◆「陸送費」「納車費用」の違いを解説
◆陸送費を安く利用するポイントがある
◆陸送費は車によって割高になることもある
遠方の自動車販売店でお気に入りの1台を見つけた場合、購入に悩む人も多いのではないでしょうか。
「どうやって納車する?」「費用はどれくらいかかる?」と考える人もいるでしょう。
遠方にある中古軽自動車を購入する場合には、「陸送費」という購入車を指定の場所まで運ぶ費用がかかります。
この陸送費はどのように決まるのでしょうか。
この記事では、相場金額や輸送にかかる日数、納車費用との違いなどをくわしく解説します。
車の陸送費とは?
ご存知の方も多いと思いますが、車は購入したその日に乗って帰ることは基本的にはできません。
車を納車できる状態に準備するほか、書類上の手続きも契約日当日に完成させることは難しいでしょう。
一般的には契約後、必要書類をお店側へ提出し、納車できる状態へと車の点検・整備を行います。
そのため、自動車を契約後、車にもよりますが数週間~数か月経ってから納車されることが多いです。
指定した場所で納車する場合は、これからご紹介します【陸送費】を払って納車する段取りになります。
陸送費とは、購入車を指定の場所まで運ぶ費用のこと
陸送費とは、積載車やキャリーカーと呼ばれる車両で、購入した車を指定場所まで運ぶときに発生する費用です。
文字通り「陸」を使って運送するので、「陸送」という名称になっています。
搬入場所によっては、船や空便を使うこともあります。
その場合の費用は「輸送費」と呼ばれています。
購入店から離れた場所で納車する人が使うことが多くなりますが、近隣の場合であっても購入店が陸送会社等を通して依頼する場合は、費用が発生します。
移動距離や車のサイズによって費用が変わり、燃料費の高騰によっても陸送会社の設定価格は変動します。
「陸送費」「納車費用」の違い
陸送費と納車費用の違いについてまとめてみました。
♦陸送費
運送時に必要な費用のみ
※キャリーカー等、陸地以外の手段で運送する場合(例:船)は、「輸送費」と表記されます
♦納車費用
納車をするまでに必要な費用
・洗車代
・燃料費
・登録代行費 等
「陸送費」と「納車費用」は全く別ものではありません。
購入店によっては、納車費用の中に陸送費が含まれていることがあります。
また、諸費用の中に納車費用を含むお店もあるため、購入するお店によって契約書の記載方法は様々です。
中古軽自動車の陸送費の相場
陸送費用は車を購入するお店によって異なります。
陸送会社で車種によって費用が変動することや、利益を陸送費用で取っている販売店もあることが理由として挙げられます。
一般的には、車種と距離で陸送の金額が設定されます。
目安となる陸送費を表にまとめてみました。(あくまでも概算値です)
〈距離〉 | 〈陸送費相場〉 |
---|---|
・同じ県内 ・隣県 |
1万円~3万円程度 |
・複数の県をまたぐ | 3万円~10万円程度 |
搬送先が購入店と同じ県または隣県であれば、陸送費の相場は1万円~3万円です。
近隣の場合は、1~3時間の移動時間で搬入できる納車先を目安に考えましょう。
例えば〈大阪府~兵庫県〉では、近隣県になるため、およそ3万円以内に収まるケースが多くなります。
一方、納車先が複数の県をまたぐ場合は、3万円~10万円程度見ておく必要があります。
移動時間は3時間以上を目安としましょう。
例えば〈東京都~福岡県〉の場合、6時間以上の移動時間が発生します。
移動手段は「陸」だけでなく「船」を使うこともあるでしょう。
依頼業者や搬入先によっても異なりますが、安く見積もっても3万円以上必要となります。
また、ディーラーと中古車販売店でも陸送費の相場は異なります。
納車されるまでの時間に違いはほとんどありませんが、中古車販売店の方が比較的安く設定されています。
ただ、燃料費の高騰等で陸送費は変動します。
実際に陸送を使って納車を検討している場合は、事前に問い合わせましょう。
中古軽自動車の陸送にかかる日数
近隣に搬入する場合、即日に希望地まで届けてくれるケースがあります。
しかし、遠方はそうはいきません。
〈大阪府~福岡県〉のような遠方の場合、経由地を挟んで搬入するケースが多くなります。
中継地点で車を積み替える作業が発生するため、所要日数は直便よりも多くなります。
中古軽自動車の陸送にかかる日数を一覧にまとめてみました。
〈移動場所〉 | 〈およその日数〉 |
---|---|
大阪府~近畿圏内 | 1日から2日程度 |
東京都~関東県内 | 1日から2日程度 |
大阪府~東京都 | 4日から5日程度 |
東京都~福岡県 | 1週間程度 |
北海道~九州 | 8日程度 |
上の表はあくまで目安となりますが、1週間程度の日程を見ておけば希望地で納車されるでしょう。
しかし、この目安となる日数は繁忙期に依頼すると到着までに1週間を過ぎるケースが多くなります。
12月から年末にかけて陸送会社は忙しくなり、2月~4月上旬の新生活が始まるタイミングも繁忙期と言われています。
購入店によっては、繁忙期に陸送費用が高く設定されていることもあります。
この時期に依頼するときには、早めに予約することがおすすめです。
急いでいないのであれば、輸送時期をずらすことも検討しましょう。
中古軽自動車の陸送費に関する注意点
ここからは、陸送費が高くなる要因となる注意点を3つご紹介します。
思っていた以上に、陸送費がかかってしまうこともあるかもしれません。
予算オーバーになってしまわないよう、依頼する前に確認しておきましょう。
輸送の距離や車体サイズで金額が変わる
先にご紹介した通り、陸送費は購入店と搬入する場所の距離によって金額が設定されています。
遠ければ遠いほど陸送費は高くなり、輸送方法もキャリーカーとは限りません。
搬入先によっては船を使うこともあり、人件費・燃料費は更に多くかかります。
また、車体のサイズで金額が変わることもあります。
軽自動車であれば、ハイトワゴン・軽トラック・バンタイプ等、どのモデルであっても基本的には一律で設定されています。
もちろん、オートマ車・ミッション車であっても同じことが言えます。
ただ、普通車の場合は注意しましょう。
普通車にも軽自動車と同じく、様々なボディタイプがあります。
トヨタのヤリスやアクアのようなコンパクトカーであれば、軽自動車と同額設定の陸送会社が多く見受けられますが、背の高いハイエース等は料金が高く設定されています。
なぜなら、陸送費は車体の高さで決められているからです。
全高2M以上ある車の陸送を依頼する場合、軽自動車よりも値段が高くなることを把握しておきましょう。
陸送費が割高になる車もある
軽自動車の陸送費は基本的には一律で設定されていますが、中には例外となる車もあります。
割高となる4つの例をご紹介します。
全高2.0M以上の車
軽自動車の寸法規格は、[全長:3.4M][全幅1.48M][全高2.0M]以下と、定められています。
軽自動車ではどのモデルでも高さは2.0M以下だと思われがちですが、そうではありません。
軽自動車であってもルーフキャリアを付けることができます。
自動車の積載制限が道路交通法によって定められています。
ルーフキャリアを装着している軽自動車は、陸送費用が割高となってしまうため注意しましょう。
未登録車
ネット等で未登録車を見つけて取り寄せる場合、通常の軽自動車料金よりも陸送費は高くなる傾向があります。
未登録車とは、運輸支局や軽自動車検査協会にて新規登録がされていない車のことを指します。
製造より月日が経過しているものの、新車と状態は変わりません。
新車よりも低価格で提供されていることが特徴です。
未登録車は名前の通り登録していない状態です。
つまり名義変更がされておらず、ナンバーも交付されていません。
ナンバーの付いていない自動車は公道で走ることができないため「自走」手段は省かれます。
そのため、輸送手段によっては高額になる可能性があります。
これは、一時抹消された自動車にも当てはまります。
車両価格が安い車を見つけたとしても、輸送費がかさばってしまうケースもあるということを理解しておきましょう。
ローダウン車
ローダウン車とは、地上と車体の低い部分の距離(最低地上高)が低くなっている自動車のことを指します。
一般的な軽自動車の最低地上高は150mm、SUVモデルであれば180mmほどあります。
多くの陸送会社が提示している価格は【最低地上高:15cm】の車です。
中には最低地上高が13cm以上であれば搬送可能と設定している業者もあるので、ローダウン車の陸送を依頼する場合は事前に問い合わせましょう。
ただ、設定されている最低地上高を下回る車であっても、陸送会社によっては輸送の手配を行ってくれます。
最低地上高が低いとキャリーカーへの積み込みや船への積み替え等、一般車両と同時に移動できないことがあるため割高となってしまいます。
不動車
動かない車を陸送するにも、上乗せで料金が発生します。
一般的にはレッカー車1台に対して1台の不動車となるため、ローダウン車と同様、複数の車両と同時に移動はできません。
通常の積み下ろしができない場合、陸送費用が通常の3~4倍になることもあります。
輸送費が高すぎるめ、解体業者に依頼する人も少なくありません。
離島の場合は特に注意が必要
搬入先が離島であれば、「船」が輸送手段として選ばれます。
陸路・海路を使っての輸送は、その分燃料費や人件費も加わります。
港での積み下ろし作業を行った後、離島へ搬送し、またキャリーカーへ積み込む作業となれば、さらに費用は高くなります。
搬入先が離島の場合は、目安となる輸送費よりも多く費用がかかってしまうことを把握しておきましょう。
中古軽自動車の陸送を利用する際のポイント
中古軽自動車の陸送を利用する際に、挙げられるポイントは3つ。
依頼内容はあっているか、いつ到着するかなど、問題なくスムーズに納車されるように確認しておきましょう。
見積書の内容をしっかりチェックする
中古車の購入店で陸送を依頼する場合であっても、ご自身で直接陸送会社に依頼する場合であっても、まず見積書の確認を行いましょう。
どのような項目にいくらの金額が設定されているのか、内訳のチェックは必須です。
身に覚えのない項目が記載されている場合は、見積書の時点で問い合わせを行いましょう。
また、「引き取り先住所」「電話番号」「搬入先」「依頼する車種」等、相違ないかの確認も忘れずに行いましょう。
もし、電話番号が間違っていれば、台風の影響等で遅延する場合にも連絡手段がありません。
ドライバーから搬入前の連絡もできなくなり、予定通り搬入できなくなることもあるため、見積書に記載がある項目にはすべて目を通しておきましょう。
到着日時を確認しておく
到着日時は必ず予定を空けておきましょう。
長距離輸送となれば「搬入日:〇月△日~〇月□日」と、日をまたぐ到着予定日となることもあります。
特に陸送会社の繁忙期には、何日間かの到着予定日が設定されることがあります。
ですので、到着予定日が確定した後は、指定された日はスケジュールを空けておきましょう。
万が一、予定日の都合が悪くなった場合は直接陸送会社に連絡を入れ、日時の調整を行ってもらいましょう。
車の状態(内装・外装)を確認しておく
陸送で出発する前に、購入した車の状態を把握しておきましょう。
内装や外装を目視して、目立った傷や汚れはないか確認します。
輸送中は車の積み下ろし作業があるため、車両下部をこすってしまったりボディに傷がついてしまうリスクが発生します。
到着時にはドライバーと現車確認を行うので、出発前の状態と変わりはないか確認しましょう。
「こんな傷はなかった!」「はじめから傷があった」と搬入時にトラブルにならないよう、購入時にチェックした車両状態の画像を残しておくことも一つの手です。
陸送費をできるだけ安くする方法はある?
ここからは、できるだけ陸送費を安く済ませるための3つの方法をご紹介します。
近くの店舗まで届けてもらう
自宅の近くに系列店がある場合、「自宅」ではなく「最寄りの系列店」へ搬入してもらいましょう。
理由としては、平日に時間が取れない人は週末納車を依頼することがあると思いますが、その際、週末料金として金額を上乗せして設定している陸送会社もあります。
最寄りの系列店へ搬入してもらうことで、お店の営業時間内であれば搬入日はいつでも可能なので陸送費を抑えることができます。
ただ、お店によって繁忙期など断られるケースもあるので、車の購入時に営業マンへ相談してみましょう。
販売店まで直接取りに行く
遠方の車屋さんで購入したとしても、立地が良ければ公共交通機関を使って車を取りに行くこともできます。
交通費はかかってしまいますが、陸送費と比較して明らかに直接車を取りに行く方が安く済む場合は、購入店まで引き取りに行くことがおすすめです。
ただ、遠方であれば帰りは長距離運転となり、心身の負担にもなります。
運転に自信がない人や苦手な人は、陸送会社に依頼しましょう。
また、購入したお店に車を取りに行くことで、担当者から納車時の説明を直接受けることができます。
聞きたいことやわからないことがあっても、納車する前に直接会って話ができることは安心材料となりますね。
繁忙期は避ける
繁忙期になれば、陸送する車の手配をおこなったとしても、数週間先の搬入になることも少なくありません。
自動車販売店の繁忙期は1月~3月、陸送会社の繁忙期は12月から始まり2月・3月にはピークになります。
繁忙期に依頼すると、搬入までの時間が多くかかるだけでなく、繁忙期だけの料金設定を行っている陸送会社もあります。
通常時の金額よりも1.5~2倍になるケースもあります。
この時期を避ければスムーズに搬入されますが、どうしてもこの時期に輸送を依頼する場合、納車の2~3か月前に予約することが推奨されます。
事前に予約しておくことで料金を抑えることができ、希望通りの日程で手配してくれる可能性は高くなります。
繁忙期の陸送依頼は「なるべく早く」予約しましょう。
中古軽自動車の陸送費・納車費用を0円にすることは難しい
自動車販売店によって項目は異なりますが、中古車軽自動車の陸送費・納車費用を0円にすることは難しくなります。
「遠方のお店で車を購入しても、車を直接お店に取りに行けば陸送費は0円にならないの?!」と思う人もいるでしょう。
それは、購入店が陸送会社に名義変更の手続きを依頼しているケースがあるからです。
この場合は、輸送費がかからなかったとしても、登録代行費が陸送費として提示されます。
名義変更の手続きは、車を購入した使用者となる人の住所を管轄する軽自動車検査協会で行います。
遠方であれば購入店が、陸送会社に名義変更の手続きを依頼し、現地の軽自動車検査協会にて手続きを行う流れになります。
ですので、遠方から車を引き取りに行っても陸送費に登録代行費が含まれている場合、金額は抑えられたとしても0円になることはないでしょう。
また、納車費用を0円に抑えることも難しいです。
納車費用とは先述したと通り、納車をするまでに必要な費用です。
洗車代や燃料費の他、お店によっては登録代行費が含まれています。
納車費用は販売店によって捉え方が様々であり、複合的な名称となっていますが、納車をするまでに必要な費用を0円にすることはできませんね。
中古軽自動車を購入する時には、絶対必要な項目だということを理解しておきましょう。
中古軽自動車の陸送費に関するお問い合わせは軽の森へ!
陸送費・納車費用は0円になることはありませんが、近隣店舗での納車・購入店まで取りに行く・繁忙期は避けることを把握しておけば、お得に軽自動車を輸送できます。
遠方の方でもお気軽にご相談ください!
陸送でのご納車をご希望の方も、お気軽にお申し付けください。