軽自動車の排気量は660cc以下と基準値が定められており、その数値を超えてしまうと「軽自動車」として利用できなくなってしまいます。普通車にくらべて軽自動車の排気量が小さいことは分かっていても、それがどのような影響があるのか知らない方が多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、軽自動車とほかの種類の車の排気量の違いや、排気量が少ない軽自動車を所有するメリットなどについて解説します。また、今後軽自動車の規格が見直されることについての見解や、車内空間が広い軽自動車も紹介するので、軽自動車の排気量についてお悩み中の方は要チェックです。
軽自動車の排気量は660cc以下!
軽自動車は車体の大きさから排気量まで規定が定められており、近年販売されている軽自動車はデザインは違えど大きさや排気量は大半が同じです。
・普通車と排気量の違い
・小型自動車と排気量の違い
軽自動車の規格
軽自動車は、排気量だけでなく車体のサイズや乗車定員にも厳格な規定があります。軽自動車の規格は以下の通りです。
大きさ (全長×全幅×全高) |
3.4m以下×1.48m以下×2.0m以下 |
排気量 | 660cc以下 |
乗車定員 | 4人以下 |
貨物積載量 | 350kg以下 |
この規格は、燃費の良さや取り回しのしやすさを重視した日本独自の規格です。狭い道路でも運転しやすいように設計されており、小型で燃費が良く維持費も抑えられることが魅力です。
ひと昔前までは、軽自動車は価格重視で機能性が物足りないモデルが多くありましたが、近年では安全性や快適性も向上しており、多くのユーザーから支持を集めています。
普通車との排気量の違い
普通車とは、軽自動車の規格を超えた車両を指し、排気量が660ccを超えるものが該当します。普通車の排気量は1,000cc以上が一般的で、小型車であっても1,500cc前後の車種が多いです。
普通車は軽自動車よりもパワーがあり、高速道路での安定性や積載能力に優れますが、税金や維持費が高くなるデメリットもあります。とくに自動車税は車の排気量別に税額が区別されており、排気量が多くなればなるほど税金は高くなります。
用途に応じて、燃費や維持費を考慮しながら選択することが重要です。
小型自動車との排気量の違い
小型自動車とは、普通車のうち排気量が660ccを超えて2,000cc以下の車両を指します。例えば、1,000ccクラスのコンパクトカーは小型自動車に分類され、軽自動車よりもパワーがあり高速走行時にも快適です。
小型自動車は軽自動車よりも税制上の優遇は少ないものの、普通車と比べると維持費が抑えられ、燃費性能にも優れています。軽自動車と小型自動車は、それぞれの用途に応じたメリットがあるため、ライフスタイルに合った選択が求められます。
軽自動車の排気量の変遷と歴史
軽自動車は日本独自の規定であり、誕生したのは70年以上前です。
・1954年:排気量360cc以下
・1975年:排気量550㏄以下
・1989年:排気量660cc以下
ここからは、軽自動車の排気量の変遷と歴史について紹介します。
1949年:排気量150cc以下
軽自動車制度が初めて制定された1949年、軽自動車の規定は全長2.8m、全幅1.0m、全高2.0m以下で、排気量は150cc以下と極めて小さいものでした。当時の軽自動車は二輪車に近い存在であり、簡易的な車両が主流でした。
戦後復興期にあたるこの時代、庶民が手に入れやすい自動車として、低コストかつ燃費の良い軽自動車が求められていたことが特徴です。
とはいえ、150ccでは動力性能が低く、実用性にも課題があったため、のちに排気量の拡大が進められました。
1954年:排気量360cc以下
1954年の規格改正によって、軽自動車の排気量は360cc以下に拡大されました。この変更によって軽自動車は自動車としての実用性が大きく向上し、軽自動車市場が広がるきっかけとなりました。
軽自動車の歴史に残るようなスバル360やホンダN360などの名車が数多く登場し、軽自動車は一般家庭でも普及し始めました。360ccエンジンの採用により、高速道路や長距離移動も可能となり、軽自動車の用途が一気に拡大していきました。
1975年:排気量550cc以下
1975年には、さらなる動力性能の向上を目的として、排気量が550cc以下に引き上げられました。この背景には、日本の高速道路網の発展や、ユーザーの求める走行性能の向上がありました。
550ccエンジンの採用によって、軽自動車がより快適な走行が可能となり、長距離ドライブにも対応できるようになりました。また、この時期には軽自動車の安全基準も厳しくなり、より実用性の高いモデルが数々登場したことが特徴です。
1989年:排気量660cc以下
1989年の改正で、現在bの排気量基準である660cc以下が制定されました。この変更により、軽自動車の動力性能が大幅に向上し、高速道路や山道でも十分な走行性能を発揮できるようになりました。
また、安全性の向上や装備の充実も進み、軽自動車は一層快適な乗り物へと進化しました。この排気量規定は現在に至るまで維持されており、燃費や環境性能を重視したエンジン技術の発展とともに、軽自動車の役割はますます重要になっていきます。
軽自動車の排気量は今後改定される?
数年おきに見直し・改定がされてきた軽自動車ですが、今後も排気量の規定が変わる可能性はあるのでしょうか。
・規格の見直しを求める声もある
ここからは、軽自動車の排気量の改定について、見解を紹介します。
今後見直される可能性はある
軽自動車の排気量基準はこれまでも何度か見直されてきたため、今後も改定される可能性は十分にあるでしょう。とくに、環境規制の強化や電動化の進展に伴い、エンジン車の排気量規制が緩和される、または新たな基準が導入される可能性があります。
さらに、高速道路での安定性向上や、安全性能の向上を目的とした見直しが議論されることも考えられます。しかし、どれも可能性の段階で、現時点では具体的な改正の動きは見られません。
規格の見直しを求める声もある
自動車メーカーや一部ユーザーからは、軽自動車の排気量を拡大すべきだという意見も出ています。とくに高速道路での走行や、坂道での加速性能を向上させるためには、660ccでは不足すると言われています。
また、安全性能向上のために車体が大型化しつつあるため、よりパワフルなエンジンを求める声もあります。しかし、排気量を増やすことで税制優遇の対象外になってしまったり、小型自動車との棲み分けがむずかしくなってしまったりする可能性もあり、慎重な検討が求められます。
排気量が少ない軽自動車を所有するメリット
軽自動車は普通車に比べて維持費が安くつくことが大きな利点です。そのため、セカンドカーとしても高い需要があります。
・燃費性能が良い
ここからは、排気量が少ない軽自動車を所有するメリットについて紹介します。
税金を抑えられる
軽自動車のメリットのひとつは、税金の安さです。軽自動車の自動車税は、普通車と比較しても大幅に安く、排気量1,000cc以上の小型自動車と比べても負担が軽減されます。
また、軽自動車は重量税も安いため、車両の維持費を大きく抑えられます。さらに、軽自動車税は地方税であることから、一部の地域では軽自動車に対する特別な優遇措置は適用される場合もあります。
軽自動車の経済的なメリットは非常に大きいと言えるでしょう。
燃費性能が良い
排気量が少なく、車両重量も軽い軽自動車は、燃費性能にも優れています。とくにエンジンが小さい分、燃料消費が抑えられるため、ガソリン代を節約できます。
近年では、ハイブリッド技術や軽量ボディの採用により、リッターあたり30km以上走行できるモデルも登場しています。普段の買い物や家族の送迎など、短距離走行に適しており、エコカーとしての側面も強まっていることが特徴です。
燃料代が高騰している現代では、燃費性能に優れている点は大きなメリットだと言えるでしょう。
それぞれの特徴や維持費などの違いを徹底比較
改造して軽自動車の排気量を増やすリスク
軽自動車を改造し、排気量を増やす方法があります。排気量を上げられる一方で、リスクも複数あるため注意が必要です。
・税金の優遇を受けられない
・構造変更の手続きが必要
ここからは、改造して軽自動車の排気量を増やすリスクについて解説します。
すべての車でできるとは限らない
軽自動車の排気量を増やす改造は、すべての車でできるわけではありません。車両設計上、大きなエンジンを搭載できるスペースがない場合や、車体の強度が不足する場合もあります。
また、メーカーが想定していないエンジンを搭載することで、冷却性能や駆動系に負担がかかり、故障のリスクが高まります。改造にあたっては、専門的な知識と技術が求められます。
税金の優遇を受けられない
軽自動車の排気量を増やすと、法律上は普通車は分類されることになります。そのため、軽自動車としての税制優遇を受けられなくなり、自動車税や重量税が大幅に上がってしまう可能性があります。
また、改造後の車検では普通車の基準が適用されるため、維持費が高額になる点も考慮しなければなりません。軽自動車の最大のメリットである「経済性」が損なわれるため、慎重な判断が必要です。
構造変更の手続きが必要
排気量を増やした軽自動車は、法律上「構造変更車両」となり、正式な手続きを踏む必要があります。具体的には、陸運局での改造申請や新たな車検を受ける必要があり、通常の車検よりも厳しい審査が求められます。
また、改造内容によっては、形式認定が取り消され、公道を走行できなくなる可能性もあります。違法改造と判断された場合は、罰則が科されることもあるため、安易な改造は避けるべきです。
車内空間が広い軽自動車おすすめ7選!
車内空間が広い車種は、軽自動車のなかでも特に人気があります。
・【ホンダ】N-BOX
・【スズキ】スペーシア
・【三菱】デリカミニ
・【日産】ルークス
・【ダイハツ】タント
・【スズキ】ワゴンR
ここからは、車内空間が広い軽自動車おすすめ7選を紹介します。
【スズキ】エブリイワゴン

車体寸法 | 3395×1475×1815~ |
車内寸法 | 2240×1355×1315~ |
燃費性能 (WLTCモード) |
15.1km/L |
新車時価格 | 1,838,100円~ |
中古車相場※ | 164.1万円 |
※出典:カーセンサー公式サイト
エブリイワゴンは、商用車「エブリイ」をベースに造られた乗用モデルの軽自動車です。商用車ベースならではの広い車内空間がエブリイワゴンの最大の魅力で、オートキャンプや釣りなどの大きな荷物を沢山積む必要がある趣味専用の車としても人気があります。
装飾品だけでなく収納アイテムなどの専用のアクセサリーも充実しており、自分好みにカスタマイズを楽しめることもポイントです。エブリイワゴンは、広い車内空間を重視する方に適しています。
【ホンダ】N-BOX

車体寸法 | 3395/1475/1790 |
車内寸法 | 2125/1350/1400 |
燃費性能 (WLTCモード) |
18.4km/L~ |
新車時価格 | 1,689,600円~ |
中古車相場※ | 174.6万円 |
※出典:カーセンサー公式サイト
N-BOXは、軽自動車新車販売台数No.1を記録し続けている、最も売れている軽自動車です。快適性能が充実しており、個人的な使用だけでなく、家族の送迎など複数人で利用するシーンにも適しています。
とくに9インチの大画面オーディオディスプレイは、DVDを観ているときなど後部座席に座っている方でも見やすいと感じられるでしょう。N-BOXは、家族で利用する頻度の多い、機能の充実性を重視したい方におすすめです。
【スズキ】スペーシア

車体寸法 | 3395/1475/1785 |
車内寸法 | 2170/1345/1415 |
燃費性能 (WLTCモード) |
22.4km/L~ |
新車時価格 | 1,530,100円~ |
中古車相場※ | 180.1万円 |
※出典:カーセンサー公式サイト
スペーシアは、広い車内空間だけでなく、収納スペースも充実した使い勝手の良い軽自動車です。ポップなエクステリアデザインで、レトロ可愛いデザインがお好みの方からの支持も集めており、女性にも人気が高いことが特徴です。
後部座席に搭載された「マルチユースフラップ」は、軽自動車ではあまり見ないオットマンとしての利用もできます。ドライバーだけでなく、後部座席に座る方も快適に過ごせるスペーシアはファミリーカーをお探しの方にもおすすめです。
【三菱】デリカミニ

車体寸法 | 3395/1475/1800 |
車内寸法 | 2200/1335/1390 |
燃費性能 (WLTCモード) |
17.5km/L~ |
新車時価格 | 1,837,000円~ |
中古車相場※ | 207.6万円 |
※出典:カーセンサー公式サイト
デリカミニは、ゴツゴツとしたSUVライクなデザインが特徴の軽自動車です。アウトドアテイストのデザインでありながら、後列ドアにはスライドドアを採用しており、利便性にも優れています。中性的なフロントマスクは、幅広い世代から人気を集めています。
座席シートには撥水加工が施されており、遊んだ後の汚れや食べこぼしもサッと拭き取れてお手入れが簡単です。また、グレードの一部にマイパイロットを標準装備しているなど、安全性能にも優れています。デリカミニはアウトドアテイストの車がお好みの方に適しています。
【ダイハツ】タント

車体寸法 | 3395/1475/1755 |
車内寸法 | 2125/1350/1370 |
燃費性能 (WLTCモード) |
19.6km/L~ |
新車時価格 | 1,452,000円~ |
中古車相場※ | 152.4万円 |
※出典:カーセンサー公式サイト
タントはセンターピラーを内蔵することで、大開口を実現した「ミラクルオープンドア」が特徴です。大きな荷物を出し入れするときや、雨の日の傘をさしながらの出入りなど、普段なら少し不便を感じてしまうようなシチュエーションでも快適に利用できます。
カジュアルなデザインのノーマルモデルと、男性にも好評のカスタムモデルは室内の雰囲気も異なり、自分の好みに合わせて選べます。またターボエンジン搭載グレードもあり、排気量が物足りないと感じる方にもおすすめです。
【スズキ】ワゴンR

車体寸法 | 3395/1475/1650 |
車内寸法 | 2450/1355/1265 |
燃費性能 (WLTCモード) |
23.0km/L~ |
新車時価格 | 1,294,700円~ |
中古車相場※ | 105.2万円 |
※出典:カーセンサー公式サイト
ワゴンRは、軽自動車界をけん引してきた名車のうちのひとつで、時代の流れに合わせて進化してきた軽自動車です。ロングセラーの要因は、進化するだけでなく、ワゴンRらしさは変わらずに残し続けてきたことでしょう。
価格と性能のバランスにも優れており、セカンドカーとしても人気があります。また燃費性能にも長けていることもワゴンRの魅力のひとつで、通勤・通学に使用する使用頻度の高い方、長距離走行が多い方にもおすすめです。
まとめ
軽自動車の排気量は現時点では660ccと定められており、この基準を上回ってしまうモデルは普通車の扱いになります。
もし、排気量が少なく物足りないと感じてしまう方は、ターボエンジンを搭載したモデルを選んだり、普通車を選択肢に入れてみたりすることがおすすめです。
軽自動車は日本独自の規格であり、日本の道路に合った利便性の高さが特徴です。また、税金や燃料代など維持費の面でも恩恵が受けやすく、維持費を抑えて車に乗りたい方や、運転技術に自信のない方に適しています。
軽の森では、そんな軽自動車を専門に取り扱っており、国内オールメーカー全ての車種を取り扱っています。メーカーの異なる車同士でお悩みの方には、スタッフが中立的な立場で車の違いについて説明させていただけることが軽の森の強みです。
欲しい車が決まっていて条件に当てはまる車をお探しの方も、軽自動車が欲しいけれどどの車種にするかお悩み中の方も、ぜひお気軽に軽の森にお問い合わせください。
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出典
ホンダ(N-BOX)
三菱(デリカミニ)
ダイハツ(タント)