軽自動車のドアをぶつけたりキズをつけてしまったりしたとき、「軽自動車のドア交換にはいくらかかるんだろう」
、「交換するべきか修理するべきか分からない」といった疑問や不安を抱いてしまう方も多いのではないでしょうか。
この記事では、軽自動車のドア交換費用の相場について詳しく解説します。また、軽自動車のドア交換費用を抑える方法や、交換か修理かを判断する基準なども紹介します。
この記事に目を通すことで、業者によって異なるドア交換費用の相場を把握でき、交換を依頼するか修理を依頼するか判断する材料を得られるでしょう。軽自動車のドア交換でお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。
軽自動車のドア交換費用の相場はいくら?

ドア交換の費用は、車種やパーツの種類、依頼する業者、必要な塗装・装備内容によって大きく変わります。
ここでは、国産車と輸入車に分けて相場を紹介し、依頼先ごとの特徴も解説します。
・国産車
・輸入車
・依頼先によって費用は変動する
国産車
国産の軽自動車のドア交換費用は、平均で約5万円から10万円程度です。この金額には「ドア交換代」や「板金・塗装修理費用」、「工賃」などが含まれています。
例えば、スズキやダイハツなどの主要メーカーの軽自動車では、メーカー純正部品を使うと高額になります。一方、社外品やリビルト品を使用すれば、部品代を半分程度に抑えることも可能です。加えて、傷の大きさやドアの種類(フロントドアかリアドアか、スライドドアか)によって作業時間が変わり、費用に影響します。
輸入車
軽自動車は日本独自の規定のもと作られた車であるため、「輸入車の軽自動車」というのは存在しませんが、欧州系のコンパクトカーなどを例にして説明します。
輸入車のコンパクトカーだとドア交換費用は10万円から20万円程度になることが多いです。
輸入車は部品の取り寄せに時間がかかり、パーツ代も割高です。また、塗装の色合わせが難しく、修理・交換を依頼する工場の技術力も問われます。そのため、国産車よりも費用が1.5倍から2倍に跳ね上がることも珍しくありません。
依頼先によって費用は変動する
ドア交換の費用は、どこに依頼するかによって大きく異なります。各業者の特徴と費用相場を理解し、自身の状況に合った依頼先を選ぶことが重要です。
依頼先 | 特徴 |
ディーラー | 高額だがメーカー保証や純正部品使用で安心 |
整備工場 | 柔軟な対応が可能で費用も中間的 |
ガソリンスタンド | 軽作業中心だが一部板金・塗装対応可能 |
カー用品店 | 一部修理受付だが専門工場に外注することが多い |
ディーラー
ディーラーにドア交換を依頼する場合、費用は最も高額になることが一般的です。理由は以下の通りです。
- メーカー純正部品を使用するため部品代が高い
- 熟練の整備士による整備と交換作業
- 修理後の車検適合やメーカー保証が受けられる
とくに、新車購入時の保証期間内であれば、純正パーツ交換によるメリットがありますが、保証外の場合は費用が高く、10万円以上かかることもあります。ただし、安心感と信頼性を重視したい方にはおすすめです。
整備工場
町の整備工場は、費用を抑えつつも柔軟な対応が期待できます。
- 純正部品・社外品・リビルト品から選択可能
- 板金・塗装の職人が在籍し、修理も対応可能
- 部品持ち込みに対応してくれる場合がある
費用は平均5万円から8万円程度で、作業内容によってはさらに抑えることも可能です。ただし、整備工場ごとに技術力や得意分野に差があるため口コミや実績の確認が重要です。
ガソリンスタンド
意外に思われるかもしれませんが、一部の大型ガソリンスタンドでは板金・塗装を含む計修理を受け付けています。
- 他より費用が安い場合がある
- 部品交換より簡易修理が中心
- 提携工場に外注するケースが多い
費用は3万から6万円程度と比較的安価ですが、複雑な整備や精度を求めている場合には向いていません。簡易的なへこみ修理や塗装修正に限定されることが多いです。
カー用品店
オートバックスやイエローハットといったカー用品店でも、ドア交換の相談が可能です。
- 自社工場を持たないため外注が中心
- 見積もりや相談は無料で受けられることが多い
- 小規模修理やパーツの手配が得意
費用は6万円から9万円程度と中間的ですが、修理の内容次第では専門業者に依頼した方が確実です。小さなキズや凹み修理であれば十分対応可能ですが、大規模な交換や特殊塗装が必要な場合はディーラーや整備工場が向いています。
軽自動車のドア交換費用が高い理由

ドア交換費用は、単純に「部品代」だけでは済まず、交換作業や整備、塗装などの高度な工程が必要なため高額になります。ここからは、主な理由を解説します。
・技術力が求められるから
・ドア以外にも修理が必要なことがあるから
・スライドドアの交換費用はさらに高くなる?
技術力が求められるから
ドア交換は、単にドアを付け替えるだけの作業ではありません。新しいドアの取り付け、精密な位置調整、配線の接続、そして元のボディ色に合わせた塗装など、非常に多くの工程と高度な技術力が求められます。
とくに、ドアのチリ合わせや、パワーウィンドウ、ドアロックなどの内部構造の組付けには専門的な知識と経験が必要です。これらの複雑な作業には熟練した技術者が長時間をかけて対応するため、工賃が高額になります。
見えない技術に対する対価であることが、ドア交換費用が高い原因のひとつです。
ドア以外にも修理が必要なことがあるから
ドアの損傷が大きく、交換が必要な場合、衝撃がドア以外の周辺パーツにまで及んでいる可能性があります。例えば、ドアが取り付けられる車の骨格部分である「ピラー」や、車体側面下部の「サイドシル」などにへこみや歪みが生じているとドア交換とは別に修理が必要となり、その費用が加算されることが高額になる原因です。
とくにピラーやサイドシルの修理は、車の安全性に直結するため、専門的な技術と高額な費用(1カ所あたり5万~10万円前後)がかかってしまうでしょう。
なお、骨格部分に損傷があり、これを修理・交換すると「修復歴有り」となり車の売却時に査定へ影響を及ぼします。損傷が大きい際には注意しましょう。
スライドドアの交換費用はさらに高くなる?
軽自動車のなかには、利便性の高いスライドドアを搭載している車種も多くあります。スライドドアは通常のヒンジドアと比較して開閉機構が複雑であり、モーターやセンサー、ローラーなどの部品が多岐にわたります。
そのため、スライドドアの交換費用は通常のドアよりもさらに高くなる傾向があり、注意が必要です。
国産車のスライドドア交換費用は、10万円前後が相場ですが、車種によっては15万円~20万円、あるいはそれ以上かかることもあるでしょう。
スライドドアは利便性と引き換えに、修理・交換が必要となった際に修理にかかる時間やお金が高くなります。
軽自動車のドア交換費用を抑える方法

交換費用が高額になるとわかれば、少しでも費用を抑えたいと考える方も多いでしょう。以下に代表的な方法を紹介します。
・リビルド品を検討する
・板金塗装業者に依頼する
・複数の業者から見積もりを取る
リビルト品を検討する
新品の純正部品ではなく、リビルト品や中古パーツを利用することで、部品代を大幅に削減できます 。リビルト品とは、使用済みの部品を分解・洗浄し、消耗部品を新品に交換して再組み立てされたもので、新品と同等の性能と耐久性を持つとされています 。
また、修繕を施したメーカーで保証が付帯している場合も多く、品質面での安心感があります 。中古パーツは、そのまま再利用される部品で、リビルト品よりもさらに安価ですが、品質や状態をよく確認する必要があります 。社外パーツも、純正パーツと同等の性能を持ちながら価格が抑えられている選択肢として検討できます 。
板金塗装業者に依頼する
ドア交換をディーラーに依頼すると、ディーラーは自社で板金塗装を行わず、外部の専門業者に外注することが一般的です 。この際、ディーラーの中間マージンが上乗せされるため、費用が高くなります。費用を抑えたい場合は、この中間マージンをカットするために、直接板金塗装業者に依頼することをおすすめします 。板金塗装業者は、修理の専門家であり、ディーラーよりも安価に高品質な修理を提供できる可能性があります 。
複数の業者から見積もりを取る
ドア交換にかかる費用は業者によって異なるため。同じ作業内容であっても数万円以上の差が生じることも珍しくありません。
そのため、費用を抑えるにはなるべく複数の業者で見積もりをとってもらい、相場を確認してから自分に合った業者を選ぶことがおすすめです。
なお、見積もりを取る際には総額だけでなく、内訳や使用する部品なども確認しておきましょう。
相見積もりを取ることで、値段交渉も行いやすくなりますが、業者によってクオリティも異なるため値段だけで業者を選んでしまわないよう注意が必要です。
ドア交換か修理かを判断する基準

ドア交換が本当に必要か、それとも修理で済むのかは状況によって判断が分かれます。ここでは判断基準を紹介します。
・へこみや損傷が大きい
・カーボンやアルミ素材が使用されている
・大きな衝撃が原因でへこんだ場合
へこみや損傷が大きい
ドアに生じたへこみや損傷が大きく、板金修理では対応が難しいと判断される場合は、ドア交換が必要になります 。へこみ自体は大きくなくても、傷がついた場所によっては車の内部に致命傷を及ぼしている可能性があり、この場合も修理では対応できなくなるため交換が必要となります 。
一般的なドライバーには判断が難しいため、小さなへこみでも油断せず業者に判断を仰ぐことが推奨されます 。
カーボンやアルミ素材が使用されている
ドアの素材がアルミやカーボンなどの特殊な素材でできている場合、損傷の度合いに関わらず交換が必要になることがほとんどです 。これらの柔らかい素材は、鉄と異なり板金作業で形を修復するのが難しい傾向にあるため、たとえ傷が小さくてもドアは交換となる可能性が高いです 。
大きな衝撃が原因でへこんだ場合
交通事故などで大きな衝撃が原因でドアがへこんだ場合も、ほとんどの場合交換が必要となります 。ドア自体に大きなダメージが見えなくても、内部が大きく損傷している可能性があるためです 。
特に、一方的に被害者である場合は、保険金を利用して修理を行うことで費用負担を抑えることが可能です 。安全のためにも、へこみ具合がひどくなくても専門業者に診断を依頼することが安心に繋がります 。
軽自動車のドア交換をする前に確認しておくべきこと

軽自動車のドア交換は高額な費用と時間を要する作業であり、その決断には慎重な検討が求められます。交換を依頼する前に、以下の重要な点を確認しておくことが賢明です。
・次年度から保険料が高くなる
・査定に影響が及ぶ
・中古パーツの使用は状況をよく確認する
・交換には1週間程度かかる
・乗り換えたほうが安くなる場合もある
次年度から保険料が高くなる
車両保険に加入している場合、ドアの交換や修理費用を保険で補うことは可能です 。しかし、保険を使用すると車両保険の等級がダウンし、翌年度から保険料が上がる可能性があることに注意が必要です 。事故で保険を使用すると3等級ダウンとなるケースが一般的であり、長期的に見ると自己負担した方が総支出が安くなることもあります 。
保険会社による状態確認や見積もりが必要となるため、修理期間が長引く可能性もあります 。そのため、見積もりを取った上で、保険会社に相談し、保険を使用するかどうかを慎重に判断することが推奨されます 。
査定に影響が及ぶ
ドア交換のみで済む場合、車の査定への影響は大きくないことが一般的です 。車のドアは、修復歴車の統一基準における「骨格(フレーム)」には該当しないため、交換や修理をしていても「修復歴車」にはなりません 。
しかし、事故などでピラーやルーフパネル、フロアなどの骨格部分に損傷を受け、ドア交換と同時にこれらの修理をしている場合は修復歴車とみなされるため、査定額に大きく影響する可能性があります 。修復歴がある場合は、数十万円減額されることもあります 。
査定時に修復歴や修理歴を意図的に隠すことは「告知義務違反」にあたり、後で発覚した場合、業者からの不信感や査定額のさらなる減額に繋がる可能性があるため、正直に報告することが重要です 。
中古パーツの使用は状況をよく確認する
費用を抑えるために中古パーツやリビルト品を検討する際は、その品質と状態をよく確認することが不可欠です 。リビルト品は消耗部品が新品に交換されているため、新品と同等の性能と耐久性を持つとされますが、品数が少なく適合品が見つかりにくい場合があります 。
中古パーツはさらに安価ですが、外観だけでなく、開閉に関するセンサーやリレー、配線など、内部構造の不具合がないか、専門家による確認が望ましいです 。また、色合わせが完璧でない場合もあるため、事前に確認しておく必要があります。
交換には1週間程度かかる
ドアの交換は、軽度の傷やへこみの修理とは異なり、比較的長い期間を要します。新しいドアがあれば1週間程度、ドアの取り寄せが必要な場合には半月程度の時間がかかることが一般的です 。ドア・クォーターパネルの修理期間は5日〜1週間とされています 。
これは、ドアの取り外し、新しいドアの取り付け、精密な調整、塗装、内部配線の接続など、多くの複雑な工程が必要となるためです 。修理期間中は代車が必要となる場合もあるため、事前に業者に確認し、スケジュールに余裕を持って依頼することが重要です。
乗り換えたほうが安くなる場合もある
ドアの損傷が非常に大きく、交換費用が高額になる場合、特に車両の年式が古い、走行距離が多い、または他の部分にも不具合があるといった状況では、修理よりも車を乗り換えた方が経済的に合理的な選択となることがあります 。
ドア交換費用が10万円を超える高額な出費となることを考慮すると 、車の現在の市場価値と修理費用を比較し、新しい車や状態の良い中古車への乗り換えも視野に入れるべきです 。この判断には、修理費用の見積もりと、現在の車の査定額、そして乗り換えを検討する車の価格を総合的に比較検討することが求められます。
軽自動車のドア交換に関するご相談は軽の森へ!
軽自動車のドア交換は、決して安価な修理ではありません。費用は損傷の程度や車種、依頼する業者によって大きく変動し、とくに工賃が費用の大半を占める構造となっています。スライドドアの場合は、その複雑な構造からさらに費用が高くなる傾向があります。
費用を抑えるためには、リビルト品や中古パーツの活用、ディーラーを介さずに直接板金塗装業者に依頼すること、そして複数の業者から見積もりを取り比較検討することが効果的です。また、修理か交換かの判断は、凹みの大きさ、ドアの素材、衝撃の原因などを総合的に考慮して