近年運転免許を取得される大半の方がAT(オートマチックトランスミッション)車限定です。しかし車の運転が好きな方はMT(ミッション)車を好む方もいらっしゃいます。
市場的にもオートマ車の数が多い分、ミッション車に興味があっても、情報が少なく分かりにくいとお悩みの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事ではミッション車の特徴やメリット・デメリット、ミッション車を運転するときのポイントについてなど解説しています。ミッション車のおすすめ車種も紹介しているので、ミッション車が気になっていた方はぜひ参考にしてみてください。
ミッション車とは?
車の公式サイトを見てみると、グレードを紹介しているところでトランスミッションを確認することができます。
数は減ってきていますが、一部の車好きには人気のあるミッション車について詳しく解説していきます。
MT車のこと
ミッション車とは「マニュアルトランスミッション(MT)車」のことを指していて、主に関西地方で用いられることの多い表現です。
昔はミッション車が主流ではありましたが、のちに誕生したオートマ車の普及により数も減ってきているのが現状。しかし車好き・運転好きのユーザーのなかには「ギアをガチャガチャ動かしてこそ、車に乗っている感じがする!」と今でもミッション車を選んで乗る方もいらっしゃいます。
初心者の方や、運転の操作にそこまでこだわりのない方には、ミッション車よりもオートマ車の方が、人気が高い傾向です。
トランスミッション(変速機)の種類
トランスミッションには、ミッションとオートマ以外にも種類があることをご存じでしょうか。
トランスミッション(変速機)の種類は全てで5種類あります。
種類 | 特徴 |
MT(マニュアルトランスミッション) | 手動でギアチェンジを行う |
AT(オートマチックトランスミッション) | 自動でギアチェンジが行われる |
CVT(無断変速機) | 自動でギアチェンジが行われる |
DCT(デュアル・クラッチ・トランスミッション) | 手動・自動のそれぞれの良さが組み合わされたもの |
AMT(セミオート・トランスミッション) | 手動・自動のそれぞれの良さが組み合わされたもの |
近年の日本の自動車はAT車が主流で、軽自動車はCVTを採用されているメーカーがほとんどです。
ミッション車の特徴
ミッション車は数こそ減ってきたものの、ミッション車でしか味わえない楽しさなど、魅力のあるトランスミッションです。
実際にはオートマ車と何が違うのか、ミッション車の仕組みについて紹介していきます。
ミッション車の仕組み
ミッション車の基本構造は手動変速機となり、ドライバーが手動でギアを変更して走行するタイプです。
ミッション車にはアクセルペダルとブレーキペダルのほかに、クラッチペダルというものがあり、駆動伝達を遮断したりつないだりする「クラッチ操作」が必要になります。クラッチ操作をしてからギアチェンジを行い、車を動かします。
ミッション車は、クラッチだけでなくトランスミッションと呼ばれる部品も付いていて、ギアチェンジすることによりパワーやスピードを変えたり後退する役目があります。そのトランスミッションを動かす元となるのが、チェンジレバーです。
例えば、「5速MT」と言われるミッション車のチェンジレバーには、1速から5速の前進ギアの他、バックギア、ニュートラルが設定されています。1速は一番パワフルですが、速度が遅いことが特徴。2速は1速よりも力は劣りますが、スピードは早くなります。
ギアを上げると力が小さくなりますが、速度が速くなる構造になっています。
AT(オートマチックトランスミッション)車との違い
ミッションとオートマの違いはクラッチ操作・ギアチェンジを手動で行うか自動で行うかの違いです。
オートマ車にはクラッチ操作の必要がないため、足元にあるペダルはアクセルペダルとブレーキペダルしかありません。ミッション車では手動で行っていた操作を自動的に行ってくれます。
オートマ車はアクセル操作とブレーキ操作だけなので、初心者でも運転がしやすいことがメリットです。また、以前はオートマ車は燃費が悪いと言われていましたが、技術の向上によって現代のオートマ車は燃費にも優れています。このこともオートマ車が主流となっている要因だと考えられますね。
中古軽自動車のミッション車を選ぶメリット
中古軽自動車のミッション車を選ぶメリットは、自分で車を操作している間隔を楽しめることです。操縦が難しい反面、上手く走れたときはミッション車でしか味わうことの出来ない満足感があります。
また、近年衝突被害軽減ブレーキの普及により誤発進による事故は減ってきてはいますが、シフトレバーの入れ間違いによる誤発進のリスクがオートマ車にはあります。ミッション車の場合は操作を誤ってしまうとエンストしてしまうため、誤発進はしにくいこともミッション車ならではのメリットです。
中古軽自動車のミッション車を選ぶデメリット
中古軽自動車のミッション車を選ぶには、ミッション車に対応した免許を取得する必要があります。オートマ限定と記載されている免許証ではミッション車に乗ることはできません。また、ミッション車は扱いが難しく慣れるまでは時間がかかる点もデメリットです。
また、近年販売される自動車の大半はオートマ車であるため、ミッション車に限定して車探しを行うと、選択肢が少ないこともデメリットだと言えるでしょう。
しかし中古車市場では、生産終了してしまった車種も多く流通しているので、中古車販売店ではまだ在庫を見つけることも可能です。ミッション車にこだわりたい方には中古車も視野に入れて車探しを行うといいでしょう。
中古軽自動車のミッション車を運転するときのポイントは?
中古自動車のミッション車を運転するときのポイントは、大きく分けると「ギアチェンジ」「クラッチ操作」「変速時」の3つです。最初はコツが必要ですが、慣れてくればより車を操縦する楽しみを感じられるでしょう。
・変速時 |
ギアチェンジ
スムーズなギアチェンジだと、車への振動もなく滑らかに行えますが、まだ運転に慣れていないうちはギアチェンジを行うタイミングで振動を感じてしまうもの。
はじめのうちは練習を重ねるしかありませんが、ポイントはクラッチの離し方です。
アクセルをゆるめたタイミングですぐにクラッチを踏み込みギアチェンジを行いますが、このあとクラッチを離すときにはパッと足を離してしまうのではなく、ゆっくりと離すように意識しながら練習をしましょう。
スムーズにギアチェンジを行えるようになると、加速時にも減速時にもスムーズに運転ができます。
クラッチ操作
クラッチ操作で最も難易度が高い場面が発進時ではないでしょうか。
発進時のクラッチ操作は半クラッチを行うことが基本ですが、慣れないうちは加減が難しいと感じてしまう方も多くいらっしゃいます。
発進時にクラッチペダルを上げすぎてしまうと、エンジンの動力がタイヤに伝わり過ぎてしまいます。クラッチペダルはゆっくりと浮かせて、車が動き出したところで一旦キープし、速度が安定(時速5km程度が目安)してきてからクラッチペダルを完全に離すようにすることがポイントです。
変速時
変速時に「ガリガリ」というような異音を発することがありますが、これはギア鳴りといってギアが上手くかみ合っていないことが原因で発生する異音です。
主にシフトレバーの操作ミスが原因で、ギア段を間違えてしまったときや、クラッチペダルの踏み込みが浅いときに起きます。
ギアチェンジを行う際はしっかりと足の中心で踏み込んで、うっかり離してしまわないよう気を付けましょう。また、ギア鳴りは車体にトラブルが発生している可能性もあるため、クラッチペダルの踏み込みが出来ているにも関わらずギア鳴りが発生する場合には早めにメンテナンスを行いましょう。
中古軽自動車のミッション車のおすすめ車種
中古自動車のミッション車のおすすめ車種を紹介します。
近年オートマ車が主流となってきているため数は減ってきていますが、どれもミッション車でしか味わえない魅力をもつ車です。
なかには現在は生産終了となってしまい、中古車としてでしか買えない車種も含まれます。
ホンダ ビート
画像引用:ホンダ
基本スペック | |
寸法 (長/幅/高)㎜ |
3295/1395/1175 |
室内寸法 (長/幅/高)㎜ |
– |
車両重量 ㎏ | 760 |
総排気量 L | 0.656 |
燃料消費率 (WLTCモード) |
17.2km/L |
乗車定員 | 2 |
車両本体価格 | – |
中古車相場価格 | 30~268万円 |
1991年に発売されたホンダが生産・販売していたビートは、オートマ車の採用はなく、全車ミッション車であったことが特徴です。スポーツカーの要素をもち、ドライビング機能に特化していることからミッション車ならではの走りを楽しめます。
当時では軽自動車初となったSRSエアバッグや、ミッドシップ2シーターオープンが採用された車でもあり、走りにこだわりたい方に、おすすめの軽自動車です。
ミッドシップレイアウトはエンジンが後ろに搭載されていて、後輪駆動で車を動かしています。操縦安定性に優れていることが大きなメリットです。
オープンボディ設計で、軽自動車では今までなかったような高剛性がポイント。力強く洗礼されたエクステリアデザインと、上質なインテリアデザインが今でも高く支持される要因でしょう。
スズキ カプチーノ
画像引用:スズキ
基本スペック | |
寸法 (長/幅/高)㎜ |
3295/1395/1185 |
室内寸法 (長/幅/高)㎜ |
– |
車両重量 ㎏ | 700 |
総排気量 L | 0.657 |
燃料消費率 (WLTCモード) |
– |
乗車定員 | 2 |
車両本体価格 | ¥1,458,000~ |
中古車相場価格 | 46~500万円 |
1991年に発売が開始され、7年後の1998年には生産が終了してしまったスズキのカプチーノ。今でも復活を待ち望む根強いファンをもつ2シートの軽オープンスポーツカーです。
「思いのままに操縦する楽しさを追求する」ことをコンセプトにつくられたカプチーノは、スポーツカーの要素が強く心地良い走りが楽しめます。
また、世界初となった「フルオープン」「タルガトップ」「Tバールーフ」「ハードトップ」の4通リのルーフが特徴で、リアピラーやボンネットにアルミを使用することで大幅な軽量化を可能にしていることもポイントです。
生産終了してから20年以上経過した今でも、中古車であれば購入が可能。気になる方はぜひ現物を探してみてはいかがでしょうか。
スズキ ジムニー
画像引用:スズキ
基本スペック | |
寸法 (長/幅/高)㎜ |
3395/1475/1725 |
室内寸法 (長/幅/高)㎜ |
1795/1300/1200 |
車両重量 ㎏ | 1040 |
総排気量 L | 0.657 |
燃料消費率 (WLTCモード) |
– |
乗車定員 | 2 |
車両本体価格 | ¥1,458,000~ |
中古車相場価格 | 52~400万円 |
スズキ ジムニーは、2024年となった現在でも新車で購入できるミッショングレードのある軽自動車です。世代を問わず高い人気をもち、その人気のあまり新車の納期は半年以上かかる異例の納期となっています。
オフロード走行を得意とする本格派SUVで、市街地だけでなく、凹凸の険しい山道や、ぬかるんだ足場の悪い道でもグングン突き進む高い突破性が魅力です。
また、ジムニーは全グレードにオートマ車・ミッション車が用意されていることが大きな特徴。ミッション車を条件にしても選べるグレードの数は変わりません。
海外からも人気が高く、中古車市場でジムニーを探しても、いまいち値が落ちていないため購入費用を抑えて車を購入しようとお考えの方は気を付けましょう。
ダイハツ コペン
画像引用:ダイハツ
基本スペック | |
寸法 (長/幅/高)㎜ |
3395/1475/1280 |
室内寸法 (長/幅/高)㎜ |
910/1250/1040 |
車両重量 ㎏ | 850~ |
総排気量 L | 0.658 |
燃料消費率 (WLTCモード) |
– |
乗車定員 | 2 |
車両本体価格 | ¥1,888,700~ |
中古車相場価格 | 65~289万円 |
ダイハツが製造・販売するコペンも今でもなお新車で購入できるミッション車のひとつです。軽自動車唯一の2人乗りのオープンカーで、全グレードに共通してルーフの開閉がボタンひとつで操作できるアクティブトップを採用しています。
天気のいい日や、気持ちいい季節には、オープンスポーツカーとして楽しむことも可能です。
親しみやすいデザインからスポーティなデザインまで、4つのデザインから好みのモデルを選べます。また、選べるのはエクステリアデザインだけではありません。インテリアのシートやインパネまわりのカラーもブラックやアイボリーのほかに、個性的なレッドもあり、オリジナリティを楽しめることもポイントです。
スズキ ハスラー
基本スペック | |
寸法 (長/幅/高)㎜ |
3395/1475/1665 |
室内寸法 (長/幅/高)㎜ |
2035/1295/1250 |
車両重量 ㎏ | 750 |
総排気量 L | 0.657~ |
燃料消費率 (WLTCモード) |
– |
乗車定員 | 4 |
車両本体価格 | ¥1,120,900~ |
中古車相場価格 | 17~179万円 |
現行モデルのハスラーは全てオートマ車となっていますが、初代ハスラーにはミッション車の選択があります。
全体的に丸みを帯びた可愛いデザインが特徴で、ポップなカラーバリエーションが豊富にあることから女性にも人気の高い軽自動車です。
個性的なエクステリアに対して、インテリアはシンプルで親しみやすいデザインになっています。収納スペースも多く設計されているので、使い勝手の良い軽自動車だと言えるでしょう。
軽SUVに分類されるハスラーは、オフロード走行が得意でアウトドアシーンにも最適。キャンプや釣りなどが趣味の方にもおすすめです。
また、グレードによってはターボエンジンを搭載したグレードがあることもポイント。高速道路などの高速走行時にも軽快な走りが可能になります。
スズキ ワゴンR
基本スペック | |
寸法 (長/幅/高)㎜ |
3395/1475/1650 |
室内寸法 (長/幅/高)㎜ |
2450/1355/1265 |
車両重量 ㎏ | 730~ |
総排気量 L | 0.657 |
燃料消費率 (WLTCモード) |
23.0km/L~ |
乗車定員 | 4 |
車両本体価格 | – |
中古車相場価格 | 20~168万円 |
スズキのロングセラー「ワゴンR」もミッショングレードのある軽自動車です。最新モデルから1つ前の2017年モデルにもミッショングレードがあり、インパネセンターポケットやセパレートタイプのフロントシートなど、ミッション車専用の装備も備わっています。
飽きの来ないシンプルなデザインで、幅広い世代から支持を集めるワゴンRは、セカンドカーをお探しの方や家族で車をシェアしている家庭にもおすすめです。
ちょうどいいサイズ感で扱いやすいワゴンRは家族の送り迎えや近所の買い物など日常の足としても最適。
ロングセラー車であるため、中古車市場での流通量も多く、予算内のワゴンRを見つけられる可能性も高いでしょう。
中古軽自動車のミッション車はこんな人におすすめ!
自動車市場の主流はオートマ車ですが、ミッション車ならではの操縦している感じがお好きな方もいらっしゃることでしょう。少しコツがいるからこそ、上手く運転できたときの楽しさは特別なものです。
しかし市場でのミッション車の数は減少傾向であり、新車でミッション車を購入するとなると選択肢が狭くなってしまいます。
そのため、ミッション車は中古車も視野に入れて車探しを行うことがおすすめです。中古車に抵抗のない方が中古軽自動車のミッション車が向いていると言えるでしょう。
中古軽自動車のミッション車をお探しの方は軽の森にご相談ください!
ミッション車は市場では少なくなってきているものの、根強いファンがいるのも事実。
ミッション車にこだわってお車を探したい方は、ぜひ中古軽自動車も視野に入れてお車探しを行ってみてください。
今回ご紹介してきたのは、南大阪を拠点にする軽自動車の未使用車専門店「軽の森」です。国内オールメーカーの車を取り扱い、総在庫は800台と豊富な品揃えが軽の森の強み。異なるメーカーの車を1店舗で見比べられるので複数のお店を行ったり来たりする手間も省けます。また、軽の森スタッフも中立的な立場で車のご説明をさせていただけることもメリットです。
届出済未使用車の専門店ではありますが、一部走行歴のある中古車のお取り扱いや、新車でのご購入も承っております。お車をお探しの方はぜひお気軽にお立ち寄りください。メールやお電話でのお問い合わせもお待ちしております。
出典
ホンダ
(ビート)
ダイハツ
(コペン)