乗用車であれば初回は3年、2回目以降は2年に1度の頻度で車検を受けなくてはいけません。
その際に必要な書類は、車検の受け方によって変わります。お店車検・ユーザー車検・軽自動車・普通車のそれぞれの場合で必要な書類やかかる時間・料金・注意点などをまとめました。
必要なものは車検の受け方で異なる
車検時に必要となる書類は、車検の受け方や軽自動車であるのか普通車であるのかによって異なります。
詳しい違いをみていきましょう。
「お店車検」と「ユーザー車検」の違い
車検を受ける方法は2種類あり、自動車ディーラーやカー用品店などのお店で受ける「お店車検」、検査場に車の所有者自身で車を持ち込んで受ける「ユーザー車検」があります。
「お店車検」で車の所有者が用意すべき書類は最低限のものですが、「ユーザー車検」ではすべての手続きを自身で行うため取得したり記入する書類が多くなります。
また、それぞれ以下のような特徴があります。
お店車検 |
|
ユーザー車検 |
|
「軽自動車」と「普通自動車」の違い
軽自動車と普通自動車では、車検を受ける時の窓口や必要な書類が異なります(ユーザー車検の場合)。
車検を受ける窓口は以下の通りです。
車検を受ける窓口 | |
軽自動車 | 軽自動車検査協会の事務所・支所 |
普通自動車 | 運輸支局 |
必要な書類については、内容的には軽自動車も普通自動車も同じものです。ですが軽自動車と普通自動車では税金の名称が違うので、納税証明書や申請書の名称に違いがあるということを覚えておきましょう。
【お店車検】必要な書類
車検証(自動車検査証)
(▲写真は軽自動車の車検証)
車検の有効期限や、車の情報が記されている書類です。車検を受けると更新されます。
公道を走る時には車内で車検証を携えておくことが義務付けられているので、更新した車検証は忘れてしまう前に車内に保管しておくことをおすすめします。
自賠責保険証明書
原動機付自転車を含む全ての自動車を対象に法律により加入が義務付けられている保険で、未加入だと車検も通りません。
車検のタイミングで次の車検までの期間分をまとめて支払う方が大半で、車検証と合わせて保管しておくといいでしょう。
自動車税(軽自動車税)納付証明書
毎年5月頃に送られてくる納付書。車検を受ける際にはこの納付証明書が必要になるので捨てずに保管しておきましょう。
もし紛失してしまった場合には軽自動車なら市役所で再発行をしてもらえ、普通車の場合には陸運局で証明書の発行が可能です。
注意したい点は、自動車税(軽自動車税)をインターネットバンキングやクレジットカードなどの電子決済で行った場合、納付証明書は後日郵送となり、すぐに手元に届かないというところです。
また電子決済を行った場合、支払ったというデータの反映が4週間ほどかかるとされているため、自動車税納付時期と車検の時期が重なりそうな場合は現金での支払いをお勧めします。
【ユーザー車検】必要な書類
車検証
(▲軽自動車の車検証)
(▲普通車の車検証)
軽自動車はうすい緑色、普通車は青色の車検証です。通常のお店に依頼する時と同様に車検証は必須です。
車の情報が細かく記されていて、公道を走る時には所持していないといけないので車内に保管しておきましょう。
軽自動車税納税証明書(普通車は自動車税納税証明書)
(▲写真は軽自動車税納税証明書)
4月1日の時点でお車を所有している方を対象に納税義務が発生します。
これも依頼する場合と同様に、車検を受ける際に必要になるので捨てずに保管しておきましょう。
もし紛失してしまった場合には軽自動車税納税証明書は市役所で再発行してもらえます。自動車税納税証明書は車の管轄が軽自動車とは異なる為、紛失した場合は市役所ではなく地域の税事務所に出向く必要があります。
自動車税納税証明書は省略可能
軽自動車や二輪車とは異なり、普通車に限っては条件を満たしていると自動車税納税証明書を省略できる場合があります。
・継続検査であること |
電子的に自動車税の納税情報を確認する仕組みが構築されたことにより、自動車税納税証明書の省略が可能になりました。
システム処理などにより、データが反映されるまでに10日程度要する為、納税後直ぐに車検を受ける場合には納税証明書の提示が必要となる為注意しましょう。
継続検査申請書
ご家庭でダウンロードして準備した場合、検査場での読み取りが上手くいかない可能性もある為、検査場で当日配布される用紙を利用することをお勧めします。
車体番号や走行距離を記入する為、記入前に確認しておきましょう。
自動車重量税納付書
検査当日に窓口で用紙をもらいます。
重量税分の印紙を購入し、この用紙に張り付けます。
自動車(軽自動車)検査票
(▲写真は軽自動車検査票) 画像引用:ユーザー車検完全攻略マニュアル
当日に窓口で配布されるので事前準備は必要ありません。
一見難しい書類に見えますが、車の情報を記入する程度なので難しくはありません。
現物は検査場の窓口にて配布された用紙を使用します。都道府県によりデザインが多少異なる場合もありますが、記入事項は共通です。
自賠責保険証明書
自賠責保険証明書が無いと車検を通すことが出来ません。
依頼する場合には依頼業者が代行して更新を行ってくれますが、ユーザー車検の場合はご自身で更新を行っておく必要があります。
万が一紛失してしまった場合には、加入している保険会社に再発行を依頼しましょう。
点検整備記録簿
車を購入すると基本的にもらうことになるメンテナンスノート。
このメンテナンスノートを持って整備工場などに法定点検を受けに行くと点検整備記録簿が入手できます。
点検整備記録簿もユーザー車検を受ける為に必要な書類です。
ユーザー車検は手続きを全て自分自身で行うため、お店車検に比べ多くの書類を用意しなければなりません。お店を介さない為費用を浮かせることが出来ますが、全て自分で行わないといけない上に不備があると車検が通らない為、ハードルが高いのも事実です。
車検に必要な書類を揃えるのにかかる時間と費用
車検に必要な書類を揃えるにはどのくらいの時間と費用がかかるのでしょうか。
お店に車検を依頼する場合は必要な書類が少なく、お店が代行して書類を揃えてくれるため、ここではユーザー車検時に必要な書類を揃えるのにかかる時間や費用について見ていきたいと思います。
必要な書類 |
揃えるのにかかる時間 |
費用 |
車検証 | – | 0円 |
自賠責保険証明書 |
30分程度 |
軽自動車 20,310円 (25ヶ月分) 自家用乗用車20,610円 (25ヶ月分) |
(軽)自動車税納税証明書 | – | 0円 |
継続検査申請書 | – | 0円 |
自動車重量税納付書 | – |
印紙代 1,800~2,300円 |
(軽)自動車検査票 | – | 0円 |
点検整備記録簿 | 数時間~数日 |
法定点検費用 2万~5万円 |
■車検証・自賠責保険証明書
車検証に関しては常に車内に携帯しているもので、用意するのに時間や費用は必要ありませんね。
自賠責保険証明書は依頼する場合には依頼先が自賠責保険の継続手続きを行ってくれる為、更新前の証明書を持って行くだけですが、ユーザー車検を受ける場合にはご自身で継続手続きを行う必要があります。
自賠責保険の更新手続きは、運輸局や損保会社の窓口でできます。ただし軽自動車検査協会では自賠責保険の窓口が無いので、軽自動車所有者は損保会社の窓口で行いましょう。
窓口の込み具合によりますが、更新手続き自体は30分程度で済みます。
料金は25ヶ月分で軽自動車の場合20,310円、自家用乗用車で20,610円となっております。
■(軽)自動車税納税証明書
5月頃に納税書が送られてくるので、捨てずに保管しておきましょう。万が一紛失してしてしまった場合は税事務所(軽自動車は市役所)で再発行をしてもらいましょう。
費用は基本的には不要で即日発行をしてもらえます。身分証明書や車検証、印鑑が必要になる場合もあるので気をつけましょう。
■継続検査申請書
検査当日に検査場の窓口で配布されます。この申請書に費用はかかりません。
■自動車重量税納付書
継続検査申請書同様に検査当日に運輸支局の窓口で配布されます。必要事項を記入の上、ご自身の先2年分の重量税分の印紙を購入して、納付書に張り付けて提出します。
■(軽)自動車検査票
検査票も当日窓口で配布されます。
主に車の情報を記入するだけなので費用や時間はかかりません。
■点検整備記録簿
ユーザー車検を受けるときには車の点検や整備を行い、点検整備記録簿に作業内容を記録します。自分で行うのに自信がない方は、整備工場などへ車を持っていき点検を受けましょう。
金額や時間は整備工場などによって異なります。相場はおおよそ2万円~5万円程度となっており、所要時間は整備箇所の数によって数時間から数日かかることもあるでしょう。
車検に必要な書類を無くした場合は?
車検に必要な書類を無くしてしまった場合、いずれの書類も再交付の手続きを行うようにしましょう。
車検証を無くした場合
普通車だったら運輸支局で、軽自動車だったら管轄する軽自動車検査協会の事務所で、必要書類などを用意し再発行の手続きをします。
再発行の申請時に必要な書類
申請書 | 運輸支局、軽自動車検査協会事務所の窓口で入手。運輸支局のHPから申請書をダウンロードすることも可能。 |
理由書 | 紛失した理由を記入。申請書に理由が記してあれば不要。 |
手数料納付書 | 自動車検査登録印紙代350円 |
本人確認ができるもの | 運転免許証、健康保険証、外国人登録証明証、パスポートなど。顔写真付き、又は氏名と住所が確認できる身分証明書 |
車検証が汚れてしまった、破れてしまった等で再発行したい場合は、き損した車検証も持参しましょう。
代行業者やディーラーなど本人ではなく代理人が再発行手続きを行う場合は、車の使用者の委任状も用意する必要があります。
自賠責保険証明書を無くした場合
自賠責保険証明書を無くした場合は、加入している保険会社で再発行の手続きを行いましょう。
再発行の申請時に必要な書類
再交付申請書 | 保険会社の窓口にて入手。またはHPからダウンロード可能。 |
本人確認ができるもの | 運転免許証、健康保険証、印鑑証明書、パスポート、社員証(学生証) |
保険会社の窓口で再発行の手続きを行います。保険会社によっては、必要書類を郵送して再発行手続きを行うことも可能です。
自動車税納税証明書(軽自動車税納税証明書)を無くした場合
自動車税納税証明書または軽自動車税納税証明書を無くした場合は、それぞれ再発行手続きを行う場所が異なります。
再発行の申請時に必要な書類
・車検証 |
・支払った事実を証明できる通帳など |
・本人確認ができるもの(運転免許証、健康保険証など) |
・印鑑 |
普通車、軽自動車ともに上記の書類等をそれぞれの手続き場所に持参し、再発行を行いましょう。
車検当日に必要な書類以外のもの
車検を受けるときに必要なものは書類以外にもあります。
どんなものが必要なのかしっかりと確認し、当日忘れずに持参するようにしましょう。
・印鑑
・車検費用
・発炎筒
・タイヤ・ホイール盗難防止用ナット(ロックナットアダプター)
印鑑
車検の手続きには使用者の印鑑が求められる場合もあります。自筆で済む場合もありますが、印鑑があればスムーズに手続きが済むので持参するようにしましょう。
実印ではなく認印でOKですが、ゴム印やシャチハタは認められないので注意しましょう。
車検費用
ユーザー車検も整備工場等へ依頼する場合も車検費用が必要です。
金額は車の状態や整備内容により異なりますので、前もって見積もりしてもらい余裕をもった金額を用意しておくと安心です。
発炎筒
発炎筒は、緊急時に後続車に対し前方に障害物などの危険があることを知らせるもので、道路運送車両法の保安基準により車に搭載することが義務付けられています。
車検は保安基準を満たしているかどうかの検査なので、発炎筒が搭載していなければ車検に通りません。
あまり使用頻度の高いものではないので忘れがちですが、しっかりと車内に携帯しておきましょう。
タイヤ・ホイール盗難防止用ナット(ロックナットアダプター)※取り付けている場合のみ
タイヤ・ホイールに盗難防止用のロックナットを取りつけている場合、それを取り外すアダプターを持参する必要があります。
車検整備のときにはタイヤを外す工程があるので、取り付けている盗難防止用ナット専用のロックナットアダプターがないと外すことができません。
(任意保険の保険証券)
必ず必要なわけではありませんが、お店車検で代車を利用する場合などに、万が一事故が発生したら使用者本人が加入している任意保険を優先的に使用する場合もあります。
保険加入の有無を確認するためにも必要な場合があるので、加入しているならば念のため持参しましょう。
車検に必要な書類を用意する際の注意点
車検をスムーズに受けることができるよう、必要書類を用意する際に気を付けたい注意点を確認しておきましょう。
- ・更新時期の確認
- ・書類の有効期限切れや内容の不備には注意
- ・書類だけの車検は違法行為
更新時期の確認
次の車検をお知らせする通知等が、公的機関から送られてくることはありません。ですから車検更新の時期は自身で管理しなければなりません。
ディーラーや購入店舗、前回車検を受けた業者から次の車検の時期を知らせる通知が届く場合もありますが、引越しなどして住所が変わった際には届かない場合もあるので注意しましょう。
-
書類の有効期限切れや内容の不備には注意
車検時に必要な自動車税の納税証明書はきちんとあるか、内容も確認し今回の車検で必要な年度のものかも必ずチェックしておきましょう。
自賠責保険の証明書も有効期限内であるか確認しましょう。自賠責保険は期限が切れていると「無保険運行」となり、一発免停の対象となる重大な交通違反ですので注意しましょう。
書類だけの車検は違法行為
不正改造などを行うと車検が通らなくなります。こういった方が利用する、整備・検査を行わずに書類だけで車検を通してしまうことを「ペーパー車検」「闇車検」などと呼びます。
適切な整備・検査をせずに車検を通してしまうことは違法行為となり整備工場だけでなく、依頼した本人も罰せられます。大きなリスクを背負うことになるので、「バレなければ大丈夫」といった考えは捨ててきちんと車検を受けましょう。
車検に必要な費用を抑える方法
車検を受けるときに必要となる書類はどこで車検を受けても基本的に一緒ですが、車検に必要な費用は受けるお店や整備内容によって異なります。
車検にかかる費用を少しでも抑えることができればうれしいですよね。ここでは、車検費用を抑える方法をご紹介します。
お店によって整備内容や費用が異なる
車検をお店に依頼する場合、お店によって整備内容の価格設定に違いがあることから費用に差があります。ですから一つのお店だけに決めてしまうのではなく、複数のお店から比較検討することをオススメします。
また手間はかかりますが、自身で行うユーザー車検を行えば車検費用をかなり抑えることができます。
見積もりで内容をチェックする
お店で車検を受ける際には事前に見積もりを出してもらいましょう。どんな整備を行い、いくらかかるのか見積もりで確認することができます。
内容を見て、急を要する整備なのかそうでないのかを確認し、費用を抑えることもできます。
自動車のことでお困りなら「軽の森へ」
費用を抑えるという点では、どこに依頼するよりも安く抑えられるユーザー車検ですが、手間や時間がかかる上に検査場でも検査員の方の指示に合わせて車の操作等も全て自分自身で行わなければならない為知識が浅い状態ではおすすめ出来ません。
ユーザー車検に比べると費用はかかってしまいますが、プロに依頼する方が安心安全に車検を通すことが出来ますよ。
軽の森のマッハ車検は指定工場を持ち『早い』『安い』『安心』をウリにしています。コーヒーを飲んでいる間に車検が終わっているので、手間もかからずおすすめです。