「ハイゼット」と「アトレー」は、ダイハツが販売する軽バンとして人気の車種ですが、その違いは見た目以上に多岐にわたります。ビジネス用途として根強い人気を誇る「ハイゼットカーゴ」と、快適性・装備面で日常使いにも対応する「アトレー」。
本記事では、ボディサイズ・燃費・装備・内装・価格・カラーなどあらゆる視点から徹底比較し、どちらがどんな人におすすめかまで詳しく解説します。購入を検討中の方はぜひご一読ください。
ハイゼットカーゴとアトレーの違いを徹底比較

ハイゼットカーゴとアトレーは、共にダイハツ製の軽バンですが、主に「用途」「装備」「価格」「燃費」の面で異なります。
ビジネス向けに設計されたハイゼットカーゴと、趣味や日常使いに向いたアトレー、それぞれの違いを詳しく見ていきましょう。
・ボディサイズや4ナンバーである点は同じ
・用途の違い
・燃費・パワーの違い
・新車価格・グレードの違い
・ボディカラーの違い
・安全装備はアトレーがやや上回る
ボディサイズや4ナンバーである点は同じ
ハイゼットカーゴとアトレーは、共に軽商用車規格である「4ナンバー」に分類されます。ボディサイズも共通で、全長3,395mm、全幅1,475mm、全高1,875mmと、日本の軽自動車規格をフルに活用した設計です。最小回転半径は4.2mで、狭い路地や住宅街でも小回りが効きます。
このサイズにより、狭い駐車スペースや配送先でもストレスなく取り回しが可能です。さらに、荷室スペースの広さも共通点であり、最大積載量は350kg。走行距離を重ねる配送業務などにも最適です。外観だけで違いを判断するのは難しいため、装備や価格などの詳細なスペックの違いを把握することが重要です。
用途の違い
両車は同じボディをベースとしながら、開発コンセプトが異なります。ハイゼットカーゴは「商用車」としての実用性重視、アトレーは「日常使い」を想定した快適性重視の設計がされています。
ハイゼットカーゴ:商用目的がメイン
ハイゼットカーゴは、仕事で多くの荷物を積載・運搬することを前提に設計されています。カーゴスペースの広さはもちろん、撥水性のあるシートや簡素で耐久性のある内装が特徴です。
荷室床面地上高は650mmと低く、重い荷物の出し入れもしやすく設計されています。さらに、バン本来の「使い倒せる」堅牢性を重視しており、内外装ともにビジネスシーンでの実用性に優れた仕上がりです。
アトレー:日常使いにも適している
アトレーは、プライベートの使用も意識した作りになっています。フロント周りのデザインは乗用車に近く、LEDヘッドライトやエアロバンパーなど見た目の洗練度も高めです。
さらに、内装にはファブリックシートを採用し、乗り心地にも配慮。後部座席は水平格納式でフラットにでき、キャンプや趣味の道具を積んでのレジャーにも便利です。快適性を求めるユーザーに支持されており、「乗っても使っても快適な軽バン」として人気があります。
燃費・パワートレインの違い
両車ともに660ccのターボエンジンを搭載し、CVTによる滑らかな走行が特徴です。ただし、車両重量や装備の違いにより、燃費性能には若干の差があります。
ハイゼットカーゴ:WLTCモードで14.7km/L~15.6km/L
ハイゼットカーゴの燃費は、WLTCモードで14.7km/L~15.6km/L(グレードにより異なる)です。エンジンは全車ターボ付きで、積載時でも力強い走行が可能です。
CVT(無段変速機)により発進時のスムーズさと高速域での効率性も確保されています。車両重量がアトレーよりも軽く、装備がシンプルな分、燃費面でもわずかに優位です。
アトレー:WLTCモードで14.7km/L
アトレーの燃費は全グレード共通で14.7km/L(WLTCモード)です。ハイゼットカーゴと同じエンジン・CVTを搭載していますが、装備が充実しているため車重がやや重く、その分燃費はハイゼットカーゴよりも劣ります。
ただし、実燃費では大差ない場合も多く、内装や快適装備を重視する方にとっては十分に納得できるレベルの燃費性能です。
新車価格・グレードの違い
価格帯には大きな違いがあり、用途や装備に応じた選び方が求められます。
ハイゼットカーゴ:110万円~
ハイゼットカーゴの新車価格は約110万円〜と、非常にリーズナブルです。エントリーグレードの「スペシャル」から、装備が充実した「クルーズターボ」まで幅広く展開されています。特にCVT搭載車や4WD仕様もラインナップされており、業務用途に最適なバリエーションが豊富です。
また、オプションも最低限に絞られており、車両本体価格を抑えて必要な装備だけを追加できる点が大きな魅力です。
アトレー:163万9,000円~
アトレーの価格は163万9,000円からで、ハイゼットカーゴよりも約50万円以上高い設定です。これは快適装備や内外装の質感向上が関係しています。グレードは「RS」「X」などがあり、標準で両側パワースライドドアやLEDライトを装備。上級モデルではオートエアコンやフォグランプなども搭載され、価格に見合った価値が提供されています。
レジャーや日常使用を想定するユーザーには、十分な満足度が得られる仕様です。
ボディカラーの違い
カラーバリエーションにも差があります。ビジネス用途が多いハイゼットカーゴは実用的な色が多く、アトレーは洗練されたカラー展開が魅力です。
ハイゼットカーゴ:全7色
ハイゼットカーゴのボディカラーは全7色。代表的なカラーは「ホワイト」「シルバー」「ブラック」「ブルー」「グリーン」などで、業務車両として目立ちすぎず、汚れが目立ちにくい実用色が中心です。
中でも「ブライトシルバーメタリック」や「オフビートカーキメタリック」は、人気が高く、耐候性にも優れています。カラーバリエーションの多さから、業種や企業イメージに合わせた選択がしやすい点が強みです。
ブライトシルバーメタリック〈S28〉 | ![]() |
ホワイト〈W19〉 | ![]() |
アイスグリーン〈G62〉 | ![]() |
トニコオレンジメタリック〈R71〉 | ![]() |
シャイニングホワイトパール〈W25〉 | ![]() |
ブラックマイカメタリック〈X07〉 | ![]() |
オフビートカーキメタリック〈G55〉 | ![]() |
アトレー:全6色
アトレーは全6色展開で、乗用車ライクなカラーが揃っています。例えば「レーザーブルークリスタルシャイン」「ファイアークォーツレッドメタリック」など、個性を演出できる色合いが特徴です。
ビジネス用途に加えて、趣味やレジャーで使用する際にも満足感が高く、周囲からの印象も良好です。外観デザインとカラーの組み合わせにより、軽バンとは思えないスタイリッシュな雰囲気を実現しています。
トニコオレンジメタリック〈R71〉 | ![]() |
レーザーブルークリスタルシャイン〈B82〉 | ![]() |
オフビートカーキメタリック〈G55〉 | ![]() |
ブラックマイカメタリック〈X07〉 | ![]() |
ブライトシルバーメタリック〈S28〉 | ![]() |
シャイニングホワイトパール〈W25〉 | ![]() |
安全装備はアトレーがやや上回る
安全装備に関しては、両車とも「スマートアシスト」が搭載されていますが、アトレーの方が標準装備の内容が充実しています。アトレーには「衝突回避支援ブレーキ」「誤発進抑制制御」「車線逸脱警報機能」などがフル装備され、特にレジャーや家族利用時の安心感が高いです。
一方、ハイゼットカーゴも一部グレードでは同様の装備が可能ですが、エントリーグレードではオプション設定となるため、安全性を重視する方は上位グレードの選択が必要です。
ハイゼットカーゴとアトレーの内装や装備の違い

ハイゼットカーゴとアトレーは、外観が似ていても内装や装備には大きな違いがあります。商用車としての実用性を重視したハイゼットカーゴと、乗用車に近い快適性を備えたアトレーの特徴を内装・快適装備に分けて解説します。
・内装の違い
・快適装備
内装の違い
内装の仕上げや素材感、収納の工夫においても両車の方向性は異なります。耐久性を重視したハイゼットカーゴに対し、アトレーは乗員の快適性を重視した設計となっています。
ハイゼットカーゴの内装の特徴
ハイゼットカーゴの内装は、業務での使い勝手を最優先に設計されています。撥水性のあるシートは、雨の日の作業や濡れた衣服での乗車にも対応でき、清掃性にも優れています。
ダッシュボードはシンプルな設計で、カップホルダーや小物入れ、センターコンソールなど収納スペースも豊富。道具や業務用書類などを整理しやすく、長時間の仕事中でも快適に過ごせる工夫が施されています。無駄を省き、実用性に特化した仕様と言えます。
アトレーの内装の特徴
アトレーはファブリックシートを採用しており、手触りや座り心地が優れています。乗用車並みのインテリアデザインが施されており、内装カラーもシックで上質感があります。
特に注目すべきは、リヤシートが水平格納できる「ダイブダウンシート」。これにより荷室空間をフラットに使うことができ、車中泊やキャンプなどにも最適です。収納スペースも適所に配置されており、ドリンクホルダーやサイドポケットなど、日常使用に嬉しい工夫が満載です。
快適装備
快適装備の面ではアトレーが圧倒的に優位です。ハイゼットカーゴは基本装備を中心に構成されており、利便性は高いものの、乗用車的な装備は一部グレード・オプション扱いとなっています。
ハイゼットカーゴの装備
ハイゼットカーゴでは、快適装備は必要最低限に絞られています。エアコンやパワーウィンドウは標準装備されていますが、両側パワースライドドアは「クルーズターボ」「クルーズ(CVT)」「デッキバンG」など限られたグレードのみオプションで装備可能です。
また、LEDヘッドランプやオートエアコンなどは設定がないため、装備の充実度というよりは「実用性と価格重視」の方向性が明確です。コストを抑えつつ最低限の快適性を確保したい方に向いています。
アトレーの装備
アトレーは快適装備が非常に充実しています。RSやアトレーデッキバンには、両側パワースライドドアが標準装備されており、荷物の積み下ろしや乗降の利便性が高いです。
加えて、LEDヘッドライトやフォグランプも標準装備で、夜間の走行時の視認性が大幅に向上します。さらに、オートエアコンも搭載されており、室内温度の自動調整が可能。快適性を追求する方や、家族での使用を想定しているユーザーにとって理想的な装備内容です。
ハイゼットカーゴとアトレーはどちらがおすすめ?

ハイゼットカーゴとアトレーのどちらが自分に合っているかは、使用目的や重視するポイントによって異なります。以下では、それぞれの車種がどんな人におすすめかを具体的に紹介します。
・ハイゼットカーゴがおすすめな人の特徴
・アトレーがおすすめな人の特徴
ハイゼットカーゴがおすすめな人の特徴
ハイゼットカーゴは、コストパフォーマンスを重視し、多くの荷物を積載・運搬するビジネス用途が中心の方に最適な一台です。
多くの荷物を運搬したい人
軽バン最大級の荷室容量を誇るハイゼットカーゴは、運送業・工事業・訪問サービス業などに従事する方にとって理想的な選択肢です。荷室の長さは1,950mm(2名乗車時)と広く、最大積載量は350kg。さらに、荷室の床がフラットで高さも抑えられているため、大型の荷物もスムーズに積み下ろしできます。
コストパフォーマンスを重視したい人
新車価格が110万円台からと非常にリーズナブルなハイゼットカーゴは、維持費を抑えたい中小企業や個人事業主に好評です。軽自動車のため自動車税も安く、走行距離が多くなってもランニングコストが抑えられる点は大きな魅力です。さらに登録費用や保険料も比較的安価で済みます。
鮮やかな色の軽バンが欲しい人
「軽バン=地味」というイメージを覆すのが、ハイゼットカーゴの豊富なボディカラーです。全7色のうち、「ブルーマイカメタリック」や「オフビートカーキメタリック」など目を引くカラーも選べます。自社のイメージカラーに合わせたり、街中でも視認性を高めたりする使い方も可能です。
アトレーがおすすめな人の特徴
アトレーは、レジャーや趣味用途に使いたい方や、快適装備・デザイン性を重視したい方、仕事とプライベートの両立を目指す方に適しています。
レジャー・趣味用途で使用したい人
アトレーはシートアレンジが自在で、水平格納式のリアシートを倒すことで車内がフルフラットになります。このため、アウトドア・釣り・キャンプといったアクティブな趣味にもぴったりです。荷物の積載だけでなく、車内での仮眠や休憩にも対応でき、趣味の幅を広げてくれます。
内装や装備にもこだわりたい人
「軽バンでも快適に過ごしたい」「見た目にもこだわりたい」という方には、アトレーがおすすめです。LEDヘッドライト、オートエアコン、フォグランプ、パワースライドドアといった快適装備が標準で搭載され、運転中や停車中の快適性が非常に高いです。カーゴよりワンランク上の乗り心地が得られます。
仕事にもプライベートにも活躍する車が欲しい人
アトレーは、ビジネスユースと日常使いの「ハイブリッドな使い方」ができる車種です。荷室の広さはそのままに、乗員の快適性や安全装備を備えているため、平日は営業車として、週末はレジャー車としてフル活用できます。見た目もスタイリッシュなため、来客対応や訪問営業でも印象が良く、多用途で使える点が高く評価されています。
ハイゼットカーゴとアトレーに関するご相談は軽の森へ!
ハイゼットカーゴとアトレーは、同じプラットフォームを共有しながらも、その設計思想や装備、価格帯には大きな違いがあります。ビジネスに特化しコストパフォーマンスに優れたハイゼットカーゴ、一方で快適性と装備の充実度を重視するアトレー。どちらを選ぶかは、あなたの用途や重視するポイント次第です。
もしどちらを選べばよいか悩まれている方や、実際に現車を見て比較したい方は、ぜひ「軽の森」までご相談ください。専門スタッフが、お客様の使用目的やご予算、装備のこだわりなどを丁寧にヒアリングし、最適な一台をご提案いたします。お気軽にお問い合わせください。
出典