軽自動車を廃車にするとき、どのような手続きを行えば良いか分からないという方も多いのではないでしょうか。愛車を廃車に出す経験はそう何度もあることではなく、分からなくても当然のことです。
車は、乗らなくなっても所有し続けていると、自動車税がかかってしまったり駐車場代がかかってしまったりします。廃車を決めたなら、早めに手続きを行うことが損をしないために重要です。
この記事では、軽自動車の廃車に関する情報をまとめて紹介します。廃車を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
軽自動車の廃車手続きは3つある

軽自動車の廃車手続きには、主に3つの方法があります。それぞれの手続きは、車の状態や今後の使用予定に応じて異なります。「一時的に使わない場合」「使用をやめたあとで解体する場合」「完全に使わない場合」など、状況に応じて最適な方法を選ぶことが大切です。
・②一時使用中止後に解体:解体届出
・③今後も使用しない:解体返納
①一時的に使用しない:自動車検査証返納届
しばらく車を使わないけれど、再使用の予定がある場合は、「自動車検査証延納届」を提出します。
この手続きによって、軽自動車税の課税が一時的に止まり、再登録すれば再び使用可能になります。
車両を保管したままにするケースに適しており、引っ越しや長期出張などの事情に応じて柔軟に対応できます。
②一時使用中止後に解体:解体届出
一時的に使用を停止した後、車を解体する場合には「解体届出」が必要になります。
これは、すでに自動車検査証返納届を済ませており、さらに解体処分を行ったという二段階の流れです。
この手続きを行うことで、完全に車の登録が抹消され、税金や保険の対象から外れます。解体を行った業者から証明書を取得することが求められます。
③今後も使用しない:解体返納
今後一切その車を使用しないと決めた場合は、「解体返納」を行います。これは車を解体し、その証明書を基に一度に廃車と登録抹消を同時に行う方法です。
自動車検査証返納届を経由せず直接行えるのが特徴で、使用予定のない車に最も適した手続きです。手間が少なく、税金の無駄遣いを防げます。
軽自動車の廃車手続きの依頼先

軽自動車の廃車手続きは自分で行うことも可能ですが、多くの人は専門業者に依頼します。
依頼先によって費用や手続きの内容が異なるため、目的や状況に応じて選ぶことが重要です。
・廃車買取店
・解体業者
・自分で行うことは可能?
ディーラー
車を購入したディーラーに廃車を依頼する方法は、信頼性が高く安心感があります。新車への買い替えを検討している場合は、下取や廃車手続きをまとめて対応してくれることも多く、手間が省けることがメリットです。
しかし、ディーラーは車を販売することが主な業務であるため、買い取った車の再販にはあまり力を入れていません。
手数料がかかることがあり、買取金額が他の業者より低くなってしまうことがデメリットです。
廃車買取業者
廃車買取店では、動かなくなった車や年式の古い車でも買取してもらえることがあります。手続き代行を無料で行ってくれるところも多く、費用を抑えたい方におすすめです。
また、部品や金属としての価値を評価してくれる場合もあり、想定外の価格がつくこともあります。
少しでも高く買取ってもらいたい場合には、複数社で見積もりを取ると良いでしょう。
解体業者
車の解体を専門に行っている業者に直接依頼することで、中間コストを抑えられる可能性があります。法令に基づいた処理を行っており、解体証明書の発行もスムーズです。
ただし、手続き書類の準備や運搬手段を自分で用意する必要がある場合もあり、やや上級者向けの選択肢です。
自分で行うことは可能?
軽自動車の廃車手続きは、自分でも行うことが可能です。必要な書類を準備して、管轄の軽自動車検査協会に届け出を行えば、比較的簡単に手続きができます。
とくに費用を抑えたい方や、時間に余裕がある人には向いているでしょう。しかし、書類の不備やミスがあると再提出が必要になるため、事前に十分な準備が必要です。
軽自動車の廃車手続きをするかどうかの判断ポイント

廃車を検討すべきかどうかは、車の状態や使用年数、走行距離などから判断するのが一般的です。
車両の老朽化が進んでいる場合、維持費や修理費が増大し、経済的な負担が大きくなることも考えられます。以下のポイントに当てはまるかを確認し、継続使用か廃車かを見極めましょう。
・20万km以上走破した
・新規登録から13年以上経過した
20年以上走行している
製造から20年以上経過している軽自動車は、経年劣化により部品の摩耗や故障リスクが高まります。車検や修理の頻度が増え、トータルコストが新車購入より割高になる可能性もあるでしょう。
とくに日常的な使用に不安がある場合は、廃車を含む見直しが必要です。走行距離やメンテナンス履歴も併せて判断材用にしましょう。
20万km以上走破した
走行距離が20万kmを超えると、エンジンや駆動系に深刻な不具合が出る可能性があります。消耗部品の交換費用もかさみ、車検を通すたびに高額な修理代がかかることも少なくありません。
燃費や安全性能の低下も見逃せない要因であり、廃車を検討するひとつの目安となります。
新規登録から13年以上経過した
軽自動車は新規登録から13年を超えると、自動車税や車両重量税の税率が上がる仕組みになっています。
税負担が増すことで維持費が年々高くなるため、費用対効果を見直すタイミングです。この節目をきっかけに、買い替えや廃車を検討する人も多くなっています。
車検時期と合わせて判断しましょう。
軽自動車の廃車手続きに必要なものと流れ

軽自動車を廃車にする際には、選択する手続き方法によって必要な書類や届出の流れが異なります。それぞれの方法に応じて準備すべき書類と手順を確認し、スムーズに手続きを進めることが重要です。以下に代表的な3パターンについて解説します。
・②解体返納届の場合
・③解体返納の場合
①自動車検査証返納届の場合
必要なもの
・自動車検査証
・ナンバープレート(前後2枚)
・申請依頼書(所有者の委任がある場合)
・使用車の本人確認書類
・軽自動車税申告書
車両を解体せず、使用を一時停止したい場合の手続きです。後から再使用することも可能なため、必要書類は比較的シンプルです。
手続きの流れ
1.書類とナンバープレートを用意する
2.管轄の軽自動車検査協会に持ち込む
3.書類を提出し、受付で処理を受ける
4.自動車検査証返納証明書を受け取る
5.軽自動車税の申告・停止手続きを行う
当日中に完了することが多く、比較的簡単な手続きです。
②解体返納届の場合
必要なもの
・自動車検査証
・自動車検査証返納証明書
・解体業者からの移動報告番号、解体報告日
・申請依頼書
・軽自動車税申告書
既に自動車検査証返納届を提出しており、その後車両を解体したケースに該当します。
手続きの流れ
1.解体業者で車を処分し、報告番号と解体日を取得
2.軽自動車検査協会へ解体返納届を提出
3.受付後、登録が完全に抹消される
4.税務署または自治体に廃車申告を行う
この手続きにより、車両が完全に登録から削除され、税負担も停止します。
③解体返納の場合
必要なもの
・自動車検査証
・ナンバープレート(前後2枚)
・解体業者からの移動報告番号、解体報告日
・申請依頼書
・軽自動車税申告書
車両を解体してからすずに廃車登録する方法で、検査証返納届を省略できる一括処理です。
手続きの流れ
1.解体業者で車を処分し、必要情報を取得
2.書類とナンバーを準備
3.軽自動車検査協会に直接「解体返納」を申請
4.登録の永久抹消が完了
5.自治体へ軽自動車税の廃車申請を行う
この方法は、車を再使用する予定がない場合にもっとも合理的で手続きも一度で済みます。
軽自動車の廃車手続きにかかる費用と内訳
軽自動車を廃車にする際は、単に車を解体するだけでなく、届出や書類の提出などが必要になります。これらの手続きには、いくつか注意点があり、スムーズに進めるためには事前の準備が不可欠です。
とくに以下の3点は見落とされがちなため、しっかりと確認しておきましょう。
・運搬費用
・リサイクル費用
解体費用
解体費用とは、車両をスクラップ処理する際にかかる費用で、相場は5,000~15,000円程度です、しかし、解体業者や廃車買取業者のなかには解体費用を取らずに無料で引き受けてくれるところもあります。
年式が古く鉄の価値が高い車両であれば、解体時に得られる金属資源が解体費用を相殺する可能性もあります。
運搬費用
自走不能な車やナンバープレート返却後の車を移動するには、レッカー車などの運搬手配が必要です。
この場合の費用は5,000~20,000円程度が目安で、距離や業者によって大きく変動します。なかには無料で引き取りに来てくれる業者もあるため、事前の確認が重要です。
費用を抑えたい場合は自走可能なうちに手続きを進めることをお勧めします。
リサイクル費用
リサイクル費用は、自動車リサイクル法に基づいて定められた費用で、新車購入時に支払済みです。廃車時には「リサイクル券」の提示が求められ、登録抹消の際に必要となります。
支払い済みであれば追加費用は不要ですが、未払いの場合は5,000円~12,000円程度かかります。
軽自動車の廃車手続きをする際の注意点
軽自動車を廃車にする際は、単に解体するだけではなく、届出や書類の提出などが必要になります。
これらの手続きにはいくつか注意点があり、スムーズに進めるためには事前ぬ準備が不可欠です。とくに以下の3点に気を付けましょう。
・車の名義が自分以外の場合は自由にできない
・レッカー車の手配が必要になる可能性も
平日しか受け付けていない
廃車に関する届出は、軽自動車検査協会で行いますが、受付は平日のみで土日祝日は対応していません。
平日に時間を確保できない場合は、代行業者に依頼するか、有給休暇などで調整する必要があります。また、年度末は混雑しやすいため、早めの手続きが推奨されます。
車の名義が自分以外の場合は自由にできない
軽自動車の登録名義が自分以外(家族や知人)になっている場合、そのままでは廃車手続きができません。車検証の名義が自分以外の場合は、名義変更や委任状の用意が必要になります。
とくに売買や相続などで取得した車は、名義人との関係性を確認して、適切な書類を揃える必要があります。
レッカー車の手配が必要になる可能性も
車が動かない状態だったり、ナンバープレートを返納済みの場合には自分で車を走らせて運ぶことができません。その際はレッカー車や積載車の手配が必要です。
廃車業者に依頼すれば引取りまで含めて対応してくれる場合もありますが、個人で手配するなら追加手数料が発生します。事前に車の状態を確認しておきましょう。
軽自動車を廃車にすると還付金を受け取れる?
軽自動車を廃車にした場合、一部の費用について還付を受け取れる可能性があります。主に対象となるのは、自賠責保険料と重量税です。
自賠責保険は有効期限が残っていれば、契約先の保険会社に申請することで未経過分が返金されます。
また、車検時に支払っている重量税も、解体返納を行った場合に還付対象となります。ただし、軽自動車税は原則として還付されないため注意が必要です。還付には手続きが必要なため、忘れずに確認しましょう。
軽自動車の廃車手続きに関するご相談は軽の森へ!
軽自動車の廃車を決めたのであれば、なるべく早めに行動に移すことがおすすめです。車は所有しているだけでも税金がかかってしまうため、何の手続きもしないでいると損をしてしまいます。
もし、車の廃車に関するお悩みをお持ちの方は、ぜひ軽の森にお問い合わせください。経験豊富なスタッフが、丁寧に対応させていただきます。
皆さまからのお問い合わせ・ご予約を心よりお待ちしております。