アトレーの燃費は実際にどう？ライバル車との比較も紹介

「アトレーって軽バンの中で燃費はどうなんだろう？」と疑問に感じている方も多いのではないでしょうか。通勤や仕事、アウトドアなど幅広く活躍するアトレーですが、燃費性能も購入時に重要なポイントです。

この記事では、アトレーのカタログ燃費と実燃費をわかりやすく解説し、ライバル車との比較や燃費を改善するコツまで紹介します。車選びにおいて、失敗したくない方は、ぜひ最後までご覧ください。

 

アトレーの燃費は？

ダイハツ・アトレーの燃費は、カタログに記載されている数値と、実際に走行した際の数値とで異なります。ここでは、それぞれの燃費について詳しく見ていきましょう。

カタログ燃費

カタログ燃費は、自動車メーカーが公式に発表する、特定の試験条件下で測定された燃費の数値です。 現在、日本では「WLTCモード」という国際的な基準が用いられています。このモードは、市街地、郊外、高速道路の3つの走行パターンを組み合わせているため、従来の測定方法よりも実際の運転状況に近い燃費が示されます。

アトレーの場合、2WDモデル・4WDモデル共通で14.7km/Lです。この数値は、あくまでメーカーが定める理想的な環境下での「基準値」であり、異なる車種間の燃費性能を比較する際の公平な指標として役立ちます。実際にこれらの数値が常に計測できるわけではない点を理解しておくことが重要です。

実燃費

実燃費とは、ユーザーが実際に車を運転した際に計測される、生きた燃費の数値です。 カタログ燃費が理想値であるのに対し、実燃費は実際の道路状況や運転方法、積載量、エアコンの使用頻度、天候など、多岐にわたる要因の影響を直接受けるため、多くの場合、カタログ値を下回る傾向にあります。

アトレーの一般的な実燃費は、市街地走行で約10〜13km/L、郊外や高速道路走行では約12〜15km/L、総合的には約11〜14km/L程度となることが多いようです。急発進や急ブレーキ、アイドリングの多用、重い荷物の積載、エアコンの使い過ぎなどは、燃費を大きく悪化させる要因となります。自分の運転習慣や使用環境によって、実燃費は大きく変動することを覚えておきましょう。

 

アトレーの燃費性能の特徴

ダイハツ・アトレーの燃費は、カタログに記載されている数値と、実際に走行した際の数値とで異なります。ここでは、それぞれの燃費について詳しく見ていきましょう。

ターボエンジンを搭載

アトレーは、全グレードにKF型660cc直列3気筒DOHCインタークーラーターボエンジンを搭載しています。軽商用バンとしては珍しく、全車ターボエンジンである点が大きな特徴です。

一般的に、ターボエンジンはNA（自然吸気）エンジンに比べて燃費が悪いイメージがあるかもしれません。しかし、アトレーのターボエンジンは、低回転から高いトルクを発生させることができるため、市街地でのストップ＆ゴーや、荷物を積載しての走行においても、無理なく加速し、エンジンの回転数を不必要に上げずに走行できます。これにより、結果的に燃費の悪化を抑えることが可能になっています。

また、ターボエンジンによるパワフルな走りは、高速道路での合流や追い越しなど、より余裕を持った走行を実現し、ドライバーのストレス軽減にも貢献します。これは、特に長距離移動やレジャー用途でアトレーを使用するユーザーにとって大きなメリットとなるでしょう。

FR用CVTを採用

アトレーは、FR（後輪駆動）用のCVT（無段変速機）を採用している点も特筆すべき特徴です。従来のFR車に多く見られたAT（オートマチックトランスミッション）に比べて、CVTはエンジンの最も効率の良い回転域を保ちながら走行できるため、燃費向上に大きく貢献します。

CVTは、変速ショックがなく滑らかな加速を実現するため、運転中の快適性も向上します。特に、アトレーのように荷物を積んで走行する機会が多い車両の場合、スムーズな発進・加速は荷物の安定性にもつながります。

ダイハツが軽商用バンにFR用CVTを導入した背景には、燃費性能の向上だけでなく、商用車の需要が高まる中で、より快適で使いやすい車両を提供したいという狙いがあると考えられます。このCVTの採用により、アトレーは高い積載能力と、優れた燃費性能、そして快適な走行性能を両立させていると言えるでしょう。

電子制御式4WDでモード選択が可能

アトレーの4WDモデルは、電子制御式のフルタイム4WDを採用しており、「2WDモード」「4WD AUTO」「4WD LOCK」と3つの駆動モードが選択可能です。

これにより、通常は燃費に優れる2WDモードで走行し、必要な場面のみ4WDに切り替えることで無駄な燃料消費を抑えられます。雪道や悪路での安心感を得つつ、平常時は省エネ運転が可能な点が特徴です。環境や走行条件に応じて柔軟に駆動方式を選べることは、燃費向上にとって大きなメリットです。

 

燃費以外のアトレーの魅力は？

アトレーは燃費性能に優れているだけでなく、快適性や安全性、コストパフォーマンスにも優れた魅力を持っています。レジャーやビジネスなど、さまざまなシーンで使える多用途性が人気の理由です。

室内空間が広くレジャー目的としても人気

アトレーは「軽バン」でありながら、ゆとりのある室内空間が確保されています。特に荷室は長さ1,910mm・幅1,415mm・高さ1,300mm（FRモデル）と広く、レジャー用具やキャンプ用品を余裕で積載できます。フルフラットにも対応しており、車中泊や釣り、アウトドアなど多目的に使える点が特徴です。

さらに、フロントシートとリアシートの位置関係や開口部の広さも工夫されており、大きな荷物の積み下ろしもスムーズ。低床設計のため、年配の方や小さなお子様も乗り降りがしやすい構造です。

車両重量のバランスや足回りの剛性も見直されており、高速道路でも安定した走行が可能です。日常使いからレジャーまで、幅広い活用ができる点がアトレーの強みです。

維持費を抑えられる

軽自動車であるアトレーは、普通車に比べて維持費を大きく抑えることができます。

• 自動車税： アトレーの排気量は660ccのため、年間10,800円（※2025年現在）。
• 燃料代： 使用燃料はレギュラーガソリンのため、ハイオク車よりも燃料コストを削減可能。
• 車検費用： 軽自動車専用の整備プランや軽量な車体により、車検費用も抑えられます。
• 保険料： 任意保険も軽自動車割引が適用され、費用面で優遇されることが多いです。

さらに、アトレーはターボ搭載モデルでありながらも、エンジン制御技術により燃費性能が高く、日常のガソリン代の面でも経済的。車両価格も商用バンとしては手頃な設定となっており、コストパフォーマンスに優れた1台です。

14種類の予防安全機能が搭載

アトレーには、最新の「スマートアシスト」システムが搭載されており、14種類もの予防安全機能が標準装備されています。

主な機能	内容
衝突回避支援ブレーキ	歩行者・車両との衝突を回避
車線逸脱警報	車線のはみ出しを警告
誤発進抑制制御	前後の踏み間違いをサポート
先行車発進お知らせ	停止中の先行車の発進を通知

このほかにも、オートハイビームやブレーキ制御付き誤発進抑制、標識認識機能など、軽バンとは思えないほど充実した機能を搭載。日常の通勤や配達業務だけでなく、遠出の際にも安心感をもたらします。

安全性能は燃費や価格と並んでクルマ選びの重要な要素であり、アトレーはこの面でも優れた選択肢といえるでしょう。

快適装備も充実

アトレーは快適装備にも抜かりがありません。特に注目すべき装備は以下のとおりです。

• 電動スライドドア（助手席側）：両手がふさがっていても簡単に開閉可能。
• プッシュボタン式エンジンスタート：スマートキー対応で、キーを取り出す手間が不要。
• オートエアコン：温度調整が自動で、快適な車内環境を維持。
• シートヒーター（フロント）：寒冷地でも暖かく過ごせる。
• USB電源ソケットやアクセサリー電源：スマホ充電や電化製品使用にも対応。

ビジネス利用においても、長時間の運転や作業の合間に快適に過ごせる設計がされています。これらの装備は新車購入時から標準装備されており、価格に対する満足度も高くなっています。

 

アトレーの燃費をライバル車と比較！

アトレーの実力を把握するには、他社の人気軽バン・軽ワゴンとの燃費性能を比較するのが有効です。ここではアトレーと同カテゴリのライバル車と、その燃費や特徴を比較します。

アトレーのライバル車

軽バン市場では、アトレーのライバルとなる車種がいくつかあります。中でも以下の3車種は特に競合として意識されています。

• スズキ ハスラー（アウトドア向け軽SUV風バン）
• ホンダ N-VAN（ビジネス用途にもレジャーにも人気）
• ダイハツ タント（軽スーパーハイトワゴン）

これらの車と比較することで、アトレーの燃費や使い勝手の優位性を明確にできます。

【スズキ】ハスラー

ハスラーはSUVテイストの軽自動車で、レジャー志向の高いユーザーに人気です。排気量は660ccで、NA（自然吸気）とターボの2タイプがあります。

駆動方式	カタログ燃費（WLTC）
2WD	25.0km/L～
4WD	23.4km/L～

ハスラーの燃費は軽自動車トップクラス。アトレーよりもかなり高い燃費性能ですが、荷室容量や積載性ではアトレーに軍配が上がります。4WDモデルもあり、駆動性能にも配慮されていますが、レジャー用品の積載力や居住性という面ではアトレーが有利です。

【ホンダ】N-VAN

N-VANはホンダが展開する軽バンで、積載力と先進安全装備に優れています。エンジンはNAとターボがあり、燃費性能も比較的良好です。

駆動方式	カタログ燃費（WLTC）
2WD	19.2km/L～
4WD	17.4km/L～

N-VANは助手席側がピラーレス構造となっており、大きな荷物の出し入れがしやすい点が特徴。ビジネスユースではN-VAN、レジャー兼用ではアトレーが適しているといえるでしょう。ターボ車の加速性能ではアトレーに分があります。

【ダイハツ】タント

同じダイハツ製のタントも、アトレーの兄弟車種といえる存在です。スーパーハイトワゴンとして設計されており、乗用用途に強みがあります。

駆動方式	カタログ燃費（WLTC）
2WD	21.2km/L～
4WD	19.6km/L～

タントは後部座席の広さや乗り降りのしやすさで人気。ファミリーカーとしても選ばれています。ただし、積載性やフラットな荷室の利便性ではアトレーのほうが上回ります。価格帯も大きく異なり、アトレーの方が商用用途に特化しています。

アトレーワゴンのライバル車

乗用としてアトレーを選ぶ方にとって、比較対象となるのは「アトレーワゴン」に近い性質を持つ軽ワゴンです。以下のようなモデルが、燃費性能・装備・価格帯などの点で競合しています。

• スズキ エブリイワゴン（広い室内と快適性が魅力）
• ホンダ N-BOXカスタム（人気No.1の軽ハイトワゴン）
• 日産 クリッパーバン（商用と乗用の両面を意識した設計）

それぞれのモデルと比較して、アトレーワゴンの強みを検証します。

【スズキ】エブリイワゴン

エブリイワゴンは、アトレーと同じく軽ワゴンの中で積載性と快適性を両立させたモデルです。エンジンはターボのみ、駆動方式はFRおよび4WDが選べます。

駆動方式	カタログ燃費（WLTC）
2WD	15.1km/L～
4WD	15.1km/L～

燃費性能はアトレーとほぼ同等であり、駆動形式や排気量（660cc）も共通です。ターボ付きCVTを採用しているため、坂道や高速走行にも強いです。装備面ではエブリイワゴンも充実していますが、アトレーは安全支援機能の数が多く、レジャー向けとしての使いやすさで優れています。

【ホンダ】N-BOXカスタム

ホンダN-BOXは、販売台数トップを誇る軽自動車です。中でも「N-BOXカスタム」は上級グレードで、快適装備と内装の質感が特徴です。

駆動方式	カタログ燃費（WLTC）
2WD	21.5km/L～
4WD	19.4km/L～

燃費性能はアトレーを上回りますが、ターボモデルは燃費が若干落ちます。一方で、荷室容量やフラットフロア化、車中泊など多用途性ではアトレーが勝ります。価格はN-BOXカスタムの方が高く、新車価格でも差が出ます。日常利用の快適さを重視するならN-BOX、積載性と走行性能ならアトレーが優れています。

【日産】クリッパーバン

日産 クリッパーバンは、商用モデルをベースとしつつ、乗用にも配慮されたバンタイプの軽自動車です。OEM供給元はスズキのエブリイで、基本性能は近いです。

駆動方式	カタログ燃費（WLTC）
2WD	16.4km/L～
4WD	16.4km/L～

アトレーと同様、ターボエンジン・660cc・FRベースの設計となっており、走行性能や耐久性が求められる現場でも活躍します。ただし、予防安全機能や快適装備においてはアトレーの方が一歩リードしています。価格面でも同水準のため、選ぶ際には装備の充実度が比較ポイントとなります。

 

アトレーの燃費を良くするための3つのコツ

燃費性能をより活かすには、日々の運転や整備の工夫も重要です。ここではアトレーの燃費を良くするために実践できる3つのコツをご紹介します。

タイヤの空気圧をこまめにチェックする

タイヤの空気圧が適正値より低いと、転がり抵抗が増えて燃費が悪化します。特に荷物を積載する頻度の高いアトレーでは、タイヤへの負荷も大きくなるため、空気圧のチェックは必須です。

• 月に1回は空気圧を点検
• メーカー指定の空気圧（前後輪）を守る
• 夏場と冬場で微調整する

エアゲージを使ってセルフチェックするか、ガソリンスタンドでの定期確認を習慣にしましょう。適正な空気圧は安全性の向上にもつながります。

積載量を減らす

荷物の量が多いほどエンジンへの負荷が高まり、燃費は悪化します。仕事やレジャーで頻繁に積載するアトレーだからこそ、「不要な荷物を積まない」ことが効果的です。

• 車内に常備している工具や資材を見直す
• 旅行後やイベント後はすぐに荷下ろしする
• 荷物を前後左右バランスよく配置する

常に満載状態にしておくことは燃費にも車体寿命にも悪影響を及ぼします。軽量化は燃費改善の基本です。

急発進・急加速を避ける

運転方法も燃費に直結します。アクセルを一気に踏み込むような急発進・急加速は、無駄な燃料消費を引き起こします。

• アクセルはじわっと踏む
• エンジン回転数を意識して2,000〜2,500rpm以内をキープ
• 停止前は早めにアクセルを戻しエンジンブレーキを活用

エコドライブを意識するだけで、実燃費が1〜2km/L改善することもあります。運転者の心がけがもっとも重要なポイントです。

 

アトレーの燃費の関するご相談は軽の森へ！

アトレーは商用・乗用どちらでも活躍できる軽自動車であり、燃費・積載性・快適性を高い次元で兼ね備えています。燃費性能は他車と比べて平均的ですが、ターボや4WDを備えた上での実力は十分。日々のメンテナンスや運転方法次第で、さらに効率よく使い続けることができます。

車両選びやライバル車との比較、燃費に関する疑問などがある方は、ぜひ軽の森にご相談ください。専門スタッフが使用目的やご予算に合わせて、最適な車種とメンテナンス方法をご提案いたします。お客様のカーライフを全力でサポートいたします。

 

出典

ホンダ（N-VAN、N-BOX）

スズキ（ハスラー、エブリイワゴン）

ダイハツ（タント）

日産（クリッパーバン）