ホンダの人気軽自動車「N-BOX」は、快適性と実用性を兼ね備えた車種として多くのユーザーに選ばれています。そんなN-BOXを日常的に使ううえで気になるのが、燃料タンクの容量や燃費、そして1回の給油でどのくらい走れるのかといった情報です。
本記事では、N-BOXの燃料タンク容量の仕様やモデルごとの違い、航続距離、他の軽自動車との比較、給油のベストタイミング、燃料管理のポイントまでを網羅的に解説。再検索不要の完全ガイドとしてお役立てください。
N-BOXの燃料タンク容量

N-BOXの燃料タンク容量は、車種やモデルごとに異なります。特にモデルチェンジや駆動方式(2WD/4WD)によっても変化があります。
本章では、標準的な容量や仕様のメリット、モデルごとのタンク容量の違いについて詳しく解説します。
N-BOXの標準的なタンク容量
現行モデル(3代目N-BOX)をはじめとする近年のN-BOXは、27リットルの燃料タンクを搭載しています。この容量は、軽自動車の中でもややコンパクトな部類に入ります。以前のモデル(初代N-BOX)では35リットルと比較的大きめの燃料タンクが採用されていました。
標準容量として27Lという設計は、軽量化・燃費性能の最適化・車体スペースの有効活用などを目的とした結果です。走行性能や日常の利便性を損なわず、燃料消費効率のバランスを考慮した構成となっています。
タンク容量の基本仕様とメリット
N-BOXの燃料タンクは樹脂製で、軽量化と耐腐食性に優れており、長期使用でも劣化しにくい設計がされています。容量は27リットルですが、これは都市部での短距離移動を中心としたユーザーの利用環境に最適化された数字です。
この容量設定により、以下のようなメリットがあります。
日常使いにおいて不便を感じさせず、給油の回数を減らす工夫もされています。
モデルチェンジによるタンク容量の変遷
N-BOXは、初代(JF1型)から現行の3代目(JF5型)まで3つの世代に分かれており、モデルチェンジごとに燃料タンク容量にも変化が見られます。
以下のように変遷しています。
世代 | 型式 | 燃料タンク容量 |
初代 | JF1型 | 35L |
2代目 | JF3型 | 27L |
3代目 | JF5型 | 27L |
この変化は、軽量化や燃費向上を図るための設計見直しによるものです。
初代N-BOX(JF1型):燃料タンク容量は35リットル
2011年に登場した初代N-BOX(JF1型)は、35リットルの燃料タンク容量を備えており、当時の軽ハイトワゴンの中でも比較的大きめでした。この容量は、長距離移動や給油頻度を抑えたいユーザーに適した仕様で、高速道路や旅行でも安心感のあるタンク設計でした。
ただし、その分タンクが大型であることから、車体重量や室内スペースの効率性に対しては一部トレードオフが存在していました。
2代目N-BOX(JF3型):燃料タンク容量は27リットル
2017年に登場した2代目N-BOX(JF3型)では、タンク容量が27リットルに縮小されました。これは燃費性能の向上と軽量化を目的とした設計変更です。ホンダの開発陣は、実際の使用状況に応じて「27Lで十分な航続距離を確保できる」と判断し、無駄のない構造に再設計しました。
結果として、車両の重量バランスや燃費性能は向上し、カタログ燃費でも好成績を記録しました。
3代目N-BOX(JF5型):燃料タンク容量は27リットル
2023年に登場した3代目N-BOX(JF5型)も、燃料タンク容量は27リットルのまま据え置きとなりました。これは2代目で確立された軽量・コンパクトな車両設計が評価された結果です。燃費・走行性能・車内空間のバランスを保ちながら、日常使いに最適な仕様とされています。
さらに、最新モデルでは燃料噴射制御やエンジン制御の進化により、燃費性能もより効率的になっています。
N-BOXのタンク容量でどれくらい走れる?

画像引用:ホンダ・N-BOX
N-BOXの燃料タンク容量は27リットルですが、「この容量で実際にどれくらいの距離を走れるのか?」という疑問は多いです。
本章では、満タン時の航続距離、実燃費との違い、高速道路や市街地での差異について詳しく解説します。
満タンで走れる距離
まず、N-BOXのカタログ燃費(WLTCモード)は以下の通りです。
NA(自然吸気)車 | 21.2 km/L |
ターボ車 | 20.2 km/L |
この数値を基に、満タンでの理論航続距離を計算すると
ただし、これは理想条件下での数値のため、実際の走行距離とは異なります。あくまで参考値としてのカタログ数値であり、実際は交通状況や運転スタイルにより変動します。
実燃費とカタログ燃費の差に注意
カタログ燃費(WLTCモード)と実際の燃費には差があることを理解しておくことが大切です。N-BOXのカタログ燃費は、NA車で約21.2km/L、ターボ車で約20.2km/Lとされていますが、これは理想的な条件下での数値です。
実際の使用では、以下の要因により実燃費は15〜18km/L程度になることが多いです。
したがって、カタログ上の航続距離だけでなく、実燃費を把握して行動計画を立てることが重要です。
高速・市街地での航続距離の違い
N-BOXは走行環境によって航続距離に大きな違いが出ます。一般的な目安としては以下のとおりです。
高速道路 | 燃費向上により 18〜20km/L 航続距離は 約480〜540km |
市街地 |
燃費低下により 13〜16km/L 航続距離は 約350〜430km |
高速道路では一定速度での巡航が中心となるため、エンジン負荷が安定し燃費が良くなる傾向にあります。一方、市街地では頻繁な加減速やアイドリングが影響し、燃費が悪化します。
使用目的や運転ルートに応じて、給油の計画を柔軟に立てることが航続距離を最大限に活かすポイントです。
N-BOXのグレード別タンク容量の違い

N-BOXの燃料タンク容量は基本的に全グレードで共通して27リットルですが、燃費性能や航続距離にはエンジン種別や駆動方式、装備内容の違いにより差が出ます。
この章では、ターボ・NA、2WD・4WD、エコモードの有無による違いを解説します。
ターボ車とNA車の燃費
N-BOXには、自然吸気エンジン(NA)とターボエンジンの2種類があります。どちらも燃料タンク容量は同じ27Lですが、燃費性能は異なります。
エンジンタイプ | カタログ燃費(WLTC) |
NAエンジン | 約21.2 km/L |
ターボエンジン | 約20.2 km/L |
ターボ車はパワフルで加速力がありますが、燃料消費量がやや多くなる傾向があります。特に高速道路ではターボ車の利点が生きますが、街乗り中心ならNA車のほうが燃費効率がよく、航続距離も長めです。
4WDと2WDの燃費差
N-BOXは2WD(FF)と4WDの選択肢があり、用途に応じて選べます。燃料タンクの容量は共通ですが、燃費に以下のような差があります。
駆動方式 | カタログ燃費(WLTC) |
2WD | 約21.2 km/L |
4WD | 約19.8 km/L |
4WDは雪道や山道での安定性が高い反面、車重が増すため燃費がやや悪化します。つまり、満タンでも航続距離は短くなる傾向があり、給油の頻度は若干多くなります。
エコモードの有無と燃費効率
N-BOXにはグレードによってエコモード(ECON)スイッチが搭載されています。このモードをONにすると、アクセル操作に対する出力を制限し、エアコンの効きも燃費重視に変わります。
エコモードの有無によって、同じ燃料タンク容量でも走れる距離に違いが出ることがあるため、日常の運転スタイルに応じた活用がポイントです。
他の軽自動車とのタンク容量比較

N-BOXの燃料タンク容量(27L)は、他の軽ハイトワゴンと比べるとやや小さめです。この章では、タントやスペーシアなどの競合車種との比較を通じて、N-BOXの位置づけや給油頻度の違いを解説します。
タンク容量を他車と比較
主要な軽自動車とのタンク容量比較は以下の通りです。
車種名 | 燃料タンク容量 |
N-BOX | 27L |
タント | 30L |
スペーシア | 27L |
N-BOXとスペーシアは同等ですが、タントはやや大きめの30Lを搭載しています。
タント
ダイハツの軽自動車「タント」は、燃料タンク容量が30Lと、N-BOXよりも3L多く設計されています。この差はわずかに見えますが、カタログ燃費が20.0km/L前後と仮定すれば、満タンで約60kmほど航続距離が長くなる計算です。
とはいえ、タントも車体重量が大きくなる傾向があり、実燃費での差は限定的です。タンク容量よりも実燃費で比較することが重要です。
スペーシア
スズキのスペーシアは、N-BOXと同じく27Lの燃料タンク容量を採用しています。燃費性能も非常に優れており、ハイブリッド仕様では22.2 km/L以上の燃費を記録するモデルもあります。
このため、燃料効率の良さでN-BOXを上回る航続距離を実現する可能性もあります。燃料タンク容量は同じでも、車両設計と制御技術の違いで給油頻度に差が出ます。
航続距離・給油頻度の違い
同じタンク容量でも、カタログ燃費や実燃費の違いにより、1回の給油で走れる距離は変わります。例えば…
つまり、タンク容量が多いか燃費性能が良ければ、航続距離が伸びるということになります。実際の使用では、給油回数の少なさや給油タイミングの柔軟性が差となって現れます。
軽ハイトワゴンの中での位置づけ
N-BOXは軽ハイトワゴンの中でも室内空間の広さ・快適性・安全装備の充実度が高く、燃料タンク容量は平均的な27Lです。このため、航続距離はライバル車と比較しても大きく劣らず、十分な実用性を確保しています。
給油頻度や燃費に不安がある場合は、エコモードの活用や定速走行を意識することで、燃費効率を高めることが可能です。タンク容量だけでなく、全体的な車両バランスの良さがN-BOXの魅力です。
N-BOXの給油に最適なタイミング

N-BOXの燃料タンク容量は27Lと限られているため、給油のタイミングは重要なポイントです。給油ランプの点灯条件や残燃料の目安、日常使いでの最適なタイミングについて知っておくことで、トラブルを未然に防ぐことができます。
給油ランプはいつ点灯
N-BOXの給油ランプ(燃料残量警告灯)は、残り約4〜5リットルになると点灯します。このタイミングでは、残燃料でおおよそ80〜100km程度の走行が可能とされており、急な給油が必要になるわけではありません。
ただし、高速道路走行中や渋滞時は消費スピードが異なるため、ランプ点灯後はできるだけ早めに給油することが推奨されます。また、冬場などは暖房使用による消費量の増加にも注意が必要です。
無理な走行はNG
給油ランプが点灯した状態で長距離を走行し続けるのは非常にリスクが高いです。燃料切れによってエンジンが停止すると、故障やエンジントラブルの原因になる可能性があります。
さらに、燃料ポンプはガソリンを冷却材として使っているため、残量が少ない状態が続くとポンプの過熱につながることも。結果として、燃料ポンプの寿命が縮むことになります。節約のつもりが、高額な修理費を招く可能性もあるため、注意が必要です。
日常使いにおける最適な給油タイミング
N-BOXを日常使用する際の理想的な給油タイミングは、燃料メーターの1/4を下回る前が目安です。これにより、以下のメリットが得られます。
また、毎回満タン給油を行うことで航続距離を正確に把握でき、家計管理やメンテナンス計画にも役立ちます。
タンク容量のメンテナンス・注意点

燃料タンクは普段見えない部分ですが、適切なメンテナンスを行わなければ劣化や不具合が発生することがあります。
ここでは、点検の必要性やトラブル事例、長期間乗らない場合の燃料管理方法について解説します。
タンクの定期点検の必要性
燃料タンク自体は頑丈な設計ですが、給油口まわりのシール劣化や、タンク底のサビなどが問題となることがあります。特に以下のタイミングでの点検が推奨されます。
最近ではタンクが樹脂製になっているためサビのリスクは低くなりましたが、パッキンやホース類の劣化点検は継続的に必要です。
燃料タンクのトラブル事例と対処法
以下は実際によくあるトラブルとその対処法です。
トラブル内容 | 原因 | 対処法 |
燃料漏れ | パッキンの劣化 | パーツ交換・シール補修 |
ガソリン臭 | キャップの緩み | 給油口確認・締め直し |
エンジン不調 | 燃料フィルター詰まり | フィルター清掃・交換 |
これらのトラブルを防ぐには、定期的なディーラー点検や法定点検時のチェックが重要です。
長期間使わない場合の燃料管理方法
数週間〜数ヶ月以上クルマを使用しない場合、燃料の劣化や水分混入が発生する恐れがあります。以下の対策を講じましょう。
また、3ヶ月以上使用しない場合は、エンジン始動を定期的に行うことも重要です。燃料系統やバッテリーの劣化も予防できます。
N-BOXに関するご相談は軽の森へ!
N-BOXの燃料タンク容量は27リットルで、他の軽自動車と比べても平均的な容量に設計されています。グレードやエンジンの違いによって航続距離や燃費効率には差が出ますが、正しい燃料管理と給油タイミング、メンテナンスを行うことで快適なカーライフが実現できます。
また、燃費と並んでタイヤの空気圧も航続距離に大きく影響します。空気圧が適正でないと燃費が悪化し、走行性能にも悪影響を及ぼします。軽の森では、空気圧チェック・燃料系点検・オイル交換などの整備相談も承っております。
N-BOXを長く、安全に、経済的に乗るためにも、定期的な点検とアドバイスを受けられる環境を持つことが重要です。気になる点があれば、ぜひお気軽にご相談ください。
ホンダ(N-BOX)