で再発行の手続きをすることができます。
車検をスムーズに進めるためにも、納税証明書の管理はしっかりしておきましょう。
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