ekワゴンは三菱が販売する軽ハイトワゴンで、通勤や買い物に便利で、子育て世代など幅広い層に支持されている軽自動車です。特に「燃費が良い」という評判がありますが、実際にはどれほどの性能を持っているのでしょうか?
本記事では、ekワゴンの燃費性能をはじめ、他車種との比較やグレード別の特徴、さらには燃費を向上させる運転方法まで、分かりやすく解説します。ekワゴンの購入や維持に関する疑問もまとめて解決します。
ekワゴンってどんな車?

ekワゴンは、三菱自動車が製造・販売している軽自動車で、特に日常の移動や買い物などを想定した設計がなされています。
扱いやすいサイズと十分な室内空間を持ち、快適性と実用性を兼ね備えたモデルです。2019年に現行型へとフルモデルチェンジし、エンジンや安全性能、燃費性能などが大幅に向上しました。
ekワゴンの特徴
ekワゴンの最大の魅力は、三菱独自の技術が詰め込まれた高い利便性と快適性にあります。
まず注目すべきはコンパクトながらも広々とした室内空間。天井が高く、前席・後席ともにゆとりある座席配置がなされているため、家族での使用にも適しています。
さらに、操作性に優れた設計も見逃せません。小回りが利く最小回転半径(約4.5m)により、狭い駐車場や住宅街の細道でも安心して運転できます。また、先進安全装備として「衝突被害軽減ブレーキ」や「車線逸脱警報システム」などが標準搭載されており、初心者や高齢者にもおすすめです。
最新型では「マイルドハイブリッド機構」が導入されており、走行中の電力補助によりエンジンの負担を軽減。これにより、燃費性能が向上している点も大きなポイントです。
ekワゴン基本スペック
現行のekワゴンは、660cc直列3気筒エンジンを搭載し、2WDと4WDの設定が選べます。
全車CVTを採用し、スムーズな加速が特徴です。
ekワゴン M
「M」グレードはekワゴンのエントリーモデルとして位置づけられています。快適性とコストパフォーマンスのバランスが良く、価格を抑えつつも最低限の装備をしっかり備えている点が魅力です。
エンジンは660ccの自然吸気タイプで、2WDと4WDの選択が可能。燃費性能はWLTCモードで21.0km/L~23.2km/Lと、優れた数値を実現しています。
安全面では、衝突被害軽減ブレーキなどが標準装備され、シンプルながらも安心して乗れる設計です。必要最低限で十分という方や、セカンドカーを検討している方におすすめのグレードです。
ekワゴン G
「G」グレードは、Mグレードの装備をベースに、より快適性と利便性を高めたモデルです。
燃費性能はWLTCモードで21.0km/L~23.2km/Lと「M」グレードと同等で、660ccの自然吸気タイプエンジンで、2WDと4WDの選択が可能なところも同じです。
快適性に関しては、タッチパネル式のオートエアコンやフロントガラスにIRカットガラス採用など、日常使いで重宝する装備が揃っています。オプションにはなりますが、高速道路同一車線運転支援機能「マイパイロット」や電動パーキングブレーキ&ブレーキオートホールドを選択できるなど快適なドライブをサポート。予算に余裕があり、長く使いたいと考えている方に適した選択肢です。
ekワゴンの維持費
ekワゴンの維持費は、軽自動車ならではの低コストが魅力です。
まず、自動車税は年間10,800円と普通車より大幅に安価です。さらに燃費も良いため、ガソリン代も抑えやすく、日常のランニングコストを低減できます。
保険料に関しても軽自動車は一般的に安く、任意保険も年間で3万円〜5万円程度が目安。車検費用もコンパクトカーより安価に済むケースが多く、総じて維持しやすい車といえるでしょう。家計への負担を抑えつつ、長く安心して乗れる1台です。
ekワゴンの燃費の特徴や燃費性能

eKワゴンは燃費性能に優れた軽自動車として評価されています。三菱が開発した最新エンジンとCVT(無段変速機)の組み合わせ、そして減速時から自動でエンジンが停止するイドリングストップ機能により、日常走行において高い燃費効率を実現しています。
本章では、ekワゴンのグレード別燃費性能や、実燃費とカタログ燃費の違いについて詳しく解説します。
新開発エンジンとCVTの組み合わせによる効率向上
eKワゴンには、三菱が独自開発した新型の660ccエンジンが搭載されており、燃焼効率が大幅に向上しています。このエンジンと組み合わされているのがCVT(ContinuouslyVariable Transmission)で、変速ショックが少なく滑らかに加速できるのが特長です。エンジン回転数を抑えることで、低燃費走行を実現します。
アイドリングストップシステム「オートストップ&ゴー」搭載
信号待ちなどでエンジンを自動的に停止させるアイドリングストップ機能「オートストップ&ゴー」がeKワゴンには標準装備されています。再始動も非常にスムーズで、ドライバーの操作にストレスを与えることはありません。
これにより、都市部などストップアンドゴーの多い環境でも、無駄な燃料消費を抑制できます。
「コーストストップ機能」によるさらなる省燃費
「コーストストップ機能」とは、車が減速時にアクセルを離した瞬間からエンジンを停止させる仕組みです。通常のアイドリングストップに比べ、より早くエンジンを止めることで、さらに燃料を節約できます。市街地走行や渋滞時に効果を発揮し、日常利用の中で自然に燃費向上が期待できます。
ekワゴンのカタログ燃費をグレード別紹介
カタログ燃費(WLTCモード)における各グレードの数値は以下の通りです。日常利用の指標として参考にしてください。
ekワゴン M
ekワゴンMのカタログ燃費は、2WDモデルで23.2km/L、4WDで21.0km/Lとされています。シンプル構造で無駄が少なく、優れた燃費性を誇ります。
ekワゴン G
Gグレードのカタログ燃費は、2WDモデルで23.2km/L、4WDで21.0km/LとMグレードと同じ数値です。
ekワゴンの実燃費をグレード別紹介
実際の街乗りや通勤時の実燃費は、カタログ数値とはやや異なります。以下にグレード別の実測値を紹介します。
ekワゴン M
ユーザーによる実燃費はおおよそ17.0~18.5km/L。特にエアコン使用や渋滞時は燃費がやや落ちますが、日常使いには十分です。
ekワゴン G
Mグレードと同等のカタログ燃費なので、Mグレードと同じく実燃費はおおよそ17.0~18.5㎞/Lです。都市部でも効率的な走行が可能です。
ekワゴンの燃費性能と他車種との比較
eKワゴンの燃費性能は高水準ですが、競合する軽自動車と比べてどうなのかも気になるところです。以下に各車種との比較を紹介します。
【スズキ】ワゴンRの燃費性能

グレード | 駆動方式 | トランスミッション |
燃費性能 |
FX | 2WD | 5MT |
24.8㎞/L |
CVT | 24.4㎞/L | ||
4WD | 5MT | 23.0㎞/L | |
CVT | 23.2㎞/L | ||
HYBRID FX-S | 2WD | CVT | 25.2㎞/L |
4WD | CVT | 24.2㎞/L |
ワゴンRは軽自動車の中でもトップクラスの燃費性能を誇ります。特にマイルドハイブリッドモデルの「ワゴンR HYBRID FX-S」は、WLTCモードで24.2km/L〜25.2km/Lという非常に高い数値を実現しています。
また、エネチャージやアイドリングストップの性能も優れており、渋滞路や信号待ちの多い都市部でも効率的に燃料を使えます。実燃費においても20km/L前後を維持するケースが多く、燃費重視のユーザーに人気です。
ただし、価格帯や装備のバランスを考慮すると、ekワゴンの方が「コスパ」に優れているという評価もあり、燃費以外の要素も購入検討時の判断材料となります。
【ダイハツ】ムーヴの燃費性能

画像引用:ダイハツ ムーヴ
グレード | 駆動方式 | トランスミッション |
燃費性能 |
RS |
2WD | CVT |
21.5㎞/L |
4WD | 19.9㎞/L | ||
G |
2WD | 22.6㎞/L | |
4WD | 20.6㎞/L | ||
X |
2WD | 22.6㎞/L | |
4WD | 20.6㎞/L | ||
L |
2WD | 22.6㎞/L | |
4WD | 20.6㎞/L |
2025年6月にフルモデルチェンジし、新型となった7代目ダイハツ ムーヴも燃費性能に優れた軽自動車です。
新型になりスライドドアを搭載したにもかかわらず、DNGAに基づく新プラットフォームを採用したことにより軽量ボディと高剛性を実現。吸排気系の最適化や伝達ロスの低減により、従来比で約10%燃費改善を実現しました。
ekワゴンと比較すると燃費面ではやや下回りますが、スライドドアの利便性や、乗り心地の面では新型ムーヴの評価が高い傾向にあります。総合的な性能で選ぶか、燃費だけで選ぶかが分かれ目となるでしょう。
【日産】デイズの燃費性能

グレード | 駆動方式 | トランスミッション |
燃費性能 |
S |
2WD | CVT |
23.2㎞/L |
4WD | 21.0㎞/L | ||
X |
2WD | 23.2㎞/L | |
4WD | 21.0㎞/L | ||
ハイウェイスターX |
2WD | 23.3㎞/L | |
4WD | 21.1㎞/L | ||
ハイウェイスターGターボ |
2WD | 21.5㎞/L | |
4WD | 19.4㎞/L |
日産デイズは、三菱と共同開発された車種で、ekワゴンとプラットフォームを共有しています。そのため、燃費性能にも多くの共通点があります。特に「S」「X」グレードでは、WLTCモードで21.0〜23.2km/Lの数値を記録しており、eKワゴンと同水準です。
エンジンは直列3気筒の自然吸気で、加えてモーターアシスト付きの「S-HYBRID」が搭載され、発進時の燃料消費を抑える設計が特徴です。実燃費は18.0〜20.0km/Lと、都市部や郊外どちらでも安定した数値を示しています。
内装の質感や先進安全装備では日産独自のプロパイロットが人気ですが、価格はやや高め。コストと燃費のバランスでは、ekワゴンが優位となるケースもあります。
【ホンダ】N-WGNの燃費性能

グレード | 駆動方式 | 燃費性能 (WLTCモード) |
|
N-WGN | G | FF | 23.2㎞/L |
4WD | 21.2㎞/L | ||
L | FF | 23.2㎞/L | |
4WD | 21.2㎞/L | ||
N-WGN |
L | FF | 23.2㎞/L |
4WD | 21.2㎞/L | ||
Lターボ | FF | 21.2㎞/L | |
4WD | 20.0㎞/L |
ホンダN-WGNは、「Nシリーズ」の中でも実用性と快適性を重視したモデルで、燃費性能にも定評があります。NA(自然吸気)エンジン搭載モデルでは、WLTCモードで23.2km/L、ターボモデルで21.2km/Lとなっており、ekワゴンと同等の水準です。
ホンダ独自のCVTと「G-Design Shift制御」により、燃料消費を抑えつつスムーズな加速を実現。実燃費でも18〜20km/L台を記録するユーザーが多く、走行性能と燃費の両立を求める人に支持されています。
ekワゴンに比べて車体価格がやや高めで、装備も上位グレードに集中する傾向がありますが、安全性能・乗り心地・ブランド力を求めるユーザーにとっては有力な選択肢です。
燃費や内装などの魅力を徹底解説
ekワゴン燃費向上のための運転のコツ8選

燃費を上げたいなら、運転の工夫が不可欠。
ekワゴンの燃費性能を最大限に活かすには、日々の運転習慣が重要です。同じ車でも、走り方次第で燃費には大きな差が出ます。
ここでは、燃費を向上させるための実践的な運転のコツを8つご紹介します。これらを意識するだけで、月々のガソリン代に大きな差が出てくるでしょう。
アクセルをゆっくりと踏み込み過ぎない
燃費を良くするには、急加速を避けることが基本です。アクセルを強く踏み込むと、エンジンが高回転となり燃料消費が増加します。ekワゴンのようなCVT車では、一定のアクセル操作で加速する方が燃費が安定します。
発進時は、アクセルを軽く踏み込み、スムーズに加速することを心がけましょう。また、加速と減速を繰り返すような運転では燃費が悪化します。車間距離を保ち、交通の流れに合わせた運転を意識することで、エンジンにかかる負担を減らすことができます。
適度な速度で走行
車は速度が高すぎても低すぎても燃費が悪くなります。ekワゴンの場合、時速40〜60kmが最も燃費効率の良い速度帯です。この範囲で一定速度を保って走行することで、燃費を最大限に高めることが可能です。
高速道路で飛ばし過ぎに気を付ける
高速道路でも、アクセルを一定に保ち巡航速度を維持することが大切です。クルーズコントロール機能があれば積極的に活用しましょう。渋滞時には極力アイドリング時間を減らす工夫も必要です。
ガソリンを給油する量を考慮
満タン給油は便利ですが、燃費面ではやや不利になる場合があります。ガソリンは1リットルで約0.75kgの重さがあるため、満タンにすることで車両の重量が増加し、走行時の負担が増えます。
ekワゴンは軽量設計が魅力の車種なので、給油は半分〜7割程度を目安にすることで、無駄な重量増を抑えられます。また、頻繁な給油を通じて燃費変化を観察する習慣が身につくと、燃費改善に役立つ情報も得られます。
カーナビ案内での抜け道走行には注意
カーナビは便利な機能ですが、燃費を重視する場合には注意が必要です。案内された抜け道が信号の多い住宅地や、ストップ&ゴーが繰り返される狭い道であることも多く、これが燃費悪化の原因となります。
eKワゴンのような軽自動車は小回りが利く反面、頻繁な停止・発進はエンジン負荷が増し、燃料消費も増える傾向があります。目的地に向かう際は、なるべく広くて交通の流れがスムーズなルートを選び、エンジン効率の良い走行環境を確保することが大切です。
タイヤの空気圧をチェック
タイヤの空気圧は、燃費に大きな影響を及ぼす要素のひとつです。空気圧が低下するとタイヤの転がり抵抗が増し、同じ距離を走るにもより多くの燃料を必要とします。eKワゴンの推奨空気圧は運転席側ドア付近に表示されており、定期的な確認が必要です。
特に気温の低下時期は空気圧が自然に下がりやすいため、月1回程度はガソリンスタンドやカー用品店でのチェックをおすすめします。適正な空気圧を保つことで、燃費だけでなくタイヤの寿命や走行安定性の向上にもつながります。
渋滞の道を避ける
渋滞中はアイドリング時間が増加し、燃費にとっては最悪の状態です。eKワゴンにはアイドリングストップ機能がありますが、それでも頻繁な停止・発進が重なると、ガソリンの消費量は確実に増えてしまいます。
通勤や買い物の時間帯は、できるだけ混雑を避けた時間を選ぶようにしましょう。また、ナビアプリやGoogleマップなどを活用してリアルタイムの渋滞情報を確認することで、燃費ロスを減らす工夫ができます。
「急」が付く運転に気を付ける
燃費を意識した運転では、「急加速」「急ブレーキ」「急ハンドル」の「3つの急」を避けることが基本です。これらはすべてエンジンとブレーキに過剰な負担をかけ、無駄な燃料消費と部品の劣化を招きます。
特にCVT車であるeKワゴンでは、なめらかな操作をすることで効率が上がります。早めのアクセル操作や予測運転を意識することで、燃費を安定させるだけでなく、安全運転にもつながります。日々の習慣が、結果的に経済的な走行につながるのです。
ekワゴン燃費向上のための定期的なメンテナンス3選

運転方法だけでなく、車両のコンディションも燃費に直結します。ここでは、ekワゴンの燃費性能を保つために必要な3つの定期メンテナンスをご紹介します。
エンジンオイルとフィルターの交換
エンジンオイルの劣化はエンジン内部の摩擦抵抗を増加させ、燃費悪化の一因となります。通常、走行距離3,000〜5,000kmごとの交換が推奨されており、同時にオイルフィルターも交換することで、エンジン内の汚れをしっかり除去できます。
ekワゴンのエンジンはコンパクトで高効率な分、オイル状態の影響を受けやすいので、定期的な交換が不可欠です。ガソリン代以上の価値がある保守行為といえるでしょう。
点火プラグの交換
点火プラグは、エンジン内で燃料を燃やす火花を発生させる重要な部品です。劣化すると着火性能が落ち、燃料が完全燃焼せずに無駄が生じます。一般的に20,000〜30,000kmを目安に交換が必要です。
ekワゴンではイリジウムプラグなどの長寿命タイプも採用されており、定期点検時に診断してもらうことで適切なタイミングでの交換が可能になります。
エアフィルターの清掃と交換
エアフィルターはエンジンに取り込む空気のゴミやホコリを除去する役割を担っています。詰まりや汚れがあると空気の流れが悪くなり、燃焼効率が低下して燃費にも悪影響を及ぼします。
半年〜1年に1回の点検・清掃を行い、必要に応じて交換することで、エンジン本来の性能が発揮され、燃費を維持することができます。DIYでも比較的簡単に対応できる項目です。
ekワゴンの燃費に関するご相談は軽の森へ
eKワゴンの燃費は、エンジン・CVT・ハイブリッド機構といった車両性能だけでなく、運転方法や日々のメンテナンスによっても大きく左右されます。本記事では、ekワゴンの基本情報から燃費性能、他車種との比較、燃費を良くするコツまで幅広くご紹介しました。
しかし、実際の購入判断や運転環境に合った燃費のアドバイスを得るには、専門家による個別の相談が不可欠です。「軽の森」では、三菱車に詳しいプロのスタッフが、eKワゴンの特性やお客様のライフスタイルに応じた最適な提案を行っています。購入前の疑問や不安、試乗や見積もりのご希望などがあれば、ぜひお気軽にご相談ください。
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