自動車の安全性や快適な走行を維持するためには、タイヤの空気圧管理が欠かせません。
特にダイハツが販売する人気車種「タント」は、ファミリー層や日常使いに広く選ばれているため、空気圧の管理を怠ると燃費悪化や走行性能の低下につながります。空気圧が低ければタイヤの摩耗やパンクリスクが増し、高すぎると乗り心地が硬くなり、車体への負担も増加します。
本記事では、タントの適正空気圧と確認方法、点検や補充の手順、さらには空気圧を放置した場合のリスクについて詳しく解説します。加えて、空気圧以外にチェックすべき項目やお得に維持する方法も紹介し、これからタントを長く安心して乗り続けたい方に役立つ内容をまとめました。
タントのスペック・特徴・グレード

タントはダイハツを代表するスーパーハイト系軽自動車で、広い室内空間や利便性の高いスライドドアを搭載しています。車種バリエーションも豊富で、スタンダードモデルからカスタム仕様まで幅広く展開され、多様なユーザーのニーズに応えています。
タントのスペックと特徴
タントは全高1,755mmと背が高く、室内高1,370mmを確保することで圧倒的な居住性を誇ります。小さなお子様から高齢者まで乗降しやすい「ミラクルオープンドア」を採用し、日常の利便性を重視しています。パワートレインは660ccエンジンに加え、ターボ仕様も用意され、高速道路での合流や追い越しも安心して行えます。
さらに先進安全装備「スマートアシスト」を標準搭載しており、衝突回避支援や車線逸脱警報など、最新の安全性能を備えている点も特徴です。軽自動車でありながらファミリーカーとして十分な機能を持ち合わせ、幅広い層から高い支持を得ています。
タントのグレード
タントは大きく分けて「標準タント」と「タントカスタム」の2種類に展開されています。
標準モデルは日常使いに最適なシンプル設計、カスタムはエアロデザインや快適装備を充実させた上級志向のモデルです。ユーザーのライフスタイルに合わせて選べるのが魅力です。
タント適正空気圧はどれくらい?

タントの適正空気圧は、前輪・後輪ともに【240kPa(2.4kg/cm²)】です。
標準モデルとカスタムモデルでタイヤサイズに違いはありますが、14インチ・15インチともに空気圧は同じです。適正な空気圧を維持することで燃費性能や走行安定性を確保でき、タイヤ交換の頻度を減らす効果も期待できます。
空気圧は運転席ドアを開けた内側のステッカーに記載されており、車種ごとにメーカーが推奨する数値が確認可能です。特にタントカスタムも同じ数値が指定されているため、モデルによる違いはありません。日常的に確認し、適切な値を維持することが重要です。
タイヤサイズ | 前輪空気圧 | 後輪空気圧 |
14インチ | 240kPa | 240kPa |
15インチ | 240kPa | 240kPa |
タントの空気圧はどこに書いてある?
タントの適正空気圧は、運転席側のドアを開けた内側にある「タイヤ空気圧表示ラベル」に記載されています。
メーカーが車種ごとに定めている数値なので、このラベルを確認すれば正しい空気圧が分かります。ラベルの位置は目立たないため見落としがちですが、ガソリンスタンドやディーラーで点検を依頼する際もこの表示を基準に補充されます。
さらに、取扱説明書にも同様の情報が記載されているので、万一ラベルが剥がれてしまった場合でも安心です。
タントの空気圧の点検手順と補充できる場所

タントのタイヤ空気圧は、日常的な点検と定期的な補充が欠かせません。点検場所はガソリンスタンドやカー用品店、ディーラーなどで、家庭用コンプレッサーを使う方法もあります。
ここでは主な点検・補充場所と具体的な手順を解説します。
点検・補充できる場所
タントの空気圧は以下の場所で確認・補充できます。
点検・補充方法
空気圧ゲージを使い、指定値(240kPa)と実際の数値を比較します。不足があればエアポンプで補充し、逆に高すぎる場合は空気を抜いて調整します。
タンク型の場合
タンク型コンプレッサーは、自動車整備工場や業務用で多く使用されています。高圧の空気を一度タンクに溜め込み、必要なときにノズルを接続して素早く空気を充填できるのが特徴です。
タントのタイヤに使用する場合、エアチャックをバルブに差し込み、ゲージで数値を確認しながら適正値まで入れます。注意点として、タンク型は空気圧が一気にかかるため、指定値を超えて入れてしまうことがあります。そのため、こまめにゲージを確認することが大切です。
大型で設置場所を取るため、自宅用というよりはプロの整備士や店舗で使われるケースが一般的です。
据え置き型の場合
据え置き型は、カー用品店やガソリンスタンドに置かれている一般的なタイプです。電源で駆動し、ノズルをバルブに接続するだけで簡単に空気を補充できます。
タントのような軽自動車であれば数十秒程度で規定の空気圧に到達します。メリットは、操作がシンプルで誰でも扱いやすいことです。ただし、公共のスタンドに設置されている場合は、ゲージの精度がやや落ちていることもあるため、家庭用の空気圧ゲージを併用してチェックすると安心です。
据え置き型は日常的な点検に最も向いており、短時間で補充を済ませたいユーザーに適しています。
タントの空気圧を入れる際の注意点

タントのタイヤに空気を入れる際は、点検の頻度やタイミング、補充する環境などいくつかの注意点があります。空気圧の確認期間や冷えた状態での測定、スペアタイヤのチェックなどを実践することで、より安全かつ効率的なカーライフを送ることができます。
タントの空気圧を確認する期間
車の空気圧は自然に減少していく性質があります。一般的には1か月で全体の5%程度が抜けると言われ、走行していなくても空気は少しずつ漏れていきます。そのため、最低でも2か月に1回は点検を行うのがおすすめです。特に長距離走行や高速道路を利用する前は必ずチェックしておきましょう。
タントのようにファミリー利用が多い車種は、安全のためにも定期的な確認が欠かせません。空気圧管理を怠ると、燃費悪化やタイヤ交換のタイミングが早まる原因になります。
タイヤが冷えている状態で入れる
正しい空気圧を測定・補充するためには、タイヤが冷えている状態で行うのが基本です。
走行直後は摩擦熱によって内部の空気が膨張し、実際の数値より高く表示されてしまいます。誤った高めの数値を基準にすると、結果的に空気が不足してしまいかねません。目安として、走行前の早朝や、自宅駐車場での測定が最も適しています。
もし走行後に測定する場合は、30分以上時間を置いてから測定すると正確な数値に近づけます。
プラス0~20kPa程度に調整する
タイヤの空気圧は指定値240kPaを基本としつつ、やや高めに設定しておくのがおすすめです。一般的には適正空気圧より10〜20kPa程度高めに入れておくことで、自然減少による低下を補うことができます。
ただし、過剰に入れすぎると乗り心地が硬くなり、路面の凹凸を拾いやすくなるため注意が必要です。タントの場合も、指定値に加えてプラス20kPa以内に調整するのが最適とされています。
スペアタイヤの空気圧も確認しておく
スペアタイヤは普段使わないため、気づかないうちに空気が大幅に減っていることが多いです。いざというときに使えなければ意味がないため、通常のタイヤと同じく定期的にチェックしておきましょう。
タントのスペアタイヤも基本的には240kPa前後が基準ですが、車載工具や説明書で指定値を確認するのが安心です。特に長距離ドライブ前には必ず確認しておくべきポイントです。
窒素ガスを補充するのもおすすめ
近年は通常の空気ではなく、窒素ガスを充填する方法も普及しています。窒素は分子が大きいため漏れにくく、長期間安定した空気圧を維持できるのが特徴です。また、温度変化による膨張や収縮が少ないため、高速走行時の安定性も向上します。
タントのように日常使いが多い車種でも、窒素ガスを入れておけば点検の手間を減らすことが可能です。ただし、補充できる場所は限られるため、事前に対応店舗を確認しておく必要があります。
タイヤの空気圧の車検での影響は?
車検においてもタイヤの空気圧はチェック項目のひとつです。基準値を大きく外れている場合、整備不良として指摘される可能性があります。特に極端に低い場合は安全性が確保できないため、検査に通らないこともあります。
タントの車検時も事前に空気圧を確認し、規定値に調整しておくことが大切です。車検前にはディーラーや整備工場で無料点検を受け、安心して検査に臨みましょう。
空気圧をチェックしないとどうなる?

タントの空気圧を点検しないまま走行すると、燃費悪化や走行性能の低下、さらにはタイヤの消耗やパンクのリスクが高まります。
ここでは具体的に起こり得る5つのトラブルを解説します。
燃費性能が悪くなる
空気圧が低下するとタイヤの接地面積が広がり、転がり抵抗が増加します。その結果、エンジンに余計な負荷がかかり燃費が悪化します。
軽自動車であるタントは燃費性能の良さが魅力ですが、空気圧不足により1ℓあたり数kmの違いが出ることもあります。ガソリン代の節約を意識するなら、適正な空気圧の維持は不可欠です。
走行性能が悪くなる
空気圧不足はハンドル操作にも影響します。直進安定性が低下し、ふらつきやすくなるため高速走行では特に危険です。逆に空気圧が高すぎると路面の凹凸を拾いやすくなり、乗り心地が悪化します。
タントの走行性能を最大限に引き出すには、メーカー指定の数値を守ることが基本です。
グリップ力が低下する
空気圧が不足するとタイヤのトレッド面が均一に接地せず、グリップ力が低下します。雨天時にはスリップしやすくなり、制動距離も伸びてしまいます。特に軽自動車は車体が軽いため、グリップ不足の影響を受けやすい点に注意が必要です。
タイヤの消耗が早くなる
適正でない空気圧はタイヤの偏摩耗を招きます。空気が少なければ両端が減りやすく、多すぎれば中央部が早く摩耗します。
結果として寿命が短くなり、予定より早くタイヤ交換が必要になるケースもあります。定期的な点検で余計な出費を防ぎましょう。
パンクする可能性がある
空気圧不足のまま走行すると、タイヤ内部が過度にたわみ、熱がこもって破裂(バースト)する危険があります。特に高速道路走行時は重大事故につながる恐れがあります。
タントのように家族で利用する車種では、安全のために必ず定期点検を心掛けましょう。
空気圧以外にチェックすべき箇所

タントの安全性を保つためには、空気圧だけでなくタイヤの状態を総合的に点検することが重要です。外観や溝の深さ、傷、エアバルブの状態なども確認しておくことで、トラブルを未然に防げます。
タイヤの外観
タイヤの表面に異常がないか確認しましょう。ひび割れや異物の刺さりは空気漏れやパンクの原因になります。タントは日常使いが多いため、駐車中に縁石で擦るケースも少なくありません。外観点検は走行前に短時間でできるため、習慣にすると安心です。
タイヤの溝の深さ
法律で定められた残り溝の基準は1.6mmです。これを下回ると車検にも通りません。溝が浅いと排水性が低下し、雨天時のハイドロプレーニング現象を起こしやすくなります。100円硬貨を使えば簡易的に測定できるため、定期的に確認して早めに交換しましょう。
タイヤの傷
サイドウォールに深い傷や膨らみがある場合は危険信号です。走行中の衝撃に耐えられず、バーストする恐れがあります。軽微な傷でも広がることがあるため、発見したら専門店で点検を受けるのが安全です。タントはファミリー用途が多いため、タイヤの安全性は特に重要です。
エアバルブの状態
空気を入れるエアバルブはゴム製のため経年劣化で亀裂が入ります。ここから空気漏れを起こすケースも少なくありません。タイヤ交換の際には同時に新品へ交換するのがおすすめです。バルブキャップの有無も忘れずに確認し、異常があれば早めに整備工場で点検しましょう。
タントに関するご相談は軽の森へ!
本記事では、タントの適正空気圧や点検・補充方法、注意点、そして空気圧を放置した場合に起こるリスクを解説しました。空気圧管理は燃費や安全性に直結する重要なポイントです。また、タイヤの外観や溝の深さ、傷やバルブの状態も合わせて点検すれば、トラブルを未然に防ぐことができます。タントのような人気車種を長く安心して乗り続けるためには、定期的な点検と適切な整備が不可欠です。
もし点検やメンテナンスに不安がある場合は、地域密着型で実績豊富な「軽の森」にぜひご相談ください。経験豊富なスタッフが車種や用途に合わせたアドバイスを行い、安全で快適なカーライフをサポートいたします。
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